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2024.01.13コラム

NSCA-CSCSとはどんな資格?受験条件や試験内容、勉強方法などを解説!

スポーツや競技者に関わるトレーナーなら、NSCA-CSCSと呼ばれる資格をよく耳にするでしょう。

しかし、パーソナルトレーナーに関わる資格だと知っていても、具体的になにを認定する資格でどうすれば取得できるのか、詳しく知らない方も多いかもしれません。

そこでこの記事ではNSCA-CSCSについて知っておくべき基本的な知識や、取得に向いている方の特徴などを紹介します。

更に、資格認定試験の概要や難易度、取得に向けた勉強法などもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

NSCA-CSCSとは?

NSCA-CSCSの「NSCA」は、アメリカに本部を置くNSCA(National Strength and Conditioning Association、全米ストレングス&コンディショニング協会)の略称です。

NSCAは1978年に創設された国際的な教育研究機関で、2021年6月現在、NSCAジャパンをはじめ活動は世界中に広がっており、延べ55,000名の認定資格者数を有しています。

「CSCS」は1985年から始まった歴史ある資格で、NSCAが管理する認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(Certified Strength and Conditioning Specialist)のことです。ストレングスは筋肉が発揮するパワー、コンディショニングは身体がパフォーマンスを発揮できる状態を意味します。

NSCA-CSCSは、十分なパフォーマンスの発揮からケガなどのトラブルの予防まで、多方面からアスリートを支援するトレーニングプログラムの計画や実行にまつわる知識やスキルを認定する資格です。

NSCAの認定資格は、認定日に関わらず、3年ごとに一律の有効期限が定められています。そのため、定期的な資格の更新が必要です。

 

NSCA-CPTとの違い

NSCAには2種類の認定資格があり、NSCA-CSCSのほかにNSCA-CPTがあります。

1993年から始まったCPTは認定パーソナルトレーナー(Certified Personal Trainer)資格で、年齢や性別を問わず、トレーニング初心者から上級者までニーズにあわせた指導に対応できる人材を認定する資格です。

アスリートやスポーツ競技者の指導も視野に入れたCSCSは、より専門性の高い知識やスキルを求められるため、CPTの上位資格に位置づけられています。

 

 

NSCA-CSCSの取得に向いている方

国際的に認められるNSCA-CSCSの資格取得は、次のような方に向いています。

 

  • 上位資格の取得で指導に自信をつけたい方
  • パーソナルトレーナーとしてスキルアップしたい方
  • 高度な知識を身につけてアスリートに還元したい方

 

ひとつずつ順番に解説します。

 

上位資格の取得で指導に自信をつけたい方

ご自身の経験に頼った指導に不安を感じているなら、CSCS資格の取得がおすすめです。

NSCA-CSCSを取得するには、受験条件を満たし、専門的な知識を身につける必要があります。高いレベルでの指導や、より効果的なトレーニングプログラムを提供できるようになり、トレーナーとしての自信につながるでしょう。

 

パーソナルトレーナーとしてスキルアップしたい方

取得のハードルが高いとされるNSCA-CSCSの認定を受ければ、パーソナルトレーナーとしての強みになります。NSCAによる科学的な運動理論をご自身のものとすれば、より多くのお客さまからの信頼や指名を得られるでしょう。

パーソナルトレーナーとしてさらなる飛躍をサポートする資格となるはずです。

 

高度な知識を身につけてアスリートに還元したい方

筋力をアップさせて、競技に必要な筋力を効率よく発揮させるためのトレーニング指導をおこなうのが、欧米で多く活躍するストレングスコーチです。このような高度な知識を持つ人材はアスリートからの需要が絶えません。

世界基準の資格であるNSCA-CSCSを取得すれば、ストレングスコーチやコンディショニングコーチとして、プロチームなどスポーツ業界での活躍が期待されます。

 

 

NSCA-CSCSの資格認定条件

NSCA-CSCSの資格認定条件は以下のとおりです。

 

  • NSCAジャパンの会員
  • 学位取得者、または高度専門士の称号の保持者
  • CPR/AEDの認定者
  • CSCS認定試験の合格者

 

それぞれ詳しく解説します。

 

NSCAジャパンの会員

NSCAジャパンの会員は、以下の3種類にわかれています。

 

 

  • 一般個人会員(年会費13,200円)
  • 学生会員(年会費11,000円)
  • 法人会員(年会費55,000円)

 

学生会員は大学生、大学院生、専門学校生、高校生、中学生が対象です。いずれの会員も NSCA-CSCS受験要件を満たします。

公式サイトから、あるいは郵送で入会申し込みが可能です。会員には、NSCA-CSCSの受験用テキストなどを会員価格で購入できるなどの特典があります。

 

学位取得者、または高度専門士の称号の保持者

NSCA-CSCS資格を取得するためには、学位(学士・修士・博士)取得者、または高度専門士の称号の保持者である必要があります。

学位として認められる大学とは、学校教育法が定める4年制大学または6年制大学のことです。なお、国外の大学の場合は、大学が所在する国から認可を受けることが必要なので注意してください。

高度専門士について、文部科学省によると以下のように定められています。

平成17年の9月9日の制度改正により、専門学校のうち、修業年限が4年以上等の要件を満たしたもので、文部科学大臣が指定した課程の修了者に、高度専門士の称号が付与されることとなりました。

※1出典:文部科学省「高度専門士の称号を付与する専修学校」

どの学校が高度専門士の称号を付与する専修学校専門課程を有しているのかは、文部科学省のウェブサイトから確認できます。

なお、2030年を目途に、受験に必要な学歴の条件が以下のように変更されると発表されています。

「NSCAが認定するストレングス&コンディショニング関連の教育プログラム※2を卒業し、学位を取得していること、または同プログラムに在学している大学卒業見込み者」
※2 2021年までに第三者認定機関が設立され、ストレングス&コンディショニングの専門職によって必要な教育プログラムの内容が検討されます※3。また、認定プログラム制度に関しては、現在の認定校制度とは異なるものになります。

※3 2024年現在も当該内容に関する詳細は不明です。

※4出典:NSCAジャパン「CSCS受験条件変更」

現在は大学を卒業していれば受験できますが、2030年以降はNSCAが認定するプログラムを受講できる学校を選び、卒業資格を得ないとCSCSの受験ができなくなります。

 

CPR/AEDの認定者

「CPR/AEDの認定」は、トレーニング指導者に求められる一次救命スキルとして、NSCAが保有を義務づけるものです。CPRは心肺蘇生法、AEDは自動体外式除細動器のことです。

CPR/AEDの認定を受けるには実技が含まれる講習会を受けなければなりません。日本赤十字社や各消防署などでおこなわれる講習会、消防庁などが実施するWEB講習を受講しましょう。

なお、資格の認定に有効なCPR/AEDの認定とは、以下のすべてを満たすものであると規定があります※5。

 

  • 講習会の中に実技評価が含まれていること(オンラインのみのコースは不可)
  • 傷病者の対象が成人であること

 

有効なCPR/AEDの認定でなければ、 NSCA-CSCSの資格認定条件を満たせないため注意してください。

※出典5:NSCAジャパン「NSCA認定資格とは」

 

CSCS認定試験の合格者

NSCA-CSCSの認定試験は基礎セクションと実践/応用セクションの2部にわかれており、それぞれに合格する必要があります。NSCA-CSCSの試験内容については、続いて詳しく解説します。

 

 

NSCA-CSCSの試験内容

NSCA-CSCSの資格認定試験は、以下2つのセクションに分けて実施されます。

 

  • 基礎科学セクション
  • 実践/応用セクション

 

どちらかのセクションのみ合格した場合は、合格日から1年以内であればのこりのセクションのみの受験が可能です。それぞれの試験内容について、続いて詳しく解説します。

 

基礎科学セクション

基礎科学セクションは、エクササイズサイエンス・スポーツ心理学・栄養学の3分野と、ノンスコアード問題で構成されています。スコアード問題80問、ノンスコアード問題15問で出題され、問題配分は以下のとおりです。

 

分野 問題配分 問題数
エクササイズサイエンス 55% 44
スポーツ心理学 23% 19
栄養学 21% 17
ノンスコアード問題 15
合計 100% 95

 

※6出典:NSCAジャパン「NSCA認定資格とは」

エクササイズサイエンスについての知識やアスリートの心理面でのサポートに欠かせない知識、栄養指導に必要な知識が問われます。

 

実践/応用セクション

実践/応用セクションの試験では、運営、テストと評価の4分野とノンスコアード問題が出題されます。スコアード問題110問、ノンスコアード問題15問の構成で、問題配分は以下のとおりです。

 

分野 問題配分 問題数
エクササイズテクニック 36% 40
プログラムデザイン 35% 38
組織と運営 11% 12
テストと評価 18% 20
ノンスコアード問題 15
合計 100% 125

 

※7出典:NSCAジャパン「NSCA認定資格とは」

トレーニングプログラムを計画する能力や指導者として不可欠な施設運営の知識、適切なプログラムを提供するための知識を問われます。映像や画像を見て解答する問題も含まれています。

 

 

NSCA-CSCSの難易度と合格率

NSCA-CSCSの試験は、基礎科学セクション95問と実践/応用セクション125問で構成されています。それぞれ、採点対象とならないノンスコアード問題が30問含まれています。

スコア70以上で合格となり、資格取得には両方のセクションに合格しなければなりません。

2022年の合格率は55.1%で、年度により少しずつ異なりますが、毎回50%前後です。同年のNSCA-CPTの合格率82.3%という数字を見ても、NSCA-CSCSの難易度は高めであることがわかります。

 

 

NSCA-CSCSの試験日

2016年4月よりオンライン形式(コンピューターベース試験)が導入され、試験会場や日時の予約、予約内容の変更などを手軽におこなえるようになりました。

受験の手続きは便利になりましたが、出願手続きから予約案内メールの到着まで2~3週間かかります。余裕を持ってテストセンターを予約できるように、受験希望日の2ヵ月前を目安に出願手続きを済ませておくと安心です。

受験当日は身分証明書の提示が求められますが、提示できなければ受験ができなくなってしまうため、必ず持参しましょう。同様に、15分以上の遅刻も「欠席」扱いとなるため注意してください。

 

試験日までの流れ

NSCA-CSCSの試験日までの流れは次のとおりです。

 

  1.  出願:マイページからの出願、受験料(50,200円)の支払い、学歴証明書の郵送
  2.  テストセンターの予約:予約案内メールを基にテストセンターを予約
  3.  試験当日:試験開始15分前までにテストセンターに到着し、本人確認のうえ受験

 

NSCAジャパン会員になったあと、公式サイトのマイページから出願手続きをおこない、学歴証明書はNSCAジャパン試験担当宛に郵送します。受験料はクレジットカード・コンビニ払い・ペイジーから選び、速やかに支払いましょう。

 

試験 受験料
NSCA-CSCS 50,270円(税込)
1セクション ※8 34,100円(税込)

 

※8基礎科学セクション、実践/応用セクションのどちらかに合格した日から1年以内にもうひとつのセクションのみを受験するときの受験料

3つの出願手続きを終えると、2~3週間で試験会場と試験日の予約案内メールが届きます。メールの案内にしたがって、オンラインもしくは電話で試験を予約します。試験日時の24時間前までは何度でも変更が可能です。

 

 

NSCA-CSCSの勉強方法

難易度が高いとされるNSCA-CSCSですが、それでも受験者のおよそ半数は合格しており、じっくりと取り組めば資格取得は不可能ではありません。

NSCA-CSCSの勉強方法は、大きくわけて以下の2とおりです。

 

  • 独学で勉強する
  • 専門スクールで勉強する

 

順番に解説します。

 

独学で勉強する

大学や専門学校で運動科学や栄養学などの基本的な勉強を済ませており、すでにトレーニングの指導経験もあるなら、独学での勉強がおすすめです。

特別な知識や経験がなくても独学は可能ですが、合格スコアを獲得するほどの高度な知識を身につけるには多くの時間がかかる可能性があります。

NSCAジャパンの公式サイトには、独学に適したテキストや問題集、動画教材など、専用の教材が数多く用意されています。そちらを参考に、すでにお持ちのスキルや知識を補える学習方法を組み立てましょう。

 

専門スクールで勉強する

できるだけ効率よくNSCA-CSCSの資格取得を目指すなら、専門のスクールで学ぶと良いでしょう。

独学に比べると受講費用はかかりますが、独学でつまずきやすい運動科学やプログラムデザインなども、知識の豊富な講師からの指導でスムーズに習得できます。

また、これまでにトレーナーとしての経験がない方や大学生でも基礎から応用まで順序だてて学べる点も、専門スクールを活用するメリットです。

 

 

まとめ

NSCA-CSCSは、アメリカに本部を置くNSCAによる資格で、認定を受けるにはトレーニングに関わる高度な知識が必要です。

資格の取得には、受験資格の要件を満たす必要があるほか、合格率50%前後と難易度の高い試験をクリアしなければなりません。

トレーナーとしてさらなるスキルアップを目指す方は、この記事で紹介した勉強方法を参考に受験を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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また、当スクールでは、NSCA-CPTなどの資格を取得することが可能です。本格的な一歩が踏み出せるため、いずれ(2030年に受験資格が変わる前)CSCSを取得することも視野に入れられるでしょう。

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