NSCA-CPTは、パーソナルトレーナー向けの資格です。取得できればパーソナルトレーナーに役立つ知識や技術を身につけられ、専門的な能力を持つ証明にもなります。
公式から発売されているテキストや問題集を購入して独学での取得も可能ですが、合格するためには勉強方法や勉強時間の目安などを知っておくと良いでしょう。
この記事では、NSCA-CPTの勉強方法や学習時間の目安などを解説します。NSCA-CPTに興味がある方は参考にしてください。
NSCA-CPTはパーソナルトレーナーにおすすめの資格
NSCA-CPTとは、全米ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)が認定しているパーソナルトレーナー向けの国際的な資格です※1。
取得要件 |
- 高校を卒業している、あるいは高卒認定試験に合格している
- 18歳以上
- NSCAジャパンの正会員か学生会員
- 有効なCPR/AEDの認定者※2
|
合格率 |
82.3%(2022年度) |
取得までの費用 |
独学なら約8万円~約9万円 |
当資格は、クライアントをマンツーマンで指導するパーソナルトレーナーの国際認定資格のひとつです。専門的な能力を持つ人材として評価され、年齢や性別、スポーツの経験を問わず、幅広い層に対して指導できる知識や技術を身につけられます。
パーソナルトレーナーとして就職やキャリアアップを考えているなら、取得を検討しましょう。
※1出典:NSCA「NSCA認定資格とは」
※2資格認定に有効なCPR/AEDの認定には条件があります。
NSCA-CPTを受験するまでの流れ
NSCA-CPTを受験するまでの流れは以下のとおりです。
- NSCAジャパンの入会手続きをおこなう
- マイページにログインする
- 【試験・検定情報】から出願手続きをおこなう
- 出願する検定資格を選択する
- 画面の指示にしたがって操作する
- 支払い手続きと提出書類の郵送を済ませる
- メール内に記載されているURLより試験予約手続きをおこなう
NSCA-CPTを受験するためには、NSCAジャパンの会員になる必要があります。次の表は、NSCAジャパンの会員種別の年会費をまとめたものです。
項目 |
年会費 |
対象 |
正会員 |
13,200円 |
個人 |
学生会員 |
11,000円 |
大学生、大学院生、専門学校、高校生、中学生 |
学生なら学生会員、学生以外の方は正会員で入会し、マイページからNSCA-CPT試験の受験手続きを進めます。
NSCA-CPT試験の受験要件のひとつに、「出願時に、高等学校卒業以上の者または高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定)合格者※3」があるため、受験手続きの際に学歴証明書の郵送が必要です。
インターネットで基本情報の登録や提出書類の確認、受験料の支払い手続きなどをおこなったら、NSCAジャパン試験担当へ学歴証明書を郵送しましょう。
出願手続きが済めば、約2週間後に試験予約手続きがおこなえるメールが届きます。120日以内に試験を予約して、NSCA-CPT試験を受けましょう。
※3出典:NSCA「NSCA認定資格とは」
NSCA-CPTの勉強に必要なもの
次の表は、NSCA-CPTの勉強に必要なテキストや問題集で、NSCAジャパンから販売されているものをまとめたものです(2024年7月現在)。
項目 |
名称 |
会員価格 |
概要 |
テキスト |
NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識 第2版 |
11,880円 |
全25章で構成され、NSCA-CPTを受験する方にとっては教科書のようなテキスト |
NSCAジャパン ストレングス&コンディショニング エクササイズ・バイブル |
3,564円 |
DVDで実際の動作を確認しながら学習でき、エクササイズテクニックの受験対策に役立つ |
問題集 |
NSCA-CPT受験用問題集セット |
9,900円 |
セクションごとに問題が構成され、NSCA-CPTの問題レベルを把握するためにも必要 |
動画 |
受験対策講座 |
60分:1,100円(税込)
90分:1,650円(税込)
120分:2,200円(税込) |
過去の受験対策講座の内容を録画した動画 |
基礎講座 |
各1,650円(税込) |
基礎的な部分を扱っている講義の動画 |
NSCAジャパンでは、NSCA-CPT試験を受ける方向けの教科書として、「NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識 第2版」を販売しています。全25章で構成され、パーソナルトレーナーにとって重要な知識がまとめられてあり、NSCA-CPT試験を受験する方には必須のテキストです。
また、NSCA-CPT試験では、エクササイズテクニックに関する映像や画像を見て解答する問題があります。
「NSCAジャパン ストレングス&コンディショニング エクササイズ・バイブル」は、DVDが付属したテキストです。適切なテクニックやよく見られるエラーなどが掲載されているため、エクササイズテクニックの受験対策に役立つでしょう。
なお、NSCA-CPT試験の過去問は販売されていません。そのため、セクションごとに問題が構成され、NSCA-CPT試験相当の問題レベルを出題する「NSCA-CPT受験用問題集セット」を購入して、繰り返し勉強すると良いです。
上記のテキストや問題集以外に勉強をしたい方は、動画も購入しましょう。
NSCAジャパンでは、NSCA-CPT試験を受ける方向けに受験対策講座をおこなっており、公式サイトで録画した動画を販売しています。分野ごとに販売しているため、苦手分野の対策に役立つ動画です。
また、受験対策講座とは別に、出題範囲の「解剖生理学、トレーニングに対する適応」と「バイオメカニクス」を基礎から学べる基礎講座の動画も販売しています。受験対策講座に比べて基礎的な部分を扱っており、過去にスポーツ科学に関する教育を受けておらず、用語の意味が理解できない方や、試験勉強をスタートさせたばかりの方におすすめです。
公式以外からもテキストや問題集が販売されていますが、まずは公式のテキストと問題集で勉強しましょう。
NSCA-CPTの勉強方法
NSCAジャパンではNSCA-CPTの勉強方法として、次の例を提示しています。
- 出題範囲からひとつの分野を選ぶ
- テキストや動画で勉強する
- 分野の勉強が終わったら模擬問題集にチャレンジする
- 覚えきれなかった分を覚え直し、覚えられたら次の分野に進む
- 全分野の勉強が終了したら受験ガイドブックで最終確認をする
NSCA-CPT試験は「クライアントに対する面談と評価」「プログラムプランニング」「エクササイズテクニック」「安全性、緊急時の手順、および法的諸問題」の分野にわかれており、分野ごとに複数のブロックで構成されています。
過去にスポーツ科学に関する教育を受けていない方は、分野の中で取り組みやすいブロックを選択し、テキストや動画を用いて勉強しましょう。
分野を構成するブロックの勉強が終了したら、模擬問題集にチャレンジし、結果によっては勉強のやり直しをするか、次の分野に進みます。
上記を繰り返して全分野の勉強が終了したら、「NSCA-CPT受験用問題集セット」にある認定試験受験ガイドブックで最終確認をおこない、試験に挑みましょう。
なお、NSCAジャパンでは受験対策講座を開催しています。関東と関西で年に1回ずつ、土日の2日間で出題範囲の講義を受けられるので、不安があるなら受講を検討することをおすすめします※4。
※4タイミングによっては終了している場合もあるので、日程はNSCAジャパンウェブサイトのセミナー一覧でご確認ください。
NSCA-CPTの勉強時間の目安
次の表は、NSCAジャパンが紹介している、NSCA-CPTの勉強時間の目安をまとめたものです。
タイプ |
NSCA-CPTの勉強時間の目安 |
特徴 |
タイプA |
3ヵ月 |
過去にスポーツ科学に関する教育を受けており、トレーニングの指導経験がある方向け |
タイプB |
6ヵ月 |
過去にスポーツ科学に関する教育を受けているが、トレーニングの指導経験がない方向け |
タイプC |
5ヵ月 |
スポーツ科学に関する勉強を受けていないが、トレーニングの指導経験がある方向け |
タイプD |
8.5ヵ月 |
スポーツ科学に関する勉強をしておらず、トレーニングの指導経験もない方向け |
NSCA-CPT試験の出題範囲はパーソナルトレーナーにとって基本的な内容も含まれています。
過去に大学や専門学校などで勉強しており、トレーニングの指導経験がある方は、曖昧な部分の知識を復習すれば合格できる可能性があるため、勉強時間は短期間で済むでしょう。
一方、過去にスポーツ科学を学んでいてトレーナーとしての指導経験がない方は、実践的な指導に関する知識が不足している可能性があるため、トレーニングを実践しながら時間をかけて学ぶ方法がおすすめです。
トレーニングの指導経験はあるものの過去にスポーツ科学を学んでいない方は、基礎的な知識が身についていない可能性があります。そのため、「クライアントに対する面談と評価」を中心に、基礎的な知識を学ぶことに時間をかけましょう。
スポーツ科学に関する勉強を受けておらず、トレーニングの指導経験もない方は、少しずつ基礎内容と実践の分野を学びながら、理解を深めていくことが重要です。理解が難しい場合は、受験対策講座や基礎講座などの受講も検討しましょう。
NSCA-CPT試験は、受験者の知識や経験によって必要になる勉強時間は異なります。ご自身の状況と理解度に照らしあわせて、表に記載した時間を勉強時間の目安にしましょう。
NSCA-CPTの勉強をする際のポイント
NSCA-CPTの勉強をする際のポイントは以下のとおりです。
- 暗記が重要な試験であることを理解する
- 独学が難しいならトレーナー育成スクールを利用する
上記を順番に解説します。
暗記が重要な試験であることを理解する
次の表は、NSCA-CPT試験の概要をまとめたものです。
問題数 |
スコアード問題:140問
ノンスコアード問題:15問 |
回答方法 |
3つの選択肢から選ぶ |
試験時間 |
3時間 |
NSCA-CPT試験は全155問で構成されたマークシート形式のテストで、3つの選択肢から正しい回答を選びます。
また、NSCA-CPT試験の勉強で推奨されているのは、複数の分野を並行で進めるよりも、ひとつの分野を順番に覚えていく方法です。
ただし、過去にスポーツ科学に関する教育を受けていない方は、基礎学科の内容を理解するまでに時間がかかる可能性があります。勉強が進まないと感じたら無理をせず、実践的な分野の章から学んでみましょう。
独学が難しいならトレーナー育成スクールを利用する
NSCA-CPTはテキストや動画を用いて勉強するため、独学での取得も可能な資格です。
しかし、独学ではモチベーションが上がらず、勉強に集中できない場合があります。NSCA-CPTの取得が独学では難しいと感じたら、トレーナー育成スクールを利用するのもひとつの手段です。
トレーナー育成スクールでは、パーソナルトレーナーやジムトレーナーの育成を目的としており、トレーナーに必要な知識や技術を現役のトレーナーから学ぶことができます。
スクールによってはNSCA-CPTのようなパーソナルトレーナー向けの資格取得をサポートするコースがあり、過去にスポーツ科学を学んでおらず、トレーニングの指導経験がない方でも取得できる可能性があります。
また、トレーナー育成スクールでは資格取得のサポートが受けられるだけではありません。
マンツーマンで実技授業が受けられたり、トレーナーとしての就職をサポートしてもらえたりする場合もあるため、パーソナルトレーナーを目指している方は利用を検討するのも良いでしょう。
NSCA-CPTの勉強をする際の注意点
NSCA-CPTの勉強をする際の注意点は以下のとおりです。
- 最新版のテキストを購入する
- 有効なCPR/AEDの認定を受ける
上記を順番に解説します。
最新版のテキストを購入する
NSCAジャパンから販売されているテキストは定期的に更新されます。2024年7月末には「NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識 第3版」が販売される予定です。
現時点では、第2版の内容を基に試験が作成されていますが、2025年2月以降は第3版の内容を基に作成されることが決まっています。
NSCA-CPT試験を来年以降に受験する予定の方は、「NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識 第3版」発売後にテキストを購入しましょう。
有効なCPR/AEDの認定を受ける
NSCA-CPTは独学で取得も可能ですが、取得要件に「有効なCPR/AEDの認定」が含まれています。
「有効なCPR/AED」とは、AEDを活用して心肺蘇生法を実践できると保証された証明であり、実技評価が含まれる講習会への出席が必要です。
そのため、NSCA-CPT試験の勉強をしながら、「有効なCPR/AED」の認定を取得するスケジュールを組み立てましょう。
なお、「有効なCPR/AEDの認定」は、NSCA-CPT試験の受験資格には含まれていません。試験に合格してから1年以内に取得し、あとから提出する方法もあります。
まとめ
NSCA-CPTはパーソナルトレーナーにおすすめの資格です。パーソナルトレーナーとしての知識や技術を身につけられ、キャリアアップにも役立ちます。
公式からテキストや問題集、動画が販売されているため、取得したい方は購入して分野ごとに勉強しましょう。
テキストや問題集、動画などの勉強に必要なものが充実しているため、独学での取得も可能ですが、不安な方は資格取得が目指せるトレーナー育成スクールの受講もおすすめです。
まずはASPトレーナースクールの無料体験授業を受講してみよう
ASPトレーナースクールではNSCA-CPT、NESTA-PFTなどの資格取得を目指せるカリキュラムをご用意しております。
マンツーマンレッスンで資格取得までをサポートするため、過去にスポーツ科学を学んでおらず、トレーニングの指導経験もない方でも安心です。
パーソナルトレーナーとして働きたいと考えている方や、NSCA-CPT試験の勉強につまずいている方は、まずはASPトレーナースクールの無料体験授業を受講してみましょう。