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2024.01.08コラム

NSCA認定パーソナルトレーナーとは?取得難易度や費用、勉強方法などを解説

 

NSCA認定パーソナルトレーナーは一般人からアスリートまで、幅広い人物を対象に指導できる知識を持つと認められる資格です。パーソナルトレーナーを目指す方や、プロアスリートを指導したい方は資格取得を検討してはいかがでしょうか。

しかし、NSCA認定パーソナルトレーナーは、すぐに取得できるとは限りません。資格認定条件を満たす必要があり、ある程度の費用が掛かります。そのため、NSCA認定パーソナルトレーナーについて事前に知っておくことが重要です。

この記事では、NSCA認定パーソナルトレーナーの資格認定条件や難易度、費用などをわかりやすく解説します。NSCA認定パーソナルトレーナーに興味がある方は参考にしてください。

 

NSCA認定パーソナルトレーナーとは

NSCA認定パーソナルトレーナーとは、アメリカのトレーニングおよびコーチングの教育団体であるNSCA(National Strength and Conditioning Association)における認定資格のひとつです。NSCA-CPTと表記されることもあります。

顧客の健康と体力へのニーズに関して、「トレーニングやコンディショニング全般の指導をおこなえる」「優れた専門的能力を持つ」人材として認定する資格です。

 

ほかの資格との違い

NSCAでは、NSCA認定パーソナルトレーナー以外に、CSCS(Certified Strength and Conditioning Specialist:認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)という認定資格もあります。

NSCA認定パーソナルトレーナーとCSCSのおもな違いは次のとおりです。

 

  NSCA認定
パーソナルトレーナー
CSCS
資格の目的 健康と体力のニーズに関してトレーニングやコンディショニング全般の指導をおこなえる、優れた専門的能力を持つ人材を認定する 傷害予防とスポーツパフォーマンス向上を目的とした、安全で効果的なトレーニングプログラムを計画し、実行できる知識と技能を持つ人材を認定する
おもな指導対象 一般人、アスリートなど アスリート、スポーツチーム
おもな指導内容 一般的な内容から専門的なトレーニング 筋力トレーニングやパフォーマンス向上のためのアドバイス、施設運営、栄養、生活習慣に関する指導など
資格認定条件 NSCAジャパン会員である
満18歳以上
高等学校卒業者または高等学校卒業程度認定試験(旧:大学入学検定試験)合格者
有効なCPR/AEDの認定者※1
NSCA-CPT認定試験に合格 NSCAジャパン会員である
学位(学士・修士・博士)取得者、または高度専門士の称号の保持者
有効なCPR/AEDの認定者※1
CSCS認定試験 基礎科学セクションに合格
CSCS認定試験 実践/応用セクションに合格
NSCAジャパン会員である
学位(学士・修士・博士)取得者、または高度専門士の称号の保持者
有効なCPR/AEDの認定者※1
CSCS認定試験 基礎科学セクションに合格
CSCS認定試験 実践/応用セクションに合格

 

NSCA認定パーソナルトレーナーは一般人からアスリートまで、年齢や性別、経験などを問わず、幅広い層に対してトレーニングをおこなうことを目的とした資格です。そのため、パーソナルトレーナーやフィットネスインストラクターを目指している方におすすめの資格になります。

一方、CSCSはおもにアスリートやスポーツチームなどの、プロで活躍している方をサポートすることを目的とした資格です。そのため、パーソナルトレーナーだけでなく、ストレングスコーチやアスレティックトレーナーなどを目指している方が取得する傾向があります。

どちらもNSCAが認定している資格ではありますが、資格によって目的や認定条件が異なるため、どちらがご自身にとって必要な資格なのか検討が必要です。

※1資格認定に有効なCPR/AEDの認定には条件があります。

 

NSCA認定パーソナルトレーナーの資格認定条件

先述したように、NSCA認定パーソナルトレーナーの資格認定条件は以下になります。

 

  • NSCAジャパン会員である
  • 満18歳以上
  • 高等学校卒業者または高等学校卒業程度認定試験(旧:大学入学検定試験)合格者
  • 有効なCPR/AEDの認定者
  • NSCA-CPT認定試験に合格

 

NSCA認定パーソナルトレーナーになるには、NSCAジャパン(NSCAの日本支部)の正会員、もしくは学生会員のいずれかになる必要があります。なお、会員になると年会費が発生します。

 

  対象 年会費
正会員 個人 13,200円(税込)
NSCA-CPT 大学生、大学院生、専門学校生、高校生、中学生 11,000円(税込)

 

NSCAジャパン会員で、なおかつ高等学校卒業者、または高等学校卒業程度認定試験(旧:大学入学検定試験)合格者の満18歳以上であることが認定条件に求められており、出願時には学歴証明書の郵送が必要です。

また、申込みまでに、有効なCPR/AEDの認定が必要です。CPR/AEDとは、AHA(American Heart Association:アメリカ心臓協会)による心肺蘇生法(CPR)と自動体外式除細動器(AED)の教育プログラムを指します。

通常、日本赤十字社や各消防署が主催している講習を受ければ、CPR/AEDの認定を貰うことが可能です。

しかし、NSCA認定パーソナルトレーナーには、もしもトレーニング中にトラブルが発生した場合に、初期的な救命処置をおこなえるだけの知識が求められています。

そのため、次の条件をすべて満たしているCPR/AEDの講習会を受講する必要があります。

 

  • 講習会の中に実技評価が含まれていること(オンラインのみのコースは不可)※2
  • 傷病者の対象が成人であること

 

NSCAでは該当する団体のコースを紹介しているため、参考にしてみましょう。

上記までの条件をすべて満たしている方がNSCA-CPT認定試験を受験して合格すれば、NSCA認定パーソナルトレーナーの資格を認められます。

※2新型コロナウイルスの影響により、一時的にオンライン形式のCPR/AED講習会も有効なものと認める対応がおこなわれております。詳細はこちら

 

NSCA認定パーソナルトレーナーの資格取得にかかる費用

NSCA認定パーソナルトレーナーの資格取得にかかる費用は以下のとおりです。

 

  一般価格 会員価格
受験費用 46,090円(税込)
テキスト 13,200円(税込) 11,880円(税込)
問題集 11,000円(税込) 9,900円(税込)

 

NSCA認定パーソナルトレーナーの受験料は46,090円(税込)で、出願手続きが完了すると120日間の受験期間が設定され、期間内に1回受験できます。

また、延長手続き料11,000円(税込)を支払うことで、申請の手続きが完了した日から120日間延長することが1回まで可能です※3。

なお、都合によりキャンセルしたい場合は、次の条件をすべて満たしているなら受験期間が終了する1週間前までにキャンセルできます。

 

  • 受験していないこと
  • 「欠席」になっていないこと
  • 試験予約をおこなっていないこと
  • キャンセル申請をすると、受験料の50%の違約金と事務手数料1,100円を差し引いた、21,945円が返金されます※4。

 

また、NSCAジャパンでは、NSCA認定パーソナルトレーナーのテキストと問題集を販売しています。受験に必須ではありませんが、出題範囲が掲載されているため、上記のテキストと問題集を購入して勉強を進めることも一つの方法です。

独学なら上記の料金ですが、資格取得のためにトレーナー育成スクールや専門学校に通う場合は、入会費や授業料などがかかり、更に費用が増えると覚えておきましょう。

※3延長手続きは受験期間が終了する2週間前までにおこなう必要があります。
※4定められた受験期間の終了日6日前以降は、キャンセル申請をおこなうことはできず、返金もされません。

 

NSCA認定パーソナルトレーナーの難易度

 

 

NSCAジャパンの発表によれば、NSCA認定パーソナルトレーナーの2022年度の合格率は82.3%です。受験者数や再受験者の割合などの細かい数値は不明ですが、合格率だけを見るなら難易度はあまり高くないように感じられます。

試験時間は3時間で、3つの選択肢から解答を選ぶ3択式です。受験者は専用のコンピュータ上で表示された試験問題と選択肢から、解答を選びます。

設問数がスコアード問題140問とノンスアード問題15問の合計155問で、各セクションそれぞれスケールド・スコア70以上で合格です。スケールド・スコアとは、統計的に算出された、難易度が異なる試験問題を同等のものに調整した得点のことで、平たくいえば70点以上獲得すれば合格となります。

合格率80%以上で、マークシート式のため合格しやすいように思えますが、試験時間3時間に対して問題数が155問あります。単純計算、1問1分程度で解答する必要があるため、短時間で正解を導き出すだけの知識が必要です。

そのため、NSCA認定パーソナルトレーナーはしっかりと勉強しないと合格できない程度には難易度が高い資格といえます。

 

NSCA認定パーソナルトレーナーを取得するメリット

NSCA認定パーソナルトレーナーを取得するメリットは以下のとおりです。

 

  • アスリートに対してもより適切な指導ができる
  • より質の高い指導がおこなえる
  • 就職や転職で有利になりやすい
  • 事前講習が必要ない

 

上記を順番に解説します。

アスリートに対してもより適切な指導ができる

基本的にスポーツインストラクターやパーソナルトレーナーは、NSCA認定に限らず特定の資格が必要なものではありませんが、資格取得によって適切な指導ができることを証明できます。

NSCA認定パーソナルトレーナーでは、プログラムプランニングに関する知識が求められます。プログラムプランニングとは、レジスタンストレーニングや有酸素性持久力トレーニングなどのトレーニングプログラムを、クライアントのニーズにあわせて計画することです。

NSCA認定パーソナルトレーナーは幅広い対象者に対して適切な指導ができるということを認めた資格のため、一般人だけでなくアスリートへの指導もできます。

実際、NSCA認定パーソナルトレーナーはパーソナルトレーナーのはかに、スポーツ指導者や理学療法士などのアスリートと接する機会がある方も取得している資格です。

 

より質の高い指導がおこなえる

NSCA認定パーソナルトレーナーでは、おもに次の分野の知識を問われます。

 

  概要
クライアントに対する面談と評価 クライアントの健康評価や危険因子の特定に関する知識
エクササイズテクニック ストレッチやトレーニング、エクササイズなどに関する正しい知識
プログラムプランニング レジスタンストレーニングや有酸素性持久力トレーニングなどを適切に組める知識
安全性・緊急時の手順・法的諸問題 トレーニング中に起きる事故やケガを未然に防ぐ知識や、危機管理などの知識

 

NSCA認定パーソナルトレーナーを目指すことで学んだ知識で専門性を深めることができるため、取得後はより質の高い指導が可能です。

就職や転職で有利になりやすい

NSCA認定パーソナルトレーナーを持っているということは、一般人からアスリートまで、幅広い人物を対象に適切な指導をおこなえる知識を身に着けていることを証明できます。

そのため、資格を持っていることで、専門性のアピールになり就職や転職で有利に働く場合があります。

 

事前講習が必要ない

パーソナルトレーナーに関する資格には、事前に講習を受けることが前提とされているものもあります。

しかし、NSCA認定パーソナルトレーナーは事前講習を受ける必要がありません。マークシートの試験を受けるだけなので、時間的な拘束が短く、取得にかかる費用をおさえられることもメリットといえます。

 

NSCA認定パーソナルトレーナーの勉強方法

NSCA認定パーソナルトレーナーの勉強方法は以下のとおりです。

 

  • 独学
  • トレーナー育成スクールに通う

 

上記の勉強方法を順番に解説します。

 

独学

NSCA認定パーソナルトレーナーは資格認定条件を満たしていれば、スポーツに関する学校に所属していなくても受験可能な資格です。

また、先述したように、NSCAジャパンからは資格取得に必要なテキストと問題集が販売されているため、独学で受験して合格できる可能性があります。

独学は、ご自身の好きなときに好きなタイミングで勉強できるメリットがあります。また、トレーナー育成スクールや専門学校に通わずに済むため、入会金や授業料が必要なくお金をかけずに勉強できます。

NSCA認定パーソナルトレーナーを取得するための費用を節約したい方は、独学で勉強を始めてみましょう。

 

トレーナー育成スクールに通う

NSCA認定パーソナルトレーナーは独学でも取得できますが、トレーナー育成スクールに通って取得する方法もあります。

トレーナー育成スクールでは、NSCA認定パーソナルトレーナー取得のための知識を身につけることが可能です。わからないところをすぐに質問でき、トレーナー育成スクールによっては合格保証が付いていることもあるため、安心して受験できます。

独学に比べれば入会費や授業料などはかかりますが、NSCA認定パーソナルトレーナーの資格を確実に取得したい方は、トレーナー育成スクールがおすすめです。

 

まとめ

NSCA認定パーソナルトレーナーはアメリカの団体が認定している資格です。取得すると、一般人からアスリートまで、幅広い人物を対象としたトレーニングや指導がおこなえる知識を身に付けていることが証明できます。

そのため、アスリートへの指導をしたい方や、パーソナルトレーナーを目指している方はNSCA認定パーソナルトレーナーの取得をおすすめします。

独学やトレーナー育成スクールに通うなど、それぞれのメリットを踏まえてご自身にあった方法で取得を目指しましょう。

 

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