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2024.08.26コラム

アスレティックトレーナーになるには?仕事内容や勉強方法、働き方もご紹介

アスレティックトレーナーは、医学的な知識を活かしてスポーツ選手が実力を最大限に発揮できるようにサポートする職業です。

仕事内容はいくつかあり、リハビリやケガの予防、応急処置など、いずれも医学的な専門知識が必要です。そのため、必要な資格を取得して実績を積むと良いでしょう。

この記事ではアスレティックトレーナーの仕事内容や必要な資格、なり方、働き方を解説します。

アスレティックトレーナーを目指す方は参考にしてください。

アスレティックトレーナーとは

アスレティックトレーナーは、日本では「スポーツトレーナー」や「AT」と呼ばれることもある、おもにスポーツ選手を対象とした職業です。

詳しい仕事内容は後述しますが、スポーツ選手が最大限のパフォーマンスを発揮できるように身体面や心理面のサポートをおこないます。

アスレティックトレーナーはとくに医学系のサポートに強く、ケガの処置やリハビリテーションなどのケアも実施します。似た職業にスポーツトレーナーがありますが、スポーツトレーナーとの違いは次の項目で解説します。

 

スポーツトレーナーとの違い

アスレティックトレーナーはスポーツトレーナーの一種であることから、大きな括りではスポーツトレーナーともいえ、スポーツ選手をサポートする面も同じです。

しかし、アスレティックトレーナーはスポーツトレーナーよりも医学的な知識と技術を兼ね備えている点が大きく異なります。

アスレティックトレーナーは、医療的なケアを重点的におこなうトレーナーであり、アスレティックトレーナーに限定された資格も存在します。

 

 

アスレティックトレーナーの仕事内容

医療的なケアをおこなうアスレティックトレーナーの仕事内容は多岐にわたります。以下ではアスレティックトレーナーのおもな仕事内容を5つ解説します。

 

スポーツ選手のケガの予防と応急処置

スポーツ選手が最大限の力を発揮するためには、まずケガの予防が大切です。そのため、アスレティックトレーナーは日々スポーツ選手のケガの予防に努める必要があります。練習や試合前のテーピング処置やサポーターの装着、安全に競技に取り組める環境の調整もおこないます。

また、競技中に思わぬケガを負った場合の止血やテーピング法といった仕事をします。さらに、その選手はもうプレーするべきではないのか、すぐに病院へ行くべきなのか、といった判断が必要なケースもあります。心停止した場合に備えて、救急法も実施できる必要があります。

 

身体能力や健康面の観察

アスレティックトレーナーは、選手の健康状態の把握も大切な仕事です。細かな体調の変化に気づき、ケガや事故につながりやすい状況を未然に防ぎます。

サプリメントなど、選手が口にするものも把握し、ドーピングで禁止されているものがないかもチェックします。

また、競技のために鍛えるべき筋肉や、より広げたい関節可動域などもチェックし、必要なトレーニングを提案します。

 

コンディショニング

先述した健康状態の把握だけでなく、常に良い体調を保つようサポートすることもアスレティックトレーナーの仕事のひとつです。選手のコンディションには身体的な体調だけでなく、心理面の体調も影響します。

心理面のコンディショニングは、より専門的な知識を持ったメンタルトレーナーなどと連携する場合もあります。ただ、日々長い時間を選手とともに過ごすアスレティックトレーナーは、選手のちょっとした変化にも気づくことができます。そのため、心理面のサポートもアスレティックトレーナーとして重要な仕事のひとつとなります。

アスレティックトレーナーがおこなうコンディショニングは、より良いトレーニング内容や食事メニューの考案をはじめ、睡眠等の生活習慣の改善、環境への対策(紫外線、高所、時差など)も含まれます。結果が出ない場合には、選手とコミュニケーションを図りながら、より良いコンディショニング方法を探します。

 

アスレティックリハビリテーション

アスレティックリハビリテーションとは、ケガをしてしまったスポーツ選手を、競技の完全復帰まで導くリハビリテーションのことです。アスレティックトレーナーは医学的な専門知識で、より良いリハビリテーションを提供します。

一般的なリハビリテーションの目的は、ケガの後に日常生活が送れるようになることです。しかし、アスレティックリハビリテーションは「競技への復帰」が目的であり、一般的なリハビリよりも高度な知識と技術が求められます。

アスレティックリハビリテーションには、患部の痛みや腫れを軽減させるケア、関節可動域を広げるストレッチング、筋力を取り戻す筋力トレーニング、更に競技に復帰するためのスキルトレーニングなど多岐にわたり、怪我からの回復はもちろんのこと、パフォーマンスアップのトレーニングも並行して進めることが求められます。

 

身体面のアドバイスやカウンセリング

アスレティックトレーナーは、選手のより良いパフォーマンスのためにサポートする職業であることから、選手の普段の過ごし方などのアドバイスもおこないます。

ときにはプライベートの内容にまで話が及ぶこともあるため、選手との信頼関係を築くことも必要です。

コンディショニングの項目でも解説しましたが、食事メニューの提案だけでなく、睡眠時間や睡眠環境のアドバイスもおこないます。このような細かなアドバイスが、選手のより良いパフォーマンスにつながります。

 

 

アスレティックトレーナーになるには?

より専門的な医療系の知識を活かして選手をサポートするアスレティックトレーナーのなり方は、いくつかあります。いずれの場合も専門的な知識を学ぶ必要があることから、独学では難しい場合も多いでしょう。

以下に紹介する3つのなり方から、ご自身に合った方法を選んでください。

 

大学や専門学校で学ぶ

アスレティックトレーナーを目指す場合、大学や専門学校で専門知識を学ぶ方法があります。JATAC-ATCの項目で解説したような医療系の資格を取得するための学校では、授業の一環でアスレティックトレーナーに必要な学問を学べます。

また、スポーツ系の専門学校や、スポーツ分野を学ぶ大学の学科であれば、アスレティックトレーナーに必要な学問を学べるでしょう。

日本スポーツ協会が承認した大学や専門学校で定められたカリキュラムをすべて履修すると、JSPO-ATの資格試験の受験資格を得ることができます。

さまざまな医療系の専門学校や大学でアスレティックトレーナーに必要な学問を学べるわけではないため、あらかじめカリキュラムを確認しましょう。

 

トレーナー育成スクールで学ぶ

アスレティックトレーナーを目指す前に、トレーナーとしての基礎知識を身につけたい方は、トレーナー育成スクールがおすすめです。トレーナー育成スクールでは、トレーナーに必要な知識や技術を身につけることができます。

好きな時間を選んで通えるスクールも多いため、社会人からトレーナーを目指す方にもおすすめです。トレーナー育成スクールで学んだ後、さらにアスレティックトレーナーに必要な資格の取得を目指す方法もあります。

 

海外で知識と技術を学ぶ

トレーニングに関する内容は、日本よりも欧米のほうが最先端の知識や技術を学べるといわれています。そのため、よりレベルの高い最先端の内容を学びたい方は海外留学する方法もあります。

しかし、海外留学となると、留学する国の言語を学ぶ必要や金銭的な準備の必要もあるため、ある程度の準備期間が必要になる点には注意が必要です。

 

 

アスレティックトレーナーになるために必要なスキル

アスレティックトレーナーとして活躍するためには、必要なスキルがあります。いずれもアスレティックトレーナーとしての信頼を得て、結果を出すためのものです。

 

スポーツや医療に関する専門的な知識

アスレティックトレーナーは、選手がより良いパフォーマンスを発揮できるよう、身体面や心理面からサポートする職業です。より良いサポートのためには、医療や心理面の専門的な知識が必要です。

また、担当する選手の競技についても詳しく学ぶ必要があります。競技に詳しくなることで、起きやすいケガの予防や鍛えるべき筋肉の把握ができます。

 

コミュニケーション能力

アスレティックトレーナーは、選手とコミュニケーションを図りながら、より良いコンディションを目指します。そのため、コミュニケーション能力は必須といえるスキルです。

まずは選手と信頼関係を築くことから始めます。

また、選手が結果を出せないときやケガのときのメンタル面のサポートも、アスレティックトレーナーの仕事のひとつです。

 

常に学び続ける姿勢

先述のように、選手のサポートのためには専門的な知識が必要です。専門的な知識は日々アップデートされるため、常に学び続ける必要があります。

選手のサポートに加えて、日々勉強しながら新しい知識を得ることも、アスレティックトレーナーの大切な仕事のひとつです。

 

 

アスレティックトレーナーになるなら取得しておきたい資格

「アスレティックトレーナー」には、アスレティックトレーナーとしての知識と技術を証明できる資格があります。

国家資格ではないため、資格を取得しなくてもスポーツトレーナーとして活躍できるでしょう。しかし、アスレティックトレーナーは医学的な専門知識が必要となるため、以下に紹介する2つの資格の取得が推奨されています。

  • JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)
  • JATAC-ATC(ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定アスレチック・トレーナー)

 

JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)

JSPO-ATとは、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーのことです。スポーツをする方の安全を確保しながら、最大限のパフォーマンスを発揮できるサポートをする指導者であることを認定しています。

JSPO-ATの資格を取得すると、以下の知識や技術の証明になります。

  • スポーツ活動中の外傷・障害予防(ケガの予防)
  • コンディショニング、リコンディショニング(ケガや病気のあとに再び普段の状態に戻ること)
  • 選手の安全管理と健康管理
  • ケガや急病時に医療従事者に引き継ぐまでの救急対応

JSPO-ATは満20歳以上に受験資格があり、合格後は4年ごとに更新が必要です。合格率は10~30%程度で、難易度が高いといわれています。ただ単に合格すればよいわけではなく、特定の講座受講または指定校でのカリキュラムの取得が必須です。

医学的な知識など、専門的な内容を学ぶ必要があるため、専門学校や大学で学ぶ方法がおすすめです。

 

JATAC-ATC(ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定アスレチック・トレーナー)

JATAC-ATCはジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会が認定する資格です。柔道整復師、理学療法士、はり師・きゅう師、作業療法士、看護師、保健師、助産師、救急救命士、 あん摩マッサージ指圧師、カイロプラクター、栄養士、薬剤師、養護教諭の資格をすでに取得している方は、指定された講習を受けて単位を取得すると、JATAC-ATCに認定されます。

そのほかにも資格があり、指定された講習で単位を取得する必要がない場合もあります。

JSPO-ATとは異なり、すでに医療従事者として活躍していたり、医療系の専門学校や大学で学んでいたりして、基礎知識を有している方が取得する資格といえます。

上記のような医療資格や他の専門資格を持ってすでに活動している方が、更にアスレティックトレーナーとして活躍の場を広げたいという場合におすすめの資格といえるでしょう。

もしすでに指定された医療系の資格を取得している場合は、JATAC-ATC資格を取得してはいかがでしょうか。

 

 

アスレティックトレーナーの働き方

アスレティックトレーナーの資格を取得したあとは、どのような働き方があるのでしょうか。本章では、アスレティックトレーナーの働き方を4つ挙げて解説します。

 

スポーツチームに所属する

「スポーツ選手のサポートがしたい」と考えてアスレティックトレーナーを目指す場合、プロスポーツチームや実業団に所属する方法があります。

募集が少ないため、非常に高い倍率での採用となります。アスレティックトレーナーとして高度な知識や技術を求められるとともに、そのスポーツに特化した専門性のある知識・技術も必要です。そのスポーツでの経験・実績が必要になる場合も多いため、さまざまなスポーツチームのアスレティックトレーナーの募集を探してみるとともに、最初はボランティアや無償インターンでも良いと割り切って経験を積んでいく、ということも必要かもしれません。

まずは、さまざまなスポーツチームのアスレティックトレーナーの募集を探しましょう。一般的には求人として募集しているチームは少なく、専門学校や働いているトレーナーからの紹介などで決まる場合や、アスレティックトレーナーを派遣する会社からスポーツチームに派遣されるという場合もあります。

スポーツチームに所属するアスレティックトレーナーは、先述した「アスレティックトレーナーの仕事内容」の項目の仕事を一貫しておこなうため、より観察力や知識が必要です。

 

選手個人と契約してフリーランスのアスレティックトレーナーとして働く

ここでは「選手個人と契約するアスレティックトレーナー」を解説します。テニスや水泳などの競技では、選手個人とアスレティックトレーナーが契約する場合があります。

この場合、求人が出ているわけではないため、チームに所属する場合と同じように知人を通じての募集が多いようです。

そして、資格を取得していたとしても、経験がない場合はほとんど採用されないでしょう。アスレティックトレーナーを必要としているアスリートは、コーチや友人、SNSなど、様々な手段を使って、自分に合った良い人材を探しています。まずはアスレティックトレーナーとしての経験を積んで、知識と技術を磨き続けて、アスリートに見つけてもらえるよう努力を続けることが大切です。

 

医療機関や整骨院で働く

整骨院や病院は、スポーツ選手がケガをしたときに通う場所であることから、アスレティックトレーナーを採用している場合もあります。とくに病院では「整形外科」や「スポーツ整形外科」での採用が多いようです。

また、チームに所属したりフリーランスとして活動したりする場合とは異なり、求人が公募されている場合がほとんどです。医療機関や整骨院で働く場合は、理学療法士や柔道整復師などの資格が必要になることがあるため、事前に確認しましょう。

様々な競技のアスリートが訪れ、多種多様なケガの対応が求められるため、大変な職場ではありますが、やりがいや高い充実度を感じられる場所でもあると考えられます。レベルの高い医療知識を学べる場所でもあるため、経験を積みたい方にはおすすめの就職先です。

 

パーソナルトレーナーとしてジムで働く

パーソナルトレーナーは、クライアントの希望にあわせて最適な運動方法や食事などを提案する職業です。運動法や食事法を提案することから、アスレティックトレーナーに通じる部分もあります。

ジムでは数人のパーソナルトレーナーが働いているため、アスレティックトレーナーの資格を取得していると、医学的な専門知識を活かして他のトレーナーとの差別化が図れて、ケガのリハビリや身体の痛み・凝りの改善などを希望するクライアントの集客につながりやすい可能性があります。

そして、専門的な知識を活かして、より良いトレーニングや食事の提案ができます。このように、パーソナルトレーナーとしての活動は、アスレティックトレーナーにも活かせるものが多くあります。

 

 

まとめ

アスレティックトレーナーの仕事内容やなり方、資格、働き方はご理解いただけましたか。

アスレティックトレーナーはスポーツトレーナーの一種で、医療的な知識を活かして選手をサポートします。おもな仕事内容は選手の身体・健康面のアセスメントや管理、リハビリテーション、ケガ予防や応急処置などです。

そのため、医学的な知識が必要となり、「アスレティックトレーナー」と名乗るために取得を推奨される資格もあります。

アスレティックトレーナーの資格を取得したあとは、プロスポーツチームや実業団に所属する方法があります。医療系の資格を持っている場合は病院や整骨院で働いたり、パーソナルトレーナーとしてトレーナーの実績を作っていく方法もあります。

ご自身がどのように活躍したいのかを考え、アスレティックトレーナーを目指しましょう。

 

 

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この記事の監修者 Supervisor

米国公認アスレティックトレーナー(BOC-ATC) 山口 淳士

株式会社アスポ 企画開発・クリエイティブディレクター。米国でのトップアスリート支援の実績を経て、日本国内でもアスリートから一般の方への運動指導を行うとともに、企業向けの運動指導や健康セミナー講師の実績も多数。科学的根拠をベースとした運動・健康指導に定評

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