パーソナルトレーナーはフリーランスとしても活動できることをご存じでしょうか。
パーソナルトレーナーはジムに所属して活動する場合がほとんどですが、業務委託やクライアント個人と契約するなどで、フリーランスとして働く方法もあります。
この記事では、フリーランスのパーソナルトレーナーの働き方や収入、メリット・デメリット、フリーランスになる方法を解説します。
将来的にフリーランスを目指す方や、パーソナルトレーナーの働き方に興味がある方は参考にしてください。
フリーランスのパーソナルトレーナーとは?
フリーランスのパーソナルトレーナーとは、その名のとおり、フリーで働くパーソナルトレーナーのことです。フリーランスとそうでない場合の大きな違いは、ジムなどの会社への所属の有無です。
フリーランスは働き方がいくつかあるため、働き方によって給料形態は異なるものの、一般的にはクライアントから直接報酬を得るため、契約者が多いほど給料も上がるといえます。しかし、ジムに所属する場合のように固定給は保証されていない点には注意が必要です。
最近ではパーソナルトレーナーの働き方も多様化しているため、フリーランスを選択するトレーナーも多くなっています。
フリーランスのパーソナルトレーナーの働き方
フリーランスのパーソナルトレーナーにはいくつかの働き方があると先述しました。フリーランスとして活動する場合は、おもに以下に解説する3つの働き方があります。
パーソナルジムなどで業務委託として働く
フリーランスのパーソナルトレーナーとして働く場合、業務委託で働くことも多いようです。
業務委託はジムで働きますが、社員とは雇用形態が異なります。基本的にはクライアントの指導が契約の範囲内であることがほとんどです。
また、ジムに所属するパーソナルトレーナーであれば、ジムの経営や集客、清掃などの業務に携わる必要がありますが、業務委託であれば「クライアントへの指導」に集中できます。
そして、いくつかのジムを掛け持ちで働くことも可能です。実績を積みたい場合や、より多く稼ぎたい場合にはおすすめの方法といえます。
個人と契約する
フリーランスとして働く場合は、クライアント個人と契約して活動することもできます。個人と契約する場合は、オンライン指導をしたり、レンタルスペースを活用して指導したりすることが多いようです。
個人と契約する場合は、ご自身で指導内容や価格設定などができるため、自由度が高いといえます。
しかし、集客や経営のスキルも必要になるため、一定の経験を積んでからでないと挑戦しにくい場合もあります。ある程度の実績があり、より自由度の高い働き方を目指す方にはおすすめの方法です。
ご自身でパーソナルジムを開業する
クライアント個人と契約する場合と似ていますが、フリーランスはご自身でのジムの開業も可能です。「個人と契約する場合」と異なるのは、固定された場所にジム(会社)を開業することです。
会社を経営するため、経営や経理の知識も必要ですが、会社の規模を大きくする場合はスタッフを雇うため、分業も図れます。
ご自身の理想的な指導方法でジムを開きたい方におすすめの方法です。
フリーランスのパーソナルトレーナーの収入は?
フリーランスで働く場合、収入は増えるのでしょうか。前提として、パーソナルトレーナーが収入を上げるためには知識や技術を磨いて、契約を増やす必要があります。
業務委託で働く場合は時給制や歩合制など、契約するジムによって異なるものの、一般的にはジムに所属して働くパーソナルトレーナーと年収に大差はないようです。
クライアント個人と契約する場合やジムを開業する場合はご自身で価格設定できるため、年収が500万円以上になることもあります。クライアントの人数や1日の指導回数にもよりますが、多い人では年収が1000万円レベルの方もいるようです。
ただし、集客などがうまくいかず、クライアントに依頼されない場合は、収入がまったくない場合もあるため、注意が必要です。
フリーランスのパーソナルトレーナーとして働くメリットとデメリット
価格設定や指導内容などの自由度が高いフリーランスのパーソナルトレーナーですが、挑戦する上ではメリットとデメリットの両方があります。本章では、フリーランスに挑戦するメリットとデメリットを詳しく解説します。
フリーランスのパーソナルトレーナーのメリット
おもに、以下の内容がフリーランスのメリットといえます。
- 働く場所や時間、働き方を自由に選択できる
- ジムのマニュアルに縛られない
- ご自身の指導の成果が直接収入に関わるため、成果が目に見えてわかりやすい
- クライアントと密に関われる
上記の内容がメリットに感じる場合は、フリーランスに挑戦しても良いでしょう。
フリーランスのパーソナルトレーナーのデメリット
一方、以下の内容はフリーランスのパーソナルトレーナーに挑戦するデメリットといえます。
- 事務作業やクライアントとのやり取りなど、雑務が多い
- 契約できなければ、収入はない
- トレーナーとしての知識だけでなく、経営面のスキルも必要になる
- 働き方の自由度が高い反面、収入を増やすためには休みなく働く場合もある
また、フリーランスになると指導中のお客さまのケガや事故のリスクをともなう点も、デメリットのひとつでしょう。
そういったケガや事故のリスクに備えるためには保険への加入が大切です。NSCA-CPT資格を取得するとNSCAジャパン指導者賠償責任保険に加入できるため、フリーランスになるならば、資格取得はするべきだといえます。
上記のようなデメリットはあるものの、まずはジムに所属して働くなどで経験を積むうちに解決できる内容もあります。将来的にフリーランスとして活動したいと思っている場合は、経営や集客スキルを日々学んでおくのも良いでしょう。
フリーランスのパーソナルトレーナーになるために必要なこと
フリーランスのパーソナルトレーナーには、どのようにしてなるのでしょうか。本章ではフリーランスのパーソナルトレーナーになる方法を5つ挙げて詳しく解説します。
開業届を提出する
フリーランスのパーソナルトレーナーは「個人事業主」です。そのため、フリーランスとして活動することが決まった段階で、税務署に開業届を提出すると良いでしょう。
必ずしも提出する必要はありませんが、開業届を提出すると節税効果などが期待できます。フリーランスのパーソナルトレーナーとして活動する意思がある場合には、開業届を提出することをおすすめします。
ジムで働きながらパーソナルトレーナーとしての実績を持つ
たとえばパーソナルトレーナーに必要な資格を取得してすぐに、フリーランスのパーソナルトレーナーになることはできます。オンライン指導などを取り入れ、集客用ウェブサイトなどをご自身で作成すれば良いからです。
しかし、クライアントは「経験豊富なトレーナーに指導してもらいたい」と思うものです。業務委託で働く場合にも、まずはジムに所属して実績を積んでからでないと、業務委託契約を結んでもらえない場合がほとんどでしょう。
「フリーランスとして活躍したい」という希望があるなら、焦らず実績を積みましょう。
集客につながるスキルを身につける
フリーランスとして活動するならば、集客スキルが大切です。どれだけ実績を持っていても、集客できなければフリーランスとしての収入にはつながりにくくなります。
最近ではチラシやウェブサイトでの集客だけでなく、SNSを活用した集客法が一般的になっています。初心者にはSNSでの集客は難しいため、トレーナーとしての実績作りと共に集客スキルも身につけましょう。
また、集客にはある程度のコンセプトを決めることも大切です。「実績のあるパーソナルトレーナー」は数多くいますが、「女性トレーナーによる女性専用のオンラインジム」や年齢層を決めるなどの方法を取ると、差別化を図りやすいでしょう。
マーケティングなどを学ぶ
フリーランスになるならば、集客スキルの項目でも解説したように、マーケティングの知識が必要です。
SNSは使い方を学ぶだけでなく、多くの方に見てもらえないと意味がないため、クライアントがウェブサイトで検索した際に上位表示されるような「SEO対策」の知識も持っておくと良いでしょう。そして、マーケティングに加えて、税務処理や事務関連の勉強もする必要があります。
会社に所属していると「事務手続きは事務員」と分業していたかもしれませんが、フリーランスになると集客から予約、指導、事務仕事のさまざまな作業をご自身で担います。
コミュニケーションスキルを身につける
フリーランスのパーソナルトレーナーだけにいえることではありませんが、コミュニケーションスキルは必須です。
たとえばジムに所属して活動する中で、クライアントとのやり取りに困った場合は、他のスタッフに頼ることができます。しかし、フリーランスになるとご自身で解決する必要があります。
うまくいかなかった場合は、クライアントが離れていくこともあるでしょう。より良い結果を出すためには、クライアントがいいにくい内容を聞き出さなければならない場面でも相手に嫌な思いをさせず、聞き出せるような信頼関係を築くことが大切です。
まとめ
フリーランスのパーソナルトレーナーの働き方や収入、メリット・デメリット、フリーランスになる方法はご理解いただけましたか。
フリーランスのパーソナルトレーナーはジムと業務委託契約を結んで働いたり、クライアントと直接契約を結んだりする働き方があります。
いずれの場合も働く時間や場所を自由に選べて自由度が高い一方で、契約できなければ収入がなく、事務作業などのさまざまな業務を担う必要がある点はデメリットかもしれません。
実績がないパーソナルトレーナーがフリーランスとして活動しても契約に結び付かないことも多いため、まずはある程度の実績を積みましょう。
そして、将来的にフリーランスを目指すなら、トレーナーとしての知識や技術を磨くだけでなく、マーケティングやコミュニケーションスキルも学ぶと良いでしょう。
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