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2024.08.30コラム

JATI-ATIとは?資格取得の方法など基本情報から気になる合格率まで解説

JATI-ATIは、国内で活躍したいパーソナルトレーナーやフィットネスインストラクター、指導者などにおすすめの資格です。

スポーツ未経験者や指導に関する勉強や経験がない方でも、受講資格を満たしていれば、養成講習会を受けることで受験資格を得られます。パーソナルトレーナーを目指す方やスキルアップしたい方は、資格の内容を知っておきましょう。

この記事では、JATI-ATIについて概要や取得方法、取得する難易度などを解説します。JATI-ATIに興味がある方は参考にしてください。

JATI-ATIは科学的根拠に基づいて指導をおこなう専門家の資格

JATI-ATIとは、特定非営利活動法人 日本トレーニング指導者協会(JATI)が認定する資格です。資格を取得すると、トレーニング指導に関する専門知識と技能を持つことを証明できます。

日本の環境に合ったトレーニング理論や技能、知識を身につけられることから、国内のフィットネス関連企業やスポーツチームなどへ就職する際にも役立ちます。

また、日本トレーニング指導者協会の認定資格はレベルに応じた種類があり、JATI-ATIは初級に相当します。日本トレーニング指導者協会が認定する上位資格とJATI-ATIの概要は、以下のとおりです。

 

資格名 概要 取得がおすすめの方
JATI-ATI トレーニング指導者
科学的根拠にもとづく適切な運動プログラムを作成し、指導できる知識を習得している方
パーソナルトレーナー
トレーニングコーチ―
フィットネスインストラクター
JATI-AATI 上級トレーニング指導者
高度な知識を有し、実技のデモンストレーション技能や指導技能を習得している方
ハイレベルなアスリートを指導する方
大学や専門学校で教育する方
JATI-SATI 特別上級トレーニング指導者
高度な知識と技能を身につけ、長期にわたる実務経験と指導実績を保持している方
国際レベルのアスリートを指導する方

 

一般人やスポーツ選手などを指導するパーソナルトレーナーやフィットネスインストラクターの仕事に興味がある方は、まずは基礎資格であるJATI-ATIの取得から目指しましょう。

 

 

JATI-ATIを取得するには?

JATI-ATIを取得したいと考えているなら、事前に取得方法や試験内容などを知っておきましょう。それぞれ、順番に解説します。

 

JATI-ATIを取得する2つの方法

JATI-ATIを取得する方法は次の2つです。

 

試験の種類 概要
一般対象認定試験 一般の方、あるいは特定の資格を取得した方が要件を満たすことで受験できる試験
養成校・養成機関対象認定試験 養成校や養成機関でJATI認定試験に必要な単位を取得、または取得見込みの方や、過去の養成校・養成機関対象認定試験で不合格だった方が受験できる試験

 

取得できる方法を順番に解説します。

 

一般対象認定試験

一般対象認定試験は、一般の方や過去に特定の資格を取得している方が、JATIが認定する養成校・養成機関で勉強せずに試験を受ける方法です。

初めて試験を受ける場合は、JATIの個人正会員に入会し、養成講習会の受講とワークノートの提出で一般対象認定試験への受験資格を得られます。なお、未経験者が養成講習会を受けるには、前提条件として高専~大卒以上である必要があります(高卒未経験者では不可)。

また、次の資格を取得している方は、養成講習会とワークノートが免除されます。

 

  • JATI-ATI(トレーニング指導者)※1
  • JATI-AATI(上級トレーニング指導者)※1
  • JATI-SATI(特別上級トレーニング指導者)※1
  • 健康運動指導士※2
  • NSCA-CPT※2
  • NSCA-CSCS※2
  • スポーツプログラマー※2

 

上記以外にもJATIが特定する他団体の資格を現在有している方は、養成講習会の一般科目を受講せずに済む場合があります。

※1:取得済み、あるいは過去に取得していた方
※2:取得済み、あるいは過去に取得していた方で3年以上のトレーニング指導歴がある方

養成校・養成機関対象認定試験

養成校・養成機関対象認定試験とは、JATIが認定する養成校や養成機関で、必要な単位を取得すれば受けられる試験です。

養成校は全国にあるスポーツ関連の大学や専門学校を指しており、たとえば帝京大学や法政大学などのスポーツ学科に通うことで単位を取得できる可能性があります。養成機関に該当するのは、たとえば総合学園ヒューマンアカデミーやスポーツクラブNASなどです。

なお、一般対象認定試験と違い、学校に通って単位を取得する必要があるため、資格を取得するまでに時間や一定の費用がかかります。

 

JATI-ATIのカリキュラム・試験内容

JATI-ATIを一般対象認定試験で受験する場合、条件を満たしていない方は養成講習会を受講します。養成講習会は、おもに次のような内容の知識を身につけることが目的です。

 

試験の種類 概要 領域
一般科目 運動指導者として求められる、体のしくみなどに関する領域 体力トレーニング総論
機能解剖
バイオメカニクス
運動生理学
運動と栄養
運動と心理
運動と医学
専門科目 トレーニング指導者として求められる、トレーニング法の理論や実務の領域 トレーニング指導者論
測定と評価
トレーニング理論とプログラム
トレーニングの実技と指導法

 

養成講習会で一般科目と専門科目を勉強したあとに、期限までにワークノートを提出すれば、試験を受験できます。

なお、養成校・養成機関で必要な単位を取得している方や、特定の資格を取得して条件を満たしている方は、上記の内容を学んでいるため養成講習会を受ける必要はありません。

JATI-ATI認定試験はマークシート方式でおこなわれ、設問数は一般科目・専門科目共に90問です。2科目とも合格すると、JATI-ATIの認定資格が授与されます。

なお、過去に試験を受けていて不合格の方は、不合格科目だけを再受験することが可能です。

 

トレーニング指導者養成講習会の日程・時間など

2024年度に開催される養成講習会の日程と時間は以下のとおりです。

 

項目 概要
日程 8月1日(木)正午~9月8日(日)
受講形式 動画視聴
(上記期間内に講義を視聴し終える)
申請期間 2024年4月1日(月)~8月9日(金)日必着
定員 なし
(ただし、認定試験各会場には定員が定められています)
受講料 一般科目:60,500円(税込)
専門科目:66,000円(税込)
ワークノート提出期限 一般科目・専門科目共に2024年9月13日(金)17時必着

 

養成講習会は年度によって内容やスケジュールが異なり、2024年度はオンラインでおこなわれます。期間内に全11領域32時間の動画講義を視聴し、ワークノートを期限までに提出すれば受験資格を得られます。

なお、養成校・養成機関で単位を取得している方や、特定の資格を取得している方は受講する必要はありません。

 

JATI-ATIの取得にかかる費用

一般の方がJATI-ATIを一般対象認定試験で取得する場合に必要な費用は、以下のとおりです。

 

項目 費用
個人正会員の年会費 11,000円(税込)
トレーニング指導者養成講習会の受講料 一般科目:60,500円(税込)
専門科目:66,000円(税込)
一般対象認定試験の受験料 33,000円(税込)
(片方だけを受験する場合は22,000円(税込)

 

上記を合計すると、一般の方がJATI-ATIを一般対象認定試験で取得する場合に必要な費用は170,500円(税込)です。なお、トレーニング指導者養成講習会の受講料に教材費は含まれています。

養成校・養成機関で単位を取得した方が養成校・養成機関対象認定試験を受ける場合は、受験料33,000円(税込)と個人正会員の年会費11,000円(税込)の合計44,000円(税込)です。

ただし、上記とは別に、養成校・養成機関の入学金や授業料などが発生することを覚えておきましょう。

 

JATI-ATIを取得する難易度

JATI-ATIの合格率は、一般対象認定試験や養成校・養成機関対象認定試験、年度、受験会場によって異なります。

次の表は、2023年度に開催された認定試験の合格率をまとめたものです。

 

会場など 合格率
第1回一般対象 トレーニング指導者認定試験 全国共通会場 80%
第1回養成校・養成機関対象 トレーニング指導者認定試験 全国共通会場 74%
第2回一般対象 トレーニング指導者認定試験 地区別会場 78%
第2回養成校・養成機関対象 トレーニング指導者認定試験 地区別会場 55%
第3回一般対象 トレーニング指導者認定試験 全国共通会場 93%
第3回養成校・養成機関対象 トレーニング指導者認定試験 全国共通会場 56%

 

上記を基に平均で出した2023年度の全体の合格率は58%です。

一般対象認定試験は受験者数が少ないですが合格率は約80%~90%と高く、養成校・養成機関対象認定試験は受験者数が多いですが合格率は約50%~70%と低い傾向があります。

 

 

混同されやすいJSPO-ATとの違い

フィットネス関連の資格は複数あり、アルファベットで略称されることがあります。なかでも、JATI-ATIとJSPO-ATは文字列が似ており、混同されることがあるため注意しましょう。

JSPO-ATとは、日本スポーツ協会公認のアスレティックトレーナーの資格です。JATI-ATIとは次のような違いがあります。

 

項目 JATI-ATI※3 JSPO-AT※4
認定団体 日本トレーニング指導者協会 日本スポーツ協会
取得要件 トレーニング指導者養成講習会を受講して一般認定試験を受験する
あるいは、トレーニング指導者養成校や養成機関で所定の教育を受け、養成校・養成機関対象認定試験を受験する
次のいずれかをひとつを満たす
・受講資格を満たした方が日本スポーツ協会の養成講習会を受講する
・免除適応コースの承認校でカリキュラムを履修する
必要な費用の例 トレーニング指導者養成講習会の受講料:一般科目60,500円(税込)、専門科目66,000円(税込)
一般対象認定試験の受験料:33,000円(税込) など
共通科目の受講料:22,000円(税込)
専門科目の受講料:55,000円(税込)
リファレンスブック代:電子版2,640円(税込)、紙版3,300円(税込)  など

 

どちらも日本国内でトレーナーやフィットネス関連企業で働くのに役立つ資格です。ご自身の目的や希望に応じた資格の取得を検討しましょう。

※3出典:日本トレーニング指導者協会 公式サイト
※4出典:日本スポーツ協会「アスレティックトレーナー」

 

 

JATI-ATIの取得に向いている方の特徴

JATI-ATIの取得がおすすめの方の特徴は以下のとおりです。

 

  • 国内で活動するトレーナーを目指している
  • トレーナーとしての知識や技術を磨きたい
  • トレーナーとしてのキャリアアップを考えている

 

それぞれを順番に解説します。

 

国内で活動するトレーナーを目指している

JATI-ATIは日本の環境や実情に沿って生み出されたトレーナー向けの資格です。

そのため、スポーツ未経験の方や、指導に関する勉強や経験がない方でも、養成講習会を受けて資格を取得すれば、日本国内でトレーナーとして働く際に必要な知識や技術を身につけられます。

また、国内のスポーツジムやフィットネスクラブに就職する際、JATI-ATIが応募資格に含まれていたり、取得者が優遇されたりする場合があるため、就職を考えている方は取得を検討すると良いでしょう。

 

トレーナーとしての知識や技術を磨きたい

JATI-ATIのカリキュラムでは、科学的な知識と実践に基づいたトレーニング指導を提供しています。養成講習会や養成校、養成機関で勉強して資格を取得すれば、トレーナーとしての知識や技術を磨くことが可能です。

資格があれば、フィットネスやスポーツ関連業界で働く際に、「一定の知識と技術があり、即戦力になり得る」と認められる可能性が高まります。

 

トレーナーとしてのキャリアアップを考えている

トレーナーがキャリアアップするなら、知識や技術を磨くことは不可欠です。

JATI-ATIは5年ごとに更新の手続きが必要であり、協会指定の継続単位を5年間の有効期間中に15単位以上取得することが求められます。

継続単位は、JATIが主催する講習会などで取得可能なため、トレーナーとしての知識や技術を常に学び、継続して成長できる環境が得られます。

また、前述のとおり、JATI-AATIとJATI-SATIという2つの上位資格があり、資格取得の過程で、JATI-ATIよりも高度で専門的な知識・技術を身につけることが可能です。

スキルアップに成功すれば、別のジムへの転職ができたり、クライアントに指名されたりしやすくなるため、トレーナーとしてのキャリアアップにつながるでしょう。

 

 

JATI-ATI以外にも!トレーナーを目指す方におすすめの資格

トレーナーの仕事に活かせる資格はJATI-ATIだけではありません。JATI-ATI以外で、トレーナーにおすすめの資格を順番に解説します。

 

NSCA-CPT

NSCA-CPTとは、全米エクササイズ&コンディショニング協会(NSCA)が認定しているパーソナルトレーナー向けの資格です※5。

 

取得要件 高校を卒業している、あるいは高卒認定試験に合格している
18歳以上
NSCAジャパンの正会員か学生会員
有効なCPR/AEDの認定者※6
合格率 82.3%(2022年度)
取得までのおもな費用 独学なら約8万円~約9万円

 

パーソナルトレーナーにおける国際認定資格のひとつで、取得すればクライアントに対してトレーニングや食事メニューを提供できる知識・技術を身につけていると評価されます。

取得過程では、クライアントのモチベーションを保つためのコミュニケーション能力も磨けるため、年齢や性別、経験を問わず幅広い層に対して指導できる知識・技術を身につけたい方におすすめの資格です。

※5出典:全米エクササイズ&コンディショニング協会(NSCA)「NSCA認定資格とは」
※6資格認定に有効なCPR/AEDの認定には条件があります。

 

NESTA-PFT

NESTA-PFTとは、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)が認定しているパーソナルトレーナー向けの資格です※7。

 

取得要件 必須要件
(全部満たす必要がある)
NESTA JAPANからPFTテキストを購入済み
CPR・AEDの技能を習得・保持している
日本国籍または、日本での就労可能な在留資格を有する
満18歳以上で、高等学校卒業以上の者、高等学校卒業程度認定資格試験合格者、またはNESTAが認定する教育カリキュラム修了者
該当要件
(ひとつ以上に該当する)
1年以上のパーソナルトレーナー・インストラクターなどの実務経験がある
1年以上の運動部指導、フィットネス企業勤務経験がある
体育系または、医療系の大学・専門学校を卒業している
NESTAの認定する養成講座、養成コース(認定校・認定アカデミー含む)を受講済みである
難易度 50%~60%
取得までの費用 独学なら約8万円~約21万円

 

NESTA-PFTの資格を取得すれば、日本でトレーナーとして働く際にも役立つでしょう。

また、NESTAはさまざまなクライアントとのコミュニケーション能力や、顧客を獲得するためのビジネススキルも必要だと考えているため、パーソナルトレーナーとして独立や開業したときに役立つスキルを学ぶことができる資格です。

※7出典:全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)「NESTA PFT認定 取得までの流れ」

 

 

まとめ

JATI-ATIでは、日本で働くトレーナーに必要な知識や技術を身につけることができます。

日本でパーソナルトレーナーやフィットネスインストラクター、指導者として働きたい方やスキルアップを考えている方は、取得を検討すると良いでしょう。

また、フィットネスに関連した資格はいくつもあります。JATI-ATI だけでなく、NSCA-CPTやNESTA-PFTなどトレーナーに役立つ資格を比較して、ご自身のスキルアップを目指してください。

 

 

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この記事の監修者 Supervisor

JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会 トレーニング指導者) 和田 拓巳 TAKUMI WADA

プロスポーツトレーナー歴 22年

プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。

現在、様々なメディアで執筆や商品監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信中。
2021年 著書「見るだけ筋トレ」(青春出版社)発刊。


https://wada0129.wixsite.com/takumiwada

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