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2024.10.03コラム

クレアチンの摂取で期待できる効果とは?効率的な摂り方や貯蔵方法も紹介

近年、運動のパフォーマンス向上や筋トレのサポート効果がある栄養素として、クレアチンが注目を集めています。

しかし、筋トレを始めたばかりの方の中には、「クレアチンってなに?」「どんな効果があるの?」など、疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、クレアチンの基本的な概要や摂取することで期待できる効果を解説するほか、効率的な摂取方法も紹介します。

効率良く筋トレをおこないたい方や日常的に運動をする方は、ぜひ参考にしてください。

クレアチンはどんな栄養素?

クレアチンは、筋肉のエネルギー源となる物質であり、アミノ酸のひとつです。おもに骨格筋、心筋、網膜、脳、免疫系の細胞などの筋肉活動で酷使する部分に存在しており、そのうち95%が骨格筋に蓄えられています。

運動時に必要なエネルギーが作られるしくみにはクレアチンが大きく関わっているため、とくに日常的に運動をする方にとっては重要な栄養素のひとつです。

なお、体重70kgの成人の場合、体内に貯蔵されたクレアチニンの量は約120g~140gとされています。

 

クレアチンと筋肉の関係

運動の際に必要な筋収縮のエネルギー源は、ATP(アデノシン三リン酸)がADP(アデノシン二リン酸)に分解されるときに放出されますが、筋肉に含まれているATPには限りがあり、量も多くはありません。

激しい運動ではすぐにATPが尽きてしまうため、継続してパフォーマンスを維持するためには、分解されたADPを直ちにATPに再合成する必要があります。

このATPの合成に使われる物質が、クレアチンにリン酸が結合(リン酸化)した「クレアチンリン酸」です。

クレアチンリン酸は、クレアチンが存在しなければ生成されません。つまり、クレアチンの摂取によって、体内のクレアチンリン酸濃度が増加することで、素早くATPの再合成がおこなわれるということです。

なお、体内に貯蔵されるクレアチンのうち、3分の2がクレアチンリン酸として存在しています。

 

 

クレアチンの摂取で期待できる効果

クレアチンの摂取によって期待できるおもな効果は、以下のとおりです。

 

  • 高強度の運動でのパフォーマンスが向上する
  • 筋トレ効果の向上が期待できる
  • 運動後の疲労の軽減・回復をサポートする

 

それぞれを解説します。

 

高強度の運動でのパフォーマンスが向上する

クレアチンの摂取には、繰り返しおこなわれる150秒未満の高強度の運動でパフォーマンスの向上効果が認められています。

とくに30秒未満の全力運動ではもっとも効果があるとされており、短距離走や重量挙げなどでは、クレアチンを摂取することで高いパフォーマンスを維持することが期待できます。

 

筋トレ効果の向上が期待できる

クレアチンを摂取することで、レジスタンストレーニングによる筋力アップのサポート効果が期待できます。

レジスタンストレーニングとは、腕立てやスクワット、ダンベルのような器具を利用した筋トレなどを繰り返しおこない、筋肉に抵抗をかけるトレーニングです。

クレアチンの摂取自体に筋力アップの効果があるわけではありません。しかし、クレアチンの摂取によって、高強度の運動でのパフォーマンスの向上効果が期待できるため、レジストトレーニングによる筋肥大を促進させる可能性があります。

また、運動器の障害によって立ったり歩いたりするための身体能力(移動機能)が低下した状態をロコモティブシンドロームと呼びますが、トレーニングによって筋力を維持することで、ロコモティブシンドロームの防止も期待できるでしょう。

 

運動後の疲労の軽減・回復をサポートする

クレアチンの摂取には、高強度の運動でのパフォーマンス向上や高負荷の筋トレのサポート効果だけでなく、運動後の疲労の軽減や回復をサポートする効果も期待できます。

大正製薬株式会社と慶應義塾大学体育研究所による研究結果では、クレアチンの摂取によって、運動後の筋損傷に由来する筋肉の疲労感・張り・筋力低下などを軽減させる効果が確認されたとのことです※。

クレアチンは、以前からアスリートや高負荷の筋トレによる筋力アップを目指す方に摂取されることの多い成分でしたが、運動による筋肉のダメージを軽減し、疲労を素早く回復したい方にも有益な成分である可能性が示されました。

※出典:大正製薬株式会社「『クレアチンによる運動後に残る疲労感・筋肉の張り・筋力低下の軽減効果』をヒト試験で確認」

 

 

クレアチンが含まれる食べ物

体重70kgの成人の場合、クレアチンは1日約2g必要とされており、そのうちの半分は肝臓で合成されますが、不足分は食べ物から摂取する必要があります。

クレアチンが含まれているおもな食材は、肉類や魚類です。なかでも代表的な食材と含有量を、以下にまとめました。

 

食材 1kgあたりの含有量
牛肉 約4.5g
豚肉 約5g
ニシン 約6.5g
約4.5g
マグロ 約4g
タラ 約3g

 

クレアチンは加熱によって失われやすく、食事での実質摂取量は60~80%になるといわれています。

なお、クレアチンは果物や野菜にも微量に含まれています。肉や魚はクレアチンを効率的に摂取できる食材ですが、必ずしも肉や魚から摂取しなければいけないわけではないので覚えておきましょう。

 

状況にあわせてサプリでの摂取も検討する

通常の生活でクレアチンが不足する可能性は低いとされていますが、アスリートや本格的な筋トレをおこなっている方は、日々の食事でクレアチンを摂取しても不足する可能性があります。

そのため、日常的に高強度の運動をする方に関しては、サプリで不足分のクレアチンを補うのも良いでしょう。ただし、基本的には食事からの摂取を基本とし、サプリでクレアチンを摂取する際には適量を心がけることが大切です。

そもそも、過剰に摂取したクレアチンは老廃物となって腎臓でろ過され、再吸収されずに尿中に排泄されるといわれているため、必要以上に摂取しても無駄になってしまう可能性があります。

また、クレアチンを過剰摂取すると、腎臓に負担がかかる可能性があるとされるため、気をつけなくてはなりません。

 

 

クレアチンの効果を高めるタイミングと摂取方法

クレアチンの効果を最大限に発揮するためには、摂取するタイミングが大切です。クレアチンを摂取する最適なタイミングは、以下のとおりです。

 

  • 運動後
  • 食後

 

運動後は、筋肉に栄養を取り込みやすいタイミングです。クレアチンはプロテインとの相性が良いとされているため、一緒に摂取するのも良いでしょう。

また、食事からエネルギー源となる糖質を摂取することにより食後の血糖値が上昇し、インスリンが分泌されるため、筋肉に吸収されるクレアチンの率が高まるとされています。

なお、クレアチンを摂取すると血液中の水分が不足する傾向があります。そのため、運動後や食後に関係なくクレアチンを摂取する際は、一緒に十分な水分も摂取するように心がけましょう。

 

 

クレアチンを体内に貯蔵する方法

クレアチンの体内貯蔵量は、増やすことが可能です。クレアチンは、日常から高強度の運動をおこなう方にとって必要不可欠な成分のため、体内の貯蔵量を増やしたい方も多いでしょう。

クレアチンの貯蔵量を効率的に増やす方法には、「短期間で増やす方法」と「長期間で増やす方法」があるため、ご自身にとって最適な方法を選ぶことがおすすめです。

以下では、それぞれの方法を紹介します。

 

短期間で貯蔵量を増やす方法(ローディング) 

短期間でクレアチンの貯蔵量を増やす方法は、ローディングと呼ばれています。ローディングは「ローディング期」と「メンテナンス期」に分かれており、それぞれの期間に適量のクレアチンを摂取することが大切です。

 

  • ローディング期:20gのクレアチンを1日4~5回に分けて1週間程度摂取する
  • メンテナンス期:ローディング期後に1日2~5gを摂取する

 

長期間で貯蔵量を増やす方法

クレアチンの貯蔵量は、時間をかけて徐々に増やすことも可能です。1日3gのクレアチンを約4週間継続的に摂取することで、体内貯蔵量がローディングをおこなった場合と同程度になるといわれています。

長期間でクレアチンの貯蔵量を増やす方法はローディングとは違い、時期に応じてクレアチンの摂取量を変える手間がなく、身体への負担も少ないとされています。

 

 

まとめ

クレアチンはアミノ酸の一種で、高強度の運動をおこなう際のエネルギー源となるATPを再合成するために必要な物質です。

クレアチンを摂取することで、高強度の運動で高いパフォーマンスを発揮できたり、持続的な高負荷トレーニングによって筋肉の増大が期待できたりします。

クレアチンの体内貯蔵量は、ローディングや時間をかけて増やすことが可能なため、ご自身に最適な方法で貯蔵量を増やしましょう。

なお、クレアチンの摂取は筋トレに有効ですが、摂取する際は事前に正しい知識を理解する必要があります。クレアチンの過剰摂取は身体への負担がかかる可能性があるため、適切な摂取量を守って筋トレに活かしましょう。

 

 

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