筋肉は、身体を動かすために必要不可欠な組織です。筋肉を維持・増加させるためにはトレーニングが必要ですが、トレーニングは筋肉のことを理解してからおこなうことで、より高い効果を得られる可能性があります。
また、筋肉を付けることには肉体的、精神的なメリットもあるため、メリットを事前に理解しておくと、筋トレをおこなうモチベーションにつながるでしょう。
この記事では、筋肉のしくみや働きを解説するほか、筋肉を付けるメリットも紹介します。
筋肉は身体のさまざまな器官を動かしている
筋肉には、骨格筋・心筋・平滑筋の3種類があり、身体のさまざまな器官を動かしています。
- 骨格筋:身体を動かすための筋肉
- 心筋:心臓を構築している筋肉
- 平滑筋:内臓や血管に存在し、収縮することで内臓や血管の働きを維持する筋肉
骨格筋はおもに骨に付いている筋肉で、脳からの信号を受けることで収縮をおこなうため、ご自身の意思によって動かすことができます。
一方、心筋と平滑筋は自律神経の支配下にあり、常に心臓や内臓を機能させるために収縮しているため、ご自身の意思では動かせません。
ご自身の意思で動かせる骨格筋の働きとしくみ
一般的に筋肉という場合、ご自身で動かすことができる骨格筋のことをさします。
骨格筋は繊維状の組織になっており、筋肉が収縮することで人は歩いたり、ものを持ったりできます。
骨格筋を構成する筋繊維は大きく2種類あり、以下の違いがあるので覚えておきましょう。
種類 |
特徴 |
速筋 |
収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出せますが、長時間維持できません。筋繊維は白っぽいため、白筋とも呼ばれます。 |
遅筋 |
収縮スピードが比較的遅く、大きな力は出せませんが、持続力があります。筋繊維は赤みがかっているため、赤筋とも呼ばれます。 |
なお、遅筋は年齢を重ねても衰えにくいですが、速筋は20歳前後から急速に衰えるといわれています。
生活の質に影響を与える筋肉の種類
骨格筋はご自身の意思で動かせて、動作をおこなったり、姿勢をキープしたりするのに必要な筋肉です。そのため、日常生活に大きく影響を与える筋肉といえるでしょう。
ひとまとめに骨格筋といっても、身体の部位によって名称は異なります。とくに生活の質に影響を与える具体的な筋肉は、以下のとおりです。
上記の筋肉は加齢によって衰えやすいため、筋肉を日頃から継続して鍛えることが活動的な生活を送るうえで大切です。
「筋肉が付く」とは
前述しているように、筋繊維には速筋と遅筋があり、人間の動作とは以下の関係があります。
- 速筋:1回で持ち上げられる最大重量に関係する
- 遅筋:繰り返しの負荷を何回続けられるかという筋肉の持続力に関係する
筋力は速筋と遅筋の割合で決まっており、それぞれの割合によって最大筋力は変化します。
なお、筋肉は負荷をかけることで筋繊維の一部が切断されて損傷し、修復されることで少し太い状態になります。これを「超回復」と呼び、これを繰り返すと「筋肉が付く(筋力が増える)」状態になります。
筋肉痛が起こる原因
激しい運動やトレーニングの翌日などに筋肉痛が生じることがあります。筋肉痛が生じる原因は明確にわかっていませんが、以前は乳酸が溜まることが原因と考えられていました。
しかし近年は、運動やトレーニングによって傷ついた筋肉や関節を再生するために炎症が起きており、炎症による痛みが筋肉痛だと考える説もあります。
筋肉痛を早期に回復させる方法
前述のとおり、筋肉痛は筋肉が炎症した状態と考える説があります。そのため、筋肉痛が生じたときは、筋肉の回復を促すために痛んでいる筋肉を必要以上に使わず、身体を休ませることが重要だと考えられます。
筋肉痛を和らげるには血行を促進させることが有効とされるので、運動後はストレッチやマッサージをしたり、40℃程度の湯船に浸かったりすると痛みの緩和が期待できます。
また、筋肉の疲労を回復するには速やかな栄養補給も大切です。とくに、ビタミンB群やアミノ酸は、筋肉の回復をサポートする働きが期待できるといわれています。
栄養学 |
特徴 |
ビタミンB郡 |
エネルギー代謝を高めて疲労を回復させる効果が期待できます。とくにビタミンB1は重要とされています。 |
アミノ酸 |
筋肉の分解をおさえて回復をサポートします。とくにBCAA(分岐鎖アミノ酸)は、体内で合成できないため必須アミノ酸と呼ばれ、筋肉の保持と増量に重要な役割を果たします。 |
上記の栄養素は肉や魚、大豆、乳製品などに多く含まれます。運動後は、上記の栄養素を意識し、バランスの良い食事をとりましょう。
筋トレで筋肉を付けるメリット
筋肉は、トレーニングによって維持・増加できます。筋トレによって筋肉を付けることでさまざまなメリットを得られるため、老若男女問わず取り組んでみてはいかがでしょうか。
筋トレで筋肉を付けるおもなメリットは、以下のとおりです。
- 健康的な生活が送りやすくなる
- 冷え性や肩こりなどの改善につながる
- 理想の体型を保てる
- ストレスの軽減につながる
それぞれを解説します。
健康的な生活が送りやすくなる
筋トレをすることで、日常生活に影響する筋肉を鍛えることができるため、重たいものを持つことや、階段の上り下りなどが楽になります。とくに、速筋は加齢と共に衰える傾向がありますが、筋トレによって進行をおさえることが期待できるでしょう。
また、肥満になると高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まりますが、筋肉を付けることで基礎代謝が良くなるため、太りにくい身体を作ることができます。筋トレは肥満予防にもなるため、生活習慣病のリスクを減少できる可能性があります。
冷え性や肩こりなどの改善につながる
冷え性や肩こりは、血行が滞ることで生じます。筋トレによって筋肉が付くと基礎代謝が良くなるだけでなく、筋肉を動かすことで毛細血管が発達するため、血行も良くなります。
血液の巡りがスムーズになった結果、冷え性や肩こりの改善につながることが期待できるでしょう。
理想の体型を保てる
筋トレはやり方によって作られる肉体が変わります。人によって理想の体型はさまざまですが、目指す体型を意識した筋トレをおこなえば理想の体型を手に入れられ、ファッションを楽しめたり、外見に自信が持てたりするでしょう。
また、筋肉を付けて基礎代謝が良くなることは、スリムな体型を維持することにもつながります。筋トレを継続することで年齢を重ねても体型を維持しやすくなるため、中年太りの対策としてもおすすめです。
ストレスの軽減につながる
筋トレには身体をメンテナンスするだけでなく、精神的なメンテンスも期待できます。筋トレをおこなうことでストレスホルモンの分泌がおさえられ、セロトニンという幸せホルモンの分泌が促進されるといわれています。
日常生活では、大なり小なりストレスを感じることがありますが、筋トレによって気分がリフレッシュすると、ストレスの解消につながるでしょう。
効果的な筋トレには知識が必要
筋トレといっても鍛える身体の部位によって方法が異なるため、間違えた取り組み方をしてしまうと思ったほどの効果が得られないことがあります。
また、急激に高強度の運動をおこなったり、過度な負荷がかかる筋トレをおこなったりすると、筋肉が断裂して肉離れになるリスクもあるため注意が必要です。
安全かつ効果的に筋肉を付けるのであれば、トレーニングの知識を身に付けることが大切です。
近年は、インターネットでトレーニングの知識を調べることができますが、なかには間違った情報もあります。しっかりと知識を身に付けるのであれば、NSCA-CPTやNASM-CPT 、NESTA-PFTなどの資格の取得がおすすめです。
このような資格を取得すれば、過程で多様な知識を身につけることができ、後々トレーナーとして活躍できる可能性もあります。本格的に筋トレをする方や、将来的にトレーナーになることを考えている方は、資格の取得を目指してはいかがでしょうか。
まとめ
筋肉の種類には骨格筋・心筋・平滑筋があり、身体のさまざまな器官を動かしています。
なかでも、一般的に筋肉と呼ばれるのは骨格筋であり、身体を動かしたり身体を支えたりするのに必要不可欠な筋肉です。
筋トレによって筋肉を付けることで、健康的な生活を送れたり、理想の体型を手に入れられたりとさまざまなメリットがあるため、筋肉を付けることは老若男女問わず、推奨されています。
ただし、筋トレはやり方を間違えると、効果が実感できないケースや筋肉を痛めるケースがあるため注意が必要です。筋トレをするのであればしっかりと知識を身に付けて、安全かつ効果的におこないましょう。
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