筋トレに興味・関心があり「将来的にボディービルダーとして活躍したい」とお考えの方もいるかもしれません。
しかし、具体的にどのような活動内容なのか、どのような手段で収入を得ているのか分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ボディービルダーの活動内容やトレーニング方法を詳しく解説します。ボディービルダーが保有したい資格もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ボディービルダーとは
ボディービルダーとは、ボディービルディングに励んでいる方を指す用語です。ボディービルディングとは、バーベルやダンベルなどの器具を使用してトレーニングを実施し、逞しい筋肉を作ることを意味します。
ボディービルディングは、単に走ったり泳いだりして筋肉を作るのではなく、科学的な手段で筋肉を刺激し、大きく発達させる技術・スポーツ競技です。国内外で大会が開催されており、趣味としての活動を超えて仕事として収入を得るケースもあります。
ボディービルダーと似ている「フィジーカー」の異なる点は?
ボディービルダーに興味・関心がある方は、「フィジーカー」という単語も見聞きした経験があるかもしれません。
ボディービルダーは、上半身も下半身も審査対象とされ、大会ではボディビルパンツを着用します。それに対し、フィジーカーは、おもに上半身が審査対象とされ、大会ではハーフパンツを着用します。
鍛えた肉体を披露する点は共通していますが、審査対象とされる部位が全身なのか上半身中心なのかが異なります。
ボディービルディングの歴史
トレーニングを実施して筋肉を作る行為は、古代ギリシャ文明が栄えた紀元前の時代から実践されていました。
近代オリンピック開始後の1897年、ドイツ人医師ユージン・サンドー氏が「筋力とその強化法」という書籍を出版しました。そして、バーベルやダンベルを用いて筋肉を発達させる科学的トレーニング法が普及し、1898年には鍛えた身体の見栄えを競うコンテストがイギリスで開催されました。
第二次世界大戦後は、IFBB(International Federation of Bodybuilding and Fitness)などによって、世界中でボディービルディング大会が開催されており、なかには高額な賞金が出る大会もあります。
日本でも公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟がボディービルディング大会を主催し、多数のボディービルダーが参加しています。
ボディービルダーとしての仕事・活動内容
以下は、ボディービルダーとしてのおもな活動内容です。
- ボディービルディングの大会に出場して賞金を獲得する
- 各種メディアへ出演する
- スポンサーの商品・サービスを宣伝して報酬を得る
- トレーナーとして勤務して給与を受け取る
- ジムを経営して事業収入を得る
それぞれに関して詳しく説明します。
ボディービルディングの大会に出場して賞金を獲得する
ボディービルダーの中には、単なる趣味として自己満足で完結する方もいるでしょう。一方、「トレーニングで鍛えた肉体を見て評価してほしい」と考える方は、ボディービルディングの大会に出場する場合もあります。
大会によっては、多額の賞金を獲得することも可能です。たとえば、ボディービルディングの国際大会である、アメリカのオーリンズアリーナで年1回開催される「ミスターオリンピア」では、約5,000万円の賞金が出ます。
ただし、日本では賞金が出ない大会も多くあります。そのため、国内限定で活動する方は、大会への出場のみで生計を立てることは難しい可能性があります。
各種メディアへ出演する
テレビ番組・スポーツ系雑誌・動画配信サイトなどにボディービルダーとしてゲスト出演し、出演料を受け取る方もいます。ただし、オファーがなければ出演できないため、収入を安定させることは難しいかもしれません。
なお、動画配信サイトであれば、ご自身でトレーニング風景の動画を撮影・アップロードし、収益を得ることも可能です。オファーの有無に関係なく、ご自身の創意工夫で再生数を増加させて収益を得たい場合、ひとつの選択肢となるでしょう。
スポンサーの商品・サービスを宣伝して報酬を得る
ボディービルディングの大会で優勝したり、メディアへの露出が増えたりすると、スポーツジム関連企業やプロテイン製造・販売企業などから、スポンサー契約のオファーが届く場合があります。
スポンサー契約を結び、各社の公式サイトなどで商品・サービスを宣伝すると、報酬を得ることが可能です。
なお、受け身の姿勢でオファーを待つのではなく、みずから営業をかけてスポンサーを獲得する方法もあります。
トレーナーとして勤務して給与を受け取る
スポーツジムやパーソナルジムなどでトレーナーとして勤務し、給与を受け取っている方も数多く存在します。正社員として雇用されると生活が安定するうえに、トレーニングへ打ち込みやすい環境を構築できます。
基本的に、専業のボディービルダーは少数派であるため、多くの方は普段はトレーナーなどとして業務をおこなっています。
ジムを経営して事業収入を得る
企業に雇用されるのではなく、自分でジムを経営して事業収入を得る方もいます。とはいえ、ノウハウがない状態で開業しても失敗する可能性が高いため、トレーナーとしての勤務経験や幅広い知識・スキルが求められます。
知識・スキルを保有していることを客観的に照明するためには、トレーナーに関連する資格の取得が有効です。資格を取得することで対外的に知識・スキルを示すことができれば、集客にも役立つ可能性があります。
指導時にも役立つボディービルダーのトレーニング方法
以下で、ボディービルダー向けのおもなトレーニング方法(上半身および下半身)をご紹介します。趣味としてボディービルディングを実施する場合だけではなく、トレーナーとして指導する場合にも役立つので、ぜひ参考にしてください。
上半身のトレーニング方法
下表に、上半身を鍛えたい場合に効果的なトレーニング方法をまとめました。
種類 |
鍛えられる部位 |
取り組み方 |
腕立て伏せ(プッシュアップ) |
胸の筋肉を鍛えることが可能 |
- 両手の幅を肩よりも手1個分外側に構え、肩からつま先までを一直線の状態にし、腕立て伏せの姿勢を作る
- 肩甲骨を寄せて胸を張り、両肘を曲げて胸が床に接する直前までゆっくりと沈め、1の姿勢に戻す
|
ショルダープレス |
肩の筋肉を鍛えることが可能 |
- 両脚を肩幅に開き、背筋を伸ばして立つ
- 両手にダンベルを持ち、両わきを開いて耳の高さに構える
- 背筋を伸ばしたままダンベルを頭の上に持ち上げ、両方を近づけてから2の姿勢に戻す
|
ベントオーバーローイング |
背中の筋肉を鍛えることが可能 |
- 背筋を伸ばし、両足を腰幅に開く
- 上半身を約45度前傾させ、膝を曲げてバーベルを持つ
- 胸を張りながら両肘を後方に引き、バーベルを腰の高さまで引き上げ、2の姿勢に戻す
|
ツイストシットアップ |
腹部の筋肉を鍛えることが可能 |
- 仰向けの姿勢で両膝を立て、両手を胸の前で交差させ、頭部を床から浮かして腹筋に力を入れる
- 息を吐きながら上半身を起こし、左右にひねる
- 腹筋に力を入れたまま、1の姿勢に戻す
|
鍛えたい筋肉に応じて、トレーニング方法を変えましょう。
下半身のトレーニング方法
下表に、下半身を鍛えたい場合に効果的なトレーニング方法をまとめました。
種類 |
鍛えられる部位 |
取り組み方 |
スクワット |
臀部と太もも前面の筋肉を鍛えることが可能 |
- 両脚を肩幅に開き、背筋を伸ばして立ち、バーベルを肩にかつぐ
- 背筋を伸ばし、お尻を引くイメージで膝を曲げ、1の姿勢に戻す
|
ブルガリアンスクワット |
臀部の筋肉を鍛えることが可能 |
- 後方に台を置く
- 背筋を伸ばして立ち、両手にダンベルを持って後方の台に片脚をかける
- 膝がつま先よりも前方に出ないように注意しながら真下に腰を落とし、2の姿勢に戻す
|
デッドリフト |
背中の筋肉を鍛えることが可能 |
- 背筋を伸ばし、肩幅に脚を開いてバーベルを身体の前で両脚の幅よりも広めに逆手で持つ
- 後ろにお尻を突き出すイメージで、バーベルをすねあたりまで下ろし、1の姿勢に戻す
|
なお、トレーニングの取り組み方は、文字の情報だけではなかなかイメージしにくい部分もあります。実際に動きを見ながら学ぶことができれば、効率的にトレーニング技術を習得できるでしょう。
詳細は後述しますが、実践的なトレーニング方法を目で見て学びたい場合には、トレーナー育成スクールへ通うのも選択肢のひとつです。
過度なトレーニングには注意が必要
過度なトレーニングを実施すると身体にトラブルが発生する場合があるため、無理をせず、体調がすぐれない場合はトレーニングを避けましょう。
トレーニングに伴い発生する可能性がある症状として、たとえば、筋肉を酷使すると発症する可能性がある「オーバートレーニング症候群」や、過度な糖質制限を実施している場合に陥る「低血糖」などがあります。
また、持病がある方は、トレーニングに取り組む前に医師へ相談することが重要です。加えて、トレーニングを開始後、気になる症状があらわれた場合には、速やかに医師の診断・治療を受けてください。
ボディービルダーにおすすめの資格
みずからのトレーニングを安全に遂行するために、あるいは、トレーナーとして安全な指導を実施するために、資格の取得もご検討ください。客観的に知識・スキルがあることを証明できるため、トレーナーとして働いている場合には集客にも役立つでしょう。
以下は、ボディービルダーにおすすめの資格です。
- NSCA-CPT
- NASM-CPT
- NESTA-PFT
各資格に関して詳しく説明します。
NSCA-CPT
NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)は、アメリカに本部を置くNSCA(National Strength and Conditioning Association、全米ストレングス&コンディショニング協会)が認定するパーソナルトレーナー資格です。
健康と体力に関し、評価・動機づけ・教育・トレーニング・コンディショニング全般の指導を実施するための専門的能力を有することを客観的に証明できます。
NCCA(The National Commission for Certifying Agencies、全米資格認定委員会)によって認定された権威ある資格です。
NASM-CPT
NASM-CPT(NASM認定パーソナルトレーナー)は、NASM(National Academy of Sports Medicine、全米スポーツ医学協会)が認定する資格です。ノースカロライナ大学チャペルヒル校のNASM研究所がサポートする、包括的な科学研究により開発されました。
NCCA(全米資格認定委員会)によってアメリカ国内で最高水準にランク付けされています。科学的原理に基づいて、クライアントにトレーニングプログラムを提供する能力があることを客観的に証明可能です。
NESTA-PFT
NESTA-PFTは、NESTA(National Exercise & Sports Trainers Association、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)が認定するパーソナルフィットネストレーナー資格です。
身体に関する専門知識・技術、ビジネススキルがあることや、科学的根拠にもとづいてプログラムを作成可能であることを客観的に証明できます。日本国内だけではなく、国際的に通用する資格です。
NESTAでは、日本支部の「NESTAジャパン」を立ち上げ、日本人向けにプログラム・試験を提供・実施しています。
トレーナー育成スクールで資格取得に向けて学習することも検討を
先に少し触れたとおり、トレーニング方法の具体的な取り組み方を目で見て学びたいなら、トレーナー育成スクールへ通うのも選択肢のひとつです。
トレーナー育成スクールではトレーニングの実践的な技術が身に付く他、ボディービルディングに役立つ多様な知識・スキルを習得できます。更に、トレーナー育成スクールによっては、各種資格の受験をサポートしている場合もあります。
各種資格は独学で取得できる場合もありますが、トレーナー育成スクールへ通学すれば、不明な点がある場合は講師に質問できます。自学自習とは異なり、すぐに不明点を解消できるため、より内容を理解しやすくなるでしょう。
スクールごとに学習プログラムや費用が異なるので、内容を比較し、ご自身に適したスクールをお選びください。
まとめ
ボディービルダーの中には、各種大会に出場し、賞金を獲得している方もいます。ただし、日本国内の大会では賞金が出ないケースが多いです。そのため、トレーナーとして勤務したり、ジムを経営したりして生計を立てているボディービルダーが多くいます。
トレーナーとして勤務する場合やジムを経営する場合は、資格を取得して、トレーニングに関する知識・スキルがあることを客観的に証明し、集客に役立てることも検討しましょう。
まずはASPトレーナースクールの無料体験授業を受講してみよう
ASPトレーナースクールは、トレーニングの実践的な技術や多様な知識を学ぶことができ、トレーナー関連の資格取得も目指せるトレーナー育成スクールです。
ASPトレーナースクールでは、多種多様な分野・領域の授業(座学および実技)を用意しています。NSCA-CPT、NASM-CPT、NESTA-PFTの取得に関するサポートも実施しており、取得率は100%※です。
ご自身の趣味としてボディービルディングを実践している方や、トレーナーとしてのスキルを向上させたい方、資格を取得したい方は、ぜひ受講をご検討ください。
※2023年実績