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2024.08.20コラム

NATA-ATCとは?取得要件や費用、日本のアスレティックトレーナーとの違いを解説

NATA-ATCはアメリカでアスレティックトレーナーとして働くために必要な資格です。

アスレティックトレーナーという仕事や資格は日本にもありますが、アメリカでは国家資格となっており、取得するためのハードルが高いことからアスレティックトレーナーに関係した最難関の資格とも呼ばれています。

この記事では、NATA-ATCについて解説します。NATA-ATCに興味がある方は参考にしてください。

 

 

NATA-ATCとは?

NATA-ATC とは、National Athletic Trainers’ Association (全米アスレティック・トレーナーズ協会)が認めた認定アスレティックトレーナーの資格です。

アメリカのプロスポーツ業界で働くことが可能な国家資格で、アメリカ国内で働いているトレーナーの大半が持っています。

アメリカでアスレティックトレーナーとして働く場合、NATA-ATCを取得した上で、各州が定める医療免許を取得しなければ、アスリートの身体に触れることができません。

つまり、アメリカのプロスポーツ業界でトレーナーとして働きたい場合には必須の資格です。

 

 

NATA-ATCの概要

NATA-ATCを取得できれば、アメリカでアスレティックトレーナーとして働くことが可能です。

また、アメリカのプロスポーツで活躍している日本人プロスポーツ選手のスタッフとして採用される可能性も生まれます。

ただし、アスレティックトレーナーの資格としては取得要件が難しく、短期間で取得できません。

NATA-ATCの取得要件や試験内容などを順番に解説します。

 

NATA-ATCの取得要件

NATA-ATCを取得するためには、アスレティックトレーニング教育認定委員会(CAATE)公認の大学院に設置されたアスレティックトレーニング学科の卒業と、認定試験の合格が必要です。

大学院の入学条件は認定校ごとに異なりますが、大抵の場合は4年制大学の卒業資格が求められます。

つまり、NATA-ATCを取得するためには、4年制大学に通った上で、大学院に通いながら資格取得の勉強もしなければなりません。

 

NATA-ATCの試験内容

NATA-ATCの試験は、エントリーレベルのアスレティックトレーナー資格を発行するBoard of Certification (BOC)によって実施されます。

試験で問われる内容を大きく分類すると以下のとおりです。

  • 傷害・疾病の予防と健康維持
  •  臨床評価とその診断方法
  • 応急処置と救急処置
  • 治療的な介入の手順
  • 医療管理と職務上の責任について

上記の内容を基にした次の3種類の試験が2ヵ月ごとに行われ、1年以内に全部合格できればNATA-ATCを取得できます。

 

  概要
筆記試験 トレーナーに関する基礎から専門的な知識、NATAに関する問題が4択式で出題される
実技試験 外傷や障害に対する処置をモデル相手におこなう
シュミレーション試験 出題されたケースに対してトレーナーとしてどのように対応するかを試される

 

なお、1年以内にクリアできなければ、再び3つの試験を受ける必要があります。

 

NATA-ATCの取得難易度

NATA-ATCの合格率は80%~90%です。

合格率だけを見れば簡単な資格のように思えますが、4年制大学を卒業した上でアメリカの大学院を卒業する必要があるため、簡単ではありません。

 

NATA-ATCの取得にかかる時間

NATA-ATC の取得要件を満たすためには、4年制大学に通った上に、アメリカの大学院に入学する必要があります。

アメリカの大学院によっては、日本の大学で取得した単位をアメリカの単位に書き換えて一定以上に達していれば出願することは可能です。

そのため、NATA-ATCを取得するまでの時間は状況にもよりますが、大学に通っていない方は最低6年、大学を卒業していても最低2年は必要になります。

また、大学院の出願条件に実習時間が含まれている場合もあるため、短期間での取得は不可能です。

 

NATA-ATCの取得費用

NATA-ATCを取得するためには、アメリカの大学院に通うための入学金や授業料、生活費などがかかります。

大学院によって授業料や費用などは異なり、奨学金制度もありますが、2万~3万米ドルを自己負担する傾向があり、日本円に換算すると約311万円~約467万円以上必要です※1。

※1 1米ドル=155円で計算した場合。

 

 

NATA-ATCと日本のアスレティックトレーナーとの違い

アスレティックトレーナーとは、アスリートの怪我の予防や、怪我をした場合のリハビリを手助けする専門家を指します。

日本にも「公認アスレティックトレーナー」の資格があり、アスレティックトレーナーとして働く方の多くが取得している資格です。

しかし、日本における公認アスレティックトレーナーは民間資格で、医療行為はできません。日本で医療行為をするなら、医師や理学療法士、柔道整復師などの資格が必要です。

一方、NATA-ATCは準医療資格で、州が定めた医療資格を取るために必須な資格として扱われています。

つまり、日本では理学療法士や柔道整復師などの医療資格を持つ方がアスレティックトレーナーとして働くケースが多く、アメリカではトレーナーとしての知識と資格を身につけた方が医療資格を取得してアスレティックトレーナーとして働きます。

 

 

NATA-ATCに向いている方

NATA-ATCの取得に向いている方は以下のとおりです。

  • アメリカのスポーツ現場で働きたい方
  •  スポーツドクターを目指している方

NATA-ATCを取得しないと、アメリカのスポーツ現場で働くことはできません。アメリカのスポーツ現場で働きたいと考えている方は、NATA-ATCの取得を目標にしましょう。

また、NATA-ATCを取得してから医療免許を取得すれば、アスリートの治療を本格的におこなえます。そのため、将来的にスポーツドクターとして世界で働きたいと考えている方にもおすすめの資格です。

 

 

国内で取得できるおすすめの資格

NATA-ATC以外で、国内で取得できるアスレティックトレーナーに関係した資格を順番に紹介します。

 

JSPO-AT

JSPO-ATは公益財団法人日本スポーツ協会が発行しているアスレティックトレーナーの資格です※2。

 

取得要件 次のいずれかをひとつを満たす

  • 日本スポーツ協会の養成講習会を受講する
  • 免除適応コースの承認校でカリキュラムを履修する
難易度 51%(2022年度の養成講習会参加者)
取得までの費用 養成講習会なら約8万円

 

日本スポーツ協会の養成講習会を受講する」か「免除適応コースの承認校でカリキュラムを履修する」のどちらかを満たすと資格を取得できます。

JSPO-ATは、日本で初めて誕生した公的なアスレティックトレーナーの資格です。取得すると、スポーツ医学・運動生理学・リハビリテーションなどの知識と技術を持つことを証明できます。

アスレティックトレーナーとして働きたい方は、まずはJSPO-ATの取得から始めてみましょう。

※2出典:JSPO日本スポーツ協会「アスレティックトレーナー – スポーツ指導者」

 

JATAC-ATC

JATAC-ATCは特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会が認定しているアスレティックトレーナーの資格です※3。

 

取得要件 特定の資格を持つ、あるいは条件を満たしており、協会の講習会や通信教育講座でスポーツ科学分野の単位を取得する
難易度 不明
取得までの費用 入会金:10,000円

 

柔道整復師や理学療法士などの国家資格を持つ、あるいは2年生以上の専門学校や大学のスポーツ科学系のコースを卒業し、協会が認定する講習会や通信教育講座で4領域69単位を取得するなど、他の資格に比べて取得要件が難しいことが特徴です。

取得難易度が高く、取得できるまでの時間がかかりますが、スポーツ医学やスポーツ生理学などの専門的な知識を正しく身につけたことを証明できるため、アスレティックトレーナーとして活躍したい方は検討してみましょう。

※3出典:NPO法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会(JATAC)「JATAC-ATCについて」

 

NSCA-CPT

NSCA-CPTとは、National Strength and Conditioning Association(全米ストレングス&コンディショニング協会)が発行しているパーソナルトレーナー向けの資格です※4。

 

取得要件 高校を卒業している、あるいは高卒認定試験に合格している
18歳以上
NSCAジャパンの正会員か学生会員
有効なCPR/AEDの認定者※5
難易度 82.3%(2022年度)
取得までの費用 独学なら約8万円~約9万円

パーソナルトレーナー向けの資格ではありますが、医学的、運動生理学的な専門知識と、実際にトレーニングを指導する技術が身につく資格です。

また、年齢や性別、経験を問わず、幅広い層の方に指導するために必要な知識やスキルを磨くことができるため、アスレティックトレーナーとしてのスキルを向上させたい方に適しています。

※4出典:NSCA「NSCA認定資格とは」
※5資格認定に有効なCPR/AEDの認定には条件があります。

 

NESTA-PFT

NESTA-PFTとは、National Exercise & Sports Trainers Association(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)が発行しているパーソナルトレーナー向けの資格です※6。

 

取得要件 必須要件
(全部満たす必要がある)
NESTA JAPANからPFTテキストを購入済み
CPR・AEDの技能を習得・保持している
日本国籍または、日本での就労可能な在留資格を有する
満18歳以上で、高等学校卒業以上の者、高等学校卒業程度認定資格試験合格者、またはNESTAが認定する教育カリキュラム修了者
該当要件
(ひとつ以上に該当する)
1年以上のパーソナルトレーナー・インストラクターなどの実務経験がある
1年以上の運動部指導、フィットネス企業勤務経験がある
体育系または、医療系の大学・専門学校を卒業している
NESTAの認定する養成講座、養成コース(認定校・認定アカデミー含む)を受講済みである
難易度 50%~60%
取得までの費用 独学なら約8万円~約21万円

 

NESTA-PFTもパーソナルトレーナー向けの資格ですが、身体に関する幅広い知識や、トレーニング全般に関する偏りのない知識を身につけられるため、アスレティックトレーナーの仕事に役立ちます。

また、資格取得の過程でコミュニケーション対応力やビジネススキルも身につくため、トレーナーとして独立を考えるときに役立つ資格です。

※6出典:NESTA JAPAN(ネスタジャパン) -全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会「NESTA PFT認定 取得までの流れ」

 

 

まとめ

NATA-ATCはアメリカでアスレティックトレーナーとして働くために必須の資格です。

取得するためには4年制大学を卒業した上で、アメリカの大学院に留学して試験に合格する必要があります。

国内で取得できる資格に比べると、取得要件のハードルが高く、時間やお金がかかる資格です。

そのため、国内でアスレティックトレーナーやパーソナルトレーナーとして働きたいなら、国内で取得できるJSPO-ATやNSCA-CPT、NESTA-PFTなどの資格を検討してみましょう。

 

 

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