スポーツに関わる仕事に興味を持ち、生理学のことは知っているものの、詳しい内容は知らないという方も多いのではないでしょうか。
生理学は、臓器をはじめとした体内の組織が生体の中でどのような役割を持ち、働いているのかを明らかにする学問です。生体全般を学べるため、パーソナルトレーナーなど体を扱う職業の方が学んでおくと役に立ちます。
この記事では、生理学の基礎知識や活かせる職業、勉強方法を解説します。
生理学を学びたいと考えている方や、人の体を扱う職業に就きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
生理学とは?
生理学は、体の各部位がどのような役割を担っているのか、どのような働きをしているのかを明らかにする学問です。「臓器」のような大きなくくりだけでなく、細胞や分子レベルでの役割・働きも含まれています。
また、詳しい生理学の種類については後述しますが、この学問のおもな対象は「生体」であり、人だけではありません。
運動生理学との違い
運動生理学は、運動によって体にどのような変化が起きるのかを調べる学問です。
運動生理学の対象は限定的で、「人の運動時の反応」に焦点を当てています。一方で、生理学は体の各部位の役割や働きを調べる学問です。運動時に限らず、人や動物、魚などのさまざまな生物で起こる生体反応が対象です。
このように、幅広い領域が対象である生理学に対して、運動生理学は「運動時の反応」に特化している、という違いがあります。
スポーツ生理学との違い
スポーツ生理学とは、運動やスポーツで体に起きる反応や、そのしくみを学ぶ学問です。
生理学とスポーツ生理学では、その対象範囲が異なります。生理学の対象が「生体全般」であるのに対して、スポーツ生理学は「スポーツ時の体の変化」に焦点を当てた学問です。
また、応用分野もそれぞれ異なります。生理学は医学だけでなく、農業や環境分野にも応用されています。一方でスポーツ生理学は「スポーツ時」に特化していることから、以下のような運動関係の分野に応用されていることが特徴です。
生理学の種類
生理学はさまざまな「生体」が対象であり、更にいくつかの種類に分類されます。おもな生理学の種類は、以下の表のとおりです。
生理学の種類 |
内容 |
人体生理学 |
- 人間の組織や器官の成り立ちを詳しく学ぶ
- 動物生理学から、対象範囲を「人間」に絞ったもの
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動物生理学 |
- 動物の組織や器官の成り立ちを、細胞やリンパ系、内分泌、骨格などにわけて詳しく学ぶ
- 人も動物であるため、動物生理学の対象には人も含まれる
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植物生理学 |
- 植物の代謝や栄養、分化などの流れを実験によって解明す
- 成長過程を分子レベルで詳細に把握する
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昆虫生理学 |
- 動物とは異なる昆虫特有の生態や行動などを学ぶ
- 昆虫独特の生態を研究で解明して、昆虫による農作物被害の減少や環境問題に応用する
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魚類生理学 |
- 水中で生息するための呼吸や循環、排泄などのプロセスを研究によって明らかにする
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生理学を活かせる職業
生理学の対象はさまざまな「生体」であり、この知識はとくに人の体を扱う職業に活かせます。生理学を活かせる職業はいくつかありますが、ここではとくに以下の3つの職業を解説します。
それぞれ詳しく確認しましょう。
理学療法士
理学療法士は、「歩く」「立つ」などの基本的な動作の回復・維持を目指して、リハビリテーションによる治療を提供する職種です。治療内容は、運動療法や物理療法(電気や温熱などの物理刺激による治療)などが中心です。国家資格であるため、養成校で生理学を詳しく学びます。
理学療法士は、おもにケガや病気などで身体機能が低下した方に対して支援をします。一人ひとりに合わせたリハビリテーションをおこなうために、動かせる関節の範囲や各部位の筋力、麻痺のレベル、痛みの程度なども学ぶ必要があります。
作業療法士
作業療法士は作業を通して、基本的な動き以外にも家事や排泄など、日常生活を送るうえで欠かせない動作の回復・維持を目指す職業です。作業療法士も理学療法士同様、国家資格であり、養成校で生理学を詳しく学びます。
基本的には病院やクリニックで、作業療法が必要な患者に対して、リハビリテーションを提供します。
パーソナルトレーナー
パーソナルトレーナーは、運動面や栄養面のトータルを指導する職業です。その人がトレーニングの効果を最大限に発揮できるような運動メニューや食事内容を考え、サポートします。
パーソナルトレーナーは、とくに運動面での指導の際に生理学を学ぶ必要があります。鍛えたい部位や問題を抱えている部位は人それぞれなので、体のしくみや作用を知っておくと、より効果的なトレーニングの実施が可能です。
また、ケガをしない安全なトレーニングのためにも、生理学を学んでおくと予防に役立つでしょう。
生理学のおすすめの勉強法
理学療法士や作業療法士の養成校以外でも、生理学を学ぶ方法はいくつかあります。ここでは生理学のおすすめの勉強法として、以下の3つを紹介します。
- 大学・専門学校に通う
- 本を購入して独学で学ぶ
- トレーナー養成スクールに通う
大学・専門学校に通う
生理学を学びたい場合は、大学や専門学校に通う方法があります。大学や専門学校では、目標とする職業や資格の勉強をするうえで生理学を学びます。
生理学を学ぶおもな職業は、以下のとおりです。
上記の職業に興味がある方は、大学や専門学校への入学を検討してはいかがでしょうか。
本を購入して独学で学ぶ
目指している職業や資格はないものの、生理学に興味があり学んでみたい場合には、本を購入して独学で学ぶ方法があります。まずは、医学書を取扱っている書店を探したり、ネットで本を探したりしてみましょう。
生理学の書籍は初心者向けのものから、大学や専門学校で使用するような参考書まで、幅広く販売されています。どのような本を買ったら良いかわからない場合には、絵や図でわかりやすく説明してあるものを選びましょう。
トレーナー養成スクールに通う
生理学を学びたい理由がパーソナルトレーナーを目指しているから、という場合にはトレーナー養成スクールに通う方法がおすすめです。
トレーナー養成スクールでは、最短でパーソナルトレーナーを目指すことができ、パーソナルトレーナーに必要な知識もまんべんなく学べます。もちろん、授業の中で生理学を学ぶ機会も多くあります。
生理学は独学では理解しにくい分野なので、スクールで授業を受けた方が学びやすいでしょう。そして、初心者向けの指導方針もしっかりしていることから、理解を深めることにもつながります。
まとめ
「生理学」とは体の各部位が生体でどのような役割を持って、働いているのかを明らかにする学問です。対象は人のみでなく、動物や昆虫なども含まれるため、動物生理学や魚類生理学、昆虫生理学などの分野にわかれています。
また、運動生理学やスポーツ生理学は、いずれも対象が「運動時」に限られており、生理学よりも取扱う範囲が限られています。
生理学の知識を活かせるおもな職業は、理学療法士や作業療法士、パーソナルトレーナーなどです。資格取得を目指す場合は大学や専門学校に通う方法もありますが、パーソナルトレーナーを目指す場合には最短で目指せるトレーナー養成スクールがおすすめです。
ご自身に合った方法を見つけて、楽しく生理学を学びましょう。
まずはASPトレーナースクールの無料体験授業を受講してみよう
パーソナルトレーナーを目指すなら、パーソナルトレーナー専門の養成スクールがおすすめです。
「ASPトレーナースクール」では、多くの知識・経験を持つパーソナルトレーナーの講師から必要な知識を学ぶことができ、その中で生理学も学べます。
また、マンツーマン指導でご自身に合った時間を選べたり、オンライン授業にも対応していたりすることから、ご自身のペースで学びやすいスクールです。
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