鍛え上げた筋肉を人前で披露したいなら大会への出場を検討してみましょう。国内ではさまざまな団体が筋肉の大会を開催しており、結果によっては全国大会や国際大会への出場権を獲得できます。
なお、筋肉の大会は主催している団体によってカテゴリーや特徴が異なるので知っておくと良いです。
この記事では、筋肉の大会を解説します。筋肉の大会への参加を検討している方は参考にしてください。
有名な筋肉の大会は?
国内で開催されており、知名度の高い筋肉の大会を順番に解説します。
JBBF
JBBFとは、公益社団法人日本ボディビルフィットネス連盟の略称で、1955年からある日本最大のボディビル運営団体です。
日本全国で大会が開催されており、地方でおこなわれている大会で優勝すると、同団体が主催している全国大会や国際大会への出場資格を獲得できる可能性があります。
ほかの団体に比べると大会への参加費やチケットが安いです。なお、出場するためにはJBBF 基本講習(アンチドーピング・競技ルール)が必須のため忘れずに受けましょう。
大会ごとに開催しているカテゴリーは異なり、男性ならボディビルやフィジーク、女性ならビキニフィットネスやフィットモデルなどがあります。大会によっては体重別にクラスがわかれているため、条件を確認すると良いです。
FWJ
FWJは「Fitness World Japan」の略称で、世界最高峰ボディメイクコンテスト「ミスター・オリンピア」を開催しているIFBBと提携している団体です。
FWJが開催しているリージョナル大会に出場すれば、同年に開催されているプロクオリファイに出場可能となり、好成績を修めることができればIFBBプロカードが発行されます。
IFBBは世界でもっとも有名なボディメイクコンテストを主催している団体で、IFBBプロになればプロリーグに出場できるようになり、ボディビルダーとして活躍することも夢ではありません。
FWJはカテゴリーが豊富で、男性ならメンズフィジークやクラシックフィジーク、ボディビル、女性ならビキニやウェルネス、フィギュアなどがあります。
また、出場区分や出場条件が細かく、ご自身の実力や実績に見合ったコンテストに出場しやすいことも特徴です。
ベストボディジャパン
ベストボディジャパンとは、一般社団法人ベストボディジャパン協会が主催するコンテストです。
地方大会を勝ち上がった競技者が一堂に集結し、その年のチャンピオンを決める「BEST BODY JAPAN」を開催しています。
ほかの団体と違うポイントは、カテゴリーがボディビルやフィジークなどではなく、「ベストボディジャパン」、「モデルジャパン」、「マッスルモデル&フィットネスモデル」の3つにわかれていることです。
筋肉量よりも、バランスが良く、引き締まった体が審査対象となるコンテストとなっているため、健康美やスタイルを良くしたいと考えている方に向いています。
また、身長や体重ではなく、年齢別でクラスわけされていることもベストボディジャパンの大きな特徴です。
サマースタイルアワード
サマースタイルアワードは株式会社ドリームコレクションが主催しているボディメイクコンテストです。
大会コンセプトが「その夏が一番似合う男性・女性を決める大会」となっており、日本各地でおこなわれた予選を勝ち抜いた競技者が一堂に会する決勝大会をおこないます。
フィジークやビキニモデルなど、ほかの団体のコンテストで聞いたことのあるカテゴリーもあれば、スタイリッシュガイやドレスなど、サマースタイルアワードでしか聞かないカテゴリーがあります。
また、カテゴリーによっては身長別にクラスがわけられていることもポイントです。
複数のカテゴリーでの出場も可能なため、興味があるカテゴリーで申込んでみましょう。
筋肉の大会のカテゴリーは?
カテゴリーとは、筋肉の大会における競技の種類のことです。
筋肉の大会のカテゴリーは、団体やコンテストごとに異なります。また、同じカテゴリー名でも、審査基準や規定ポーズなどが異なる可能性もあるため、申込む前に確認しておくことが重要です。
次項より、代表的な4つのカテゴリーを順番に解説します。
ボディビル
ボディビルは全身の筋肉が審査対象で、筋肉のバランスや脂肪の少なさ、筋繊維の出方なども評価対象となるカテゴリーです。
次の表は、FWJのボディビルの衣装や審査基準などをまとめたものになります※1。
概要 |
鍛え上げた肉体を競い合うカテゴリー
筋肉の大きさや皮下脂肪の少なさ、筋肉の輪郭、付き方などが重要 |
衣装 |
ボディビルスーツを着用する
予選と決勝で規定が異なる |
審査基準 |
筋肉の発達と皮下脂肪の少なさがもっとも評価される
ほかにも、ポージングの美しさや肌の色つやも審査対象になる |
規定ポーズ |
フロント ダブルバイセップス
フロント ラットスプレッド
サイドチェスト
バック ダブルバイセップス
バック ラットスプレッド
サイド トライセップス
アブドミナル アンド サイ
モスト マスキュラー |
筋肉量が多いほど評価が高くなるカテゴリーで、コンテストによっては初心者向けのクラスもあるため参加するハードルは低い傾向があります。
なお、コンテストによっては年齢や身長、体重でわけられる場合があるため、申込む際は注意しましょう。
※1出典:FWJ「Bodybuilding – Fitness World Japan」
メンズフィジーク・ウィメンズフィジーク
フィジークとはボディビルのような大きく発達した筋肉ではなく、バランスが取れて、引き締まった体型を競うカテゴリーです。
男性向けをメンズフィジーク、女性向けをウィメンズフィジークと呼び、次の表はFWJのメンズフィジークをまとめたものになります※2。
概要 |
引き締まった肉体と共に、ボードショーツやサーフパンツでの立ち振る舞いを競う |
衣装 |
規定サイズのボードショーツかサーフパンツ
上半身は裸で素足
アクセサリーは着用不可 |
審査基準 |
体全体の形やバランス、適度な筋量をアピールする
片手は腰に当てたポーズで静止する |
規定ポーズ |
フロント
バック |
団体やコンテストで多少違いはありますが、フィジークでは水着を着用して出場する傾向があります。審査基準にも水着での立ち振る舞いが含まれており、ボディビルとは違ったトレーニングが必要です。
※2出典:FWJ「Men’s Physique – Fitness World Japan」
クラシックフィジーク
クラシックフィジークは、フィジークとボディビルの要素を併せ持ったカテゴリーです。次の表は、FWJのクラシックフィジークの審査基準や衣装などをまとめたものになります※3。
概要 |
フィジークとボディビルの要素を併せ持つ
アウトラインや腹筋の大きさ、皮下脂肪の少なさ、ポージングなどをトータルで審査される |
衣装 |
規定トランクスを着用する
アクセサリー着用不可で素足のみ |
審査基準 |
サイズや筋肉質のバランスと、観客に個々の個性をアピールできているかなどが審査対象 |
規定ポーズ |
フロントバイセプス
サイドチェスト
バックダブルバイセプス
アブドミナル & サイ
好きなクラシックポーズ(マスキュラーポーズ以外)
上記とは別にリラックスポーズをクォーターターンでおこなう |
クラシックフィジークはボディビルの筋肉量と、フィジークの引き締まった体のカッコよさという両方の要素が審査対象となっています。
1970年代に活躍していたボディビルダーのような美しい体系を目指すことがテーマで、フィジークに比べると下半身の発達具合も重要なポイントです。
※3出典:FWJ「Classic Physique – Fitness World Japan」
スポーツモデル
スポーツモデルは全身の造形美を競うコンテストのカテゴリーです。次の表は、サマースタイルアワードのスポーツモデルの審査基準や衣装などをまとめたものになります※4。
概要 |
適度な筋量やシェイプされた体、ステージングなどの美しさを追求する |
衣装 |
指定された競技衣装 |
審査基準 |
筋肉の発達具合やバランスの取れたスタイル、ステージ上での振る舞いなどを審査する |
規定ポーズ |
フロント
サイド
バック |
ほかの団体では別の名称になりますが、「バランスの取れたスタイル」、「ステージ上での振る舞い」、「メイクや髪形」などが審査対象となるカテゴリーは増えています。
体を鍛える以外にも、ウォーキングやポージングのトレーニングを取り入れる必要はありますが、トータルでの美しさを追求したい方は挑戦してみましょう。
※4出典:サマー・スタイル・アワード [ SUMMER STYLE AWARD / SSA「スポーツモデル(ビースティ)部門」
筋肉の大会に出るために必要な準備は?
筋肉の大会に出るために必要な準備は以下のとおりです。
- 出場したい大会とカテゴリーを決める
- 衣装や曲などを用意する
- カテゴリーの審査基準に合ったトレーニングをする
上記を順番に解説します。
出場したい大会とカテゴリーを決める
筋肉の大会に出たい場合は、大会とカテゴリーを決めることが重要です。カテゴリーとは競技の種類を指します。
次の表は、国内で筋肉の大会を開催している主要な団体と開催しているコンテストをまとめたものです。
|
カテゴリー |
JBBF |
ボディビル
フィジーク
ビキニフィットネス
フィットモデルモデルなど |
FWJ |
ボディビル
メンズフィジーク
クラシックフィジーク
ビキニ
ウェルネス
フィギュアなど |
ベストボディジャパン |
ベストボディジャパン
モデルジャパン
マッスルモデル&フィットネスモデル |
サマースタイルアワード |
フィジーク
ビキニモデル
スタイリッシュガイ
ドレスなど |
主催している団体によって参加できるカテゴリーは異なります。また、同じカテゴリー名でも、年齢や身長、体重別でわかれていたり、新人向けのクラスがあったりするため、確認は必要です。
出場したい大会のカテゴリーを決めないと、審査基準に合うトレーニングを始めることができません。そのため、最初に出場したい大会のカテゴリーを決めましょう。
衣装や曲などを用意する
筋肉の大会に出場するためには次のような道具が必要です。
- 指定された衣装
- 音楽CD
- バンプアップ用ツール
- 食べものや水など
とくに重要なのが、サーフパンツやボディビルパンツなどの衣装です。出場する大会やカテゴリーによって衣装に関するルールは異なり、場合によっては団体が販売している指定ウェアの着用を求められます。
衣装や道具などのルールを守らないと、失格扱いとなるため事前に確認して用意しておきましょう。
カテゴリーの審査基準に合ったトレーニングをする
出場したい大会のカテゴリーを決め、衣装や道具が揃えたら、あとは、カテゴリーの審査基準にあわせてトレーニングをおこないましょう。
カテゴリーごとに審査基準は異なるため、個人の体質や審査基準に合わせたボディメイクなどが必要です。
筋肉の大会に出場して活躍したいなら、公営ジムやスポーツジムで自主練習するだけでなく、パーソナルトレーニングジムで本格的なトレーニングや指導を受けることも検討してみましょう。
筋肉の大会に出るためのトレーニングを効果的にするポイント
筋肉の大会に出るためのトレーニングを効果的にするポイントは以下のとおりです。
- 適切なトレーニングメニューを決める
- 食事や睡眠などを見直す
- 身体作りに必要な知識や技術を身に付ける
上記を順番に解説します。
適切なトレーニングメニューを決める
筋肉の大会はカテゴリーごとに審査基準やポージングなどが異なります。
複数のカテゴリーに出場するならともかく、ひとつに絞って出場するなら、出場したいカテゴリーにあわせて適切なトレーニングメニューを決める必要があると覚えておきましょう。
食事や睡眠などを見直す
トレーニングだけ続けても効果を上げることは難しいです。
ボディビルに出場するなら筋肉量を増やす食事、フィジークやスポーツモデルに出場するならスタイルを崩さないように体を絞る食事を考える必要があります。
また、出場するカテゴリーによっては髪形や肌の色つや、立ち振る舞いなども審査対象になるため、食事以外に睡眠の質を向上させることも重要なポイントです。
筋肉の大会で活躍したい方は、専門的な知識に基づいて食事や睡眠などを見直しましょう。
身体作りに必要な知識や技術を身に付ける
筋肉の大会に出るためのトレーニング効果を高めるためには、専門的な知識や技術が必要です。
専門的な知識や技術を身に付けたパーソナルトレーナーに指導を受けられるなら良いですが、お金や時間の問題で難しい場合はトレーニングメニューや食事内容などをご自身で決めることになります。
トレーニングや食事、生活習慣の見直しにはある程度の知識や技術が必要になるため、知識や技術を身に付けられるパーソナルトレーナーの資格取得も検討してみましょう。
筋肉の大会に出場するためのトレーニングで役立つ資格
筋肉の大会に出場するためのトレーニングで役立つ資格を順番に解説します。
NSCA-CPT
NSCA-CPTとは、アスリートだけでなく、幅広い層に対して指導できる知識や技術を身に付けた人物に与えられる資格です※5。
取得要件 |
高校を卒業している、あるいは高卒認定試験に合格している
18歳以上
NSCAジャパンの正会員か学生会員
有効なCPR/AEDの認定者※6 |
難易度 |
82.3%(2022年度) |
取得までの費用 |
独学なら約8万円~約9万円 |
資格取得の過程でトレーニングや、医学的、運動生理学的な知識が身に付くため、トレーニングメニューや食事メニュー、生活習慣の見直しなどに役立ちます。ボディメイクを通じてパーソナルトレーナーに興味を持ったときにも役立つので、取得を検討してみましょう。
※5出典:NSCA「NSCA認定資格とは」
※6資格認定に有効なCPR/AEDの認定には条件があります。
NESTA-PFT
NESTA-PFTは、プロフェッショナルなパーソナルトレーナーに対して発行される資格です※7。
取得要件 |
必須要件
(全部満たす必要がある) |
- NESTA JAPANからPFTテキストを購入済み
- CPR・AEDの技能を習得・保持している
- 日本国籍または、日本での就労可能な在留資格を有する
- 満18歳以上で、高等学校卒業以上の者、高等学校卒業程度認定資格試験合格者、またはNESTAが認定する教育カリキュラム修了者
|
該当要件
(ひとつ以上に該当する) |
- 1年以上のパーソナルトレーナー・インストラクターなどの実務経験がある
- 1年以上の運動部指導、フィットネス企業勤務経験がある
- 体育系または、医療系の大学・専門学校を卒業している
NESTAの認定する養成講座、養成コース(認定校・認定アカデミー含む)を受講済みである
|
難易度 |
非公開 |
取得までの費用 |
独学なら約8万円~約21万円 |
NESTA-PFTは体やトレーニングに関する多くの知識を獲得できるため、ボディビルダーとして活躍したい方に役立ちます。また、コミュニケーション対応力やビジネススキルも身に付けられるため、トレーナーとして働いている方におすすめの資格です。
※7出典:NESTA JAPAN(ネスタジャパン) -全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会「NESTA PFT認定 取得までの流れ」
まとめ
国内で主要な筋肉の大会はJBBF、FWJ、ベストボディジャパン、サマースタイルアワードの4つで、地方大会を勝ち上がれば全国大会に出場できます。JBBFとFWJなら、成績によって国際大会への出場権を獲得することも可能です。
上記以外にも、国内ではさまざまな大会が開催しているため、ボディメイクに興味がある方は出場してみましょう。
なお、大会やカテゴリーごとに審査基準や条件などが異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
また、大会で好成績を目指すためにはある程度の知識や技術が必要になるので、パーソナルトレーナーの資格取得も検討してみましょう。
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