筋力アップや体力向上、ダイエットなどを考えたとき、「フィットネス」という言葉が思い浮かぶ方もいるのではないでしょうか。しかし、普段何気なく使っている「フィットネス」ですが、具体的にはどのような意味なのか、知らない方も多いかもしれません。
ご自身の理想を達成するためにも、フィットネスとはどのような運動なのか、どんな効果を実感できるのか、正しく理解しておく必要があります。
そこで、フィットネスの本来の意味や、エクササイズとの違い、フィットネスにあたる運動の種類や必要なアイテム、実践するときのポイントをわかりやすく紹介します。
フィットネスとは?
フィットネス(fitness)はもともと英語で「体力」や「健康」を意味しますが、厚生労働省によると、現在は「健康の維持・増進を目指しておこなう運動のことも指す」とされています※。
運動とはいうものの、ただ「体を動かす行為」ではなく、体脂肪率や筋肉量の正常化、血圧や血糖値、コレステロール値の安定、体の柔軟性や心肺機能の向上など、健康な状態を目指しておこなわれる運動を意味しています。
日本では、1980年代に「フィットネスクラブ」の名前でスポーツクラブが普及し、「フィットネス」という言葉が広く定着しました。
※参照:厚生労働省「e-ヘルスネット」健康用語辞典
フィットネスクラブとは
フィットネスクラブとは、屋内プール、トレーニングジム、スタジオなどの屋内運動施設があり、インストラクターやトレーナーなどの指導員を配置し、利用者にスポーツやトレーニングの機会を与える施設です。
目的や世代の異なる幅広い方々を受け入れられる充実した設備があるほか、会員制になっており、会費を支払って利用するしくみを導入していることも特徴の一つです。
屋内プールのないスポーツクラブやスポーツジムは、フィットネスクラブの範囲外です。これらはおもに筋力を鍛えることを目的とした施設で、筋トレ用のマシンやアイテムはそろっていますが、インストラクターやトレーナーがいない場合もあります。
エクササイズとの違い
フィットネスもエクササイズも体を動かす行為である点は変わりません。ただし、エクササイズは「運動」あるいは「運動量」、フィットネスは「健康を意識し、食事から運動までを考えたトータルトレーニング」を表します。
たとえば、タンパク質の摂取を増やす、食事のタイミングを見直すなど、食生活から効果を考えたトレーニングは「フィットネス」と判断できるでしょう。
また、「運動」を意味するエクササイズは、フィットネスの概念に含まれています。
フィットネスの種類
フィットネスにはさまざまなスタイルがあるため、目的に合わせた選択が大切です。フィットネスに携わる仕事をしたい場合は、体作りや栄養学などと共に、利用者ごとに適したフィットネスの選択肢を提示できるようにしましょう。
ここからは、代表的なフィットネス5種類とその概要を紹介します。
- 筋トレ
- ヨガ
- ピラティス
- エアロビクス
- ストレッチ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
筋トレ
筋トレは、筋力アップを目的としたフィットネスです。ダンベルやマシンなどのアイテムを利用する方法や、ご自身の体重を負荷にする(自重トレーニング)などの方法で、「ややきつい」と感じる動作を反復しておこないます。
筋トレのおもな効果
体作りに適しているほか、ケガの予防や肩こりの改善など、健康面にも良い効果をもたらすでしょう。基礎代謝が上がると太りにくく痩せやすい体になるため、ダイエットにも効果的です。
ヨガ
古代インドの修行法をルーツとするヨガは、呼吸や姿勢を保ちながら、瞑想を組み合わせるフィットネスです。体の各部位の筋肉に働きかけると共に、心身の緊張をほぐしてリラックスできるなど、メンタル面にもアプローチします。
ヨガのおもな効果
- 筋力や体力の向上
- 体の歪みや姿勢の改善
- 有酸素運動による脂肪燃焼
- ストレスの軽減
ダイエットやストレス解消など目的に合わせたプログラムをおこなうと、ヨガの効果をより実感しやすいでしょう。
ピラティス
負傷兵のリハビリ法として誕生したピラティスは、どんな方でも気軽に取り組みやすいフィットネスとして知られています。背骨や骨盤、体幹など、体の深部に働きかける動きが特徴です。
ピラティスのおもな効果
- インナーマッスルの強化
- 体の歪みや姿勢の改善
- ストレスの軽減
腹式呼吸のヨガに対して、ピラティスは胸式呼吸を採用しています。胸式呼吸には心を落ち着かせる効果があるとされ、イライラや不安を軽減させると考えられています。
エアロビクス
有酸素運動を意味するエアロビクスは、ダンスを組み合わせたエクササイズを指すのが一般的です。インストラクターの指導のもと、音楽にあわせてステップやジャンプなどをおこないます。
エアロビクスのおもな効果
- 心肺機能の向上
- 持久力アップ
- 有酸素運動による脂肪燃焼
通常ならきついと感じる有酸素運動を気軽にこなせるのがエアロビクスの魅力です。大勢でおこなう一体感もあり、楽しみながら続けやすいでしょう。
ストレッチ
ストレッチもフィットネスの一つです。運動前に腕や関節などの可動域を広げるウォーミングアップと運動後の疲労回復を狙うゆっくりとした動きのクールダウン、2つの種類があります。
ストレッチのおもな効果
- ウォーミングアップやクールダウン
- 筋肉の疲労回復
- 柔軟性アップ
- リラックス効果
場所を選ばずいつでもどこでも気軽にできるフィットネスですが、目的の部位にアプローチするためには正しく指導できるインストラクターやトレーナーの存在が大切です。
フィットネスに必要なアイテム
フィットネスをしたいと思ったとき、気持ちよく体を動かすために、用意しておくと便利なアイテムがあります。
普段使いのTシャツやスウェットでもかまいませんが、フィットネス専用のウェアがおすすめです。
Tシャツの場合、体の動かしやすさはもちろん、吸水速乾性など機能性が高く汗をかいても不快感が少ないでしょう。ボトムは、足の曲げ伸ばしで負担のかからない膝上のショートパンツ、ストレッチ性のあるウェアが便利です。
フィットネスの多くは屋内でおこなうため、室内で使えるトレーニングシューズを用意します。エアロビクスには軽さとクッション性、筋トレなら安定感など、専用のシューズを選ぶとフィットネスの効果を高められるでしょう。
フィットネスをすると、ヨガやピラティスのような激しい動きの少ないものでも、知らず知らずのうちに汗をかきます。汗として失われた水分や塩分を補うために、スポーツドリンクを用意しておきましょう。
アミノ酸系ドリンクなら、フィットネスによる疲労軽減も期待されます。
汗を拭きとるタオルもフィットネスには欠かせません。タオルはご自身の顔や体のほか、使った器具についた汗の拭きとり、終わったあとのシャワータイムなどにも使います。
吸水性が高く、首や身体に巻ける長さがあるフィットネス向けのタオルが使いやすいでしょう。
フィットネスの内容によっては、なんらかのアイテムが必要な場合もあります。多くのフィットネスクラブではアイテムをレンタルできますが、自宅でおこなう予定ならご自身でそろえましょう。
たとえば、ヨガ、ピラティス、ストレッチにはマット、筋トレにはダンベル、ほかにもゴムバンド、バランスボールなどが考えられます。
フィットネスに取り組む際に注意すべきポイント
フィットネスに取り組む際には、十分な効果を実感するためにも、以下のようにいくつか注意すべきポイントがあります。
- ウォーミングアップをしっかりおこなう
- 正しいやり方や適切な運動量を理解する
- アイテムを使うときはケガに注意する
それぞれ詳しく解説します。
ウォーミングアップをしっかりおこなう
フィットネスをする前には、ウォーミングアップをしっかりおこないましょう。とくにエアロビクスなどで激しい動きをともなう場合、体への負担を減らすためのウォーミングアップは重要です。
ウォーミングアップでは、本格的なフィットネスの動きに備えて、体を温め、心拍数や全身の血行を良くしておきましょう。ストレッチを取り入れて、手足や関節の可動域を広げておくと、フィットネスの効果を高めるのに役立ちます。
正しいやり方や適切な運動量を理解する
フィットネスは、筋トレ、ヨガなどの種類ごとに、正しい動きや姿勢、呼吸法があります。また、筋肉量や健康状態にあわせた、適切な運動量を知っておくことも大切です。間違ったやり方や運動量はケガにつながるため、注意しましょう。
とはいえ、正しいやり方や適切な運動量をご自身で判断するのはむずかしいものです。きちんと指導できるインストラクターやトレーナーに相談することも考えましょう。
アイテムを使うときはケガに注意する
筋トレやピラティスなどでなんらかのアイテムを使う場合には、ご自身だけではなく、周囲の安全にも配慮する必要があります。とくに自宅でフィットネスをする場合には、広い場所を確保しましょう。
また、体調不良のときや疲れを感じているときはムリをせず、フィットネスをやめておくこともケガの予防になります。
まとめ
フィットネスとは、運動を意味するエクササイズを含めた、健康になることを目的としたトータルトレーニングです。運動だけではなく、食事の改善など生活習慣まで含まれます。
ヨガやピラティス、筋トレなどフィットネスの種類はさまざまで、運動が苦手な方やフィットネス初心者でも取り組みやすいものもあります。自宅や空き時間を使ってできるのも便利です。
効果をより実感するには正しい知識を基にしたフィットネスであることが重要です。信頼できるインストラクターやトレーナーに、動きや姿勢、呼吸法を学ぶほうが望ましいでしょう。
ケガをしないためにも、自分自身が正しい知識を身につけることが大切です。
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フィットネスは日本人に身近な存在ですが、言葉だけが先走り、正しい知識や理解が不十分になっている場合も珍しくありません。そもそも健康を目的とするフィットネスなのに、誤ったやり方でケガをしてしまっては意味がなくなってしまいます。
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