スポーツジムやフィットネスクラブで働く、スポーツインストラクターをご存じでしょうか。
スポーツインストラクターとは、おもにスポーツジムなどで運動やスポーツの技術を指導する職業です。スポーツトレーナーと似ていますが、インストラクターとトレーナーにはいくつかの違いがあります。
この記事では、スポーツインストラクターの種類や仕事内容、おすすめの資格やスキルのほか、スポーツインストラクターになる方法を解説します。
スポーツインストラクターやトレーナーを目指す方、興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
スポーツインストラクターとは?
スポーツインストラクターは、運動やスポーツの技術面を中心に指導する指導者です。
現代においては老若男女問わずさまざまな年齢層の方がスポーツを楽しんでおり、スポーツインストラクターは対象者の年齢やレベルに合わせた指導をおこなっています。運動やスポーツの技術全般に関わる、ケガ予防や必要なコミュニケーションも仕事内容のひとつです。
スポーツインストラクターはスポーツジムでの指導だけでなく、フィットネスクラブや公共施設で指導する場合もあります。
スポーツトレーナーとの違い
スポーツジムでは、スポーツインストラクターだけでなく、スポーツトレーナーが在籍している場合もあります。この2つの職業はよく似ていますが、実は指導内容などが異なります。
スポーツトレーナーは、スポーツジムでの正しいトレーニング方法の指導や、ケガ予防に努める指導者です。一方、スポーツインストラクターはおもにスタジオでおこなわれるレッスンの指導者です。
スポーツトレーナーはトレーニング方法の指導がメインで、一般的に実演の必要はないのに対して、スポーツインストラクターは対象者の前で実演して指導する必要があります。そのため、スポーツインストラクターは受講者よりも高いスキルが必要です。
スポーツインストラクターの種類
スポーツインストラクターは、運動やスポーツの種類によって呼び方が異なります。
インストラクターの種類を以下の6つにわけて解説します。
- ジムインストラクター
- ヨガインストラクター
- ストレッチインストラクター
- ピラティスインストラクター
- スタジオインストラクター
- ボクシングインストラクター
それぞれ順番に確認していきましょう。
ジムインストラクター
ジムインストラクターは、スポーツジムの利用者の運動サポートをおこなうスタッフです。運動サポートのほかにも受付や清掃、トレーニング機器の点検、事務業務、トレーニングメニュー作成など、さまざまな業務をこなします。
ジムによっては、スタジオレッスンの講師をおこなう場合もあります。
ヨガインストラクター
ヨガはさまざまな動きやポーズ、呼吸を通して血液や酸素を脳に多く送り、心身の安らぎを得るエクササイズです。ヨガインストラクターは、動きやポーズ、呼吸など、ヨガの正しい方法を指導します。
ヨガは初心者向けの負荷が少ないものから、上級者向けの負荷が大きいものまで、多くの種類があります。ヨガスクールやヨガスタジオなどで対象者のレベルに合わせたレッスンをおこなう必要があるため、幅広い知識と技術が必要です。
ストレッチインストラクター
ストレッチは柔軟性トレーニングとも呼ばれ、身体の柔軟性を高めることを目的とした運動です。疲労回復やケガの予防・回復などが期待できます。
ストレッチインストラクターは、目的に合った正しいストレッチ法を指導します。また、最近では、スポーツジムでスタジオレッスンをおこなう機会や、公共施設で介護予防ストレッチを指導する機会も増えているようです。ストレッチの目的はさまざまであるため、受講者のニーズも幅広く、多くの場で活躍できる職業です。
ピラティスインストラクター
ピラティスとは、もともとリハビリテーションのために開発されたエクササイズです。
筋力、柔軟性、身体のバランスを高めることに重点を置き、呼吸と動きの調和を通じてコアの強化を目指します。近年は健康維持の手段として広く普及し、ストレス解消や美容目的での利用も増えています。
ピラティスインストラクターは受講者のレベルにあわせて、正しい呼吸法や動き方を指導します。活躍の場には、ピラティススタジオやフィットネスジムなどがあります。
スタジオインストラクター
スタジオインストラクターは、スポーツジムやフィットネスクラブでスタジオレッスンを中心におこなうインストラクターです。受講者が安全に、そして正しくスタジオレッスンを受講できるように指導・サポートします。
スタジオレッスンの計画や準備、実施、改善など、レッスンに関わるさまざまな内容を担当します。
ボクシングインストラクター
ボクシングインストラクターは、ボクシング競技の指導をおこないます。
ボクシングはアマチュアからプロまで指導レベルの幅が広く、受講者のレベルに合わせた指導が求められます。最近では女性を中心に、「ボクササイズ」と呼ばれる、ボクシングの動作を取り入れたフィットネスが注目されています。
スポーツインストラクターの給料
活躍の場が多いスポーツインストラクターですが、働くうえでは給料も気になるところです。
スポーツインストラクターの年収は、平均383.8万円(月収約32万円)※です。これは全国平均の年収であるため、地域によって差が生じる場合もあります。
また、スポーツインストラクターが年収を上げるためには知識と技術の向上が必要です。インストラクターとして就職した後も、自己研鑽に努めることが年収アップのポイントになるでしょう。
※出典:厚生労働省「job tag(職業情報提供サイト)内 スポーツインストラクター」
スポーツインストラクターになるには
活躍の場が多いスポーツインストラクターですが、実際にインストラクターになるにはどのような方法があるのでしょうか。
この項目ではスポーツインストラクターになる方法として、以下の2つを解説します。
- スポーツジムやフィットネスクラブで働く
- 専門学校や大学で学ぶ
スポーツジムやフィットネスクラブで働く
スポーツインストラクターは入職にあたって、学歴や資格の有無が関係ないとされています。そのため、スポーツジムやフィットネスクラブに就職して、そのスポーツの指導方法を学ぶことも選択肢のひとつです。
しかし、専門的な技術や知識を得ておきたい場合には、専門学校などで学んでから就職する方法もあります。
また、最近は健康管理のためにフィットネスをおこなう公共施設もあるため、公共施設のスポーツインストラクターとして働くこともできるでしょう。公共施設で働く場合は、さまざまな年齢層や性別の方を対象としたプログラムを実施することから、幅広い知識やスキルが身につきます。
専門学校や大学で学ぶ
まずはスポーツジムやフィットネスクラブで働き、働きながら知識やスキルを身につける方法もあります。しかし、必要な知識を持った上で働きたい方は、専門学校や大学で学ぶ方法がおすすめです。実践では学びにくい身体の構造などを学べます。
最近では、スポーツインストラクターを目指す方に向けた学科もあるため、そのような学科で学ぶのも良いでしょう。
また、専門学校などで学ばずに就職する場合でも、いくつかの民間資格を取得しておくと、ご自身の知識やスキルの証明につながります。
スポーツインストラクターに必要な資格・スキル
先述の通り、スポーツインストラクターを目指す場合、いくつかの民間資格を取得するとご自身のスキルの証明になります。
スポーツインストラクターを目指す場合には、以下で紹介する資格・スキルを所有していると、即戦力として活躍しやすく、就職活動でも有利になるでしょう。
- NSCA-CPT
- NSCA-CSCS
- 日本スポーツ協会公認スポーツ指導者
- JATI-ATI
- 健康運動指導士
- 健康運動実践指導者
NSCA-CPT
NSCA-CPTを持っていると、トレーニングを必要とする方に対して個人の体力・能力の評価をおこなったり、トレーニング指導を実施したりする能力の証明になります。
トレーニングの知識以外にも医学や運動生理学の専門知識と、トレーニングの指導技術を学べるため、パーソナルトレーナーや理学療法士、スポーツインストラクターが取得することの多い資格です。
NSCA-CSCS
NSCA-CSCSは、アスリートに対してスポーツのパフォーマンス向上やケガ予防を目的としたトレーニングプログラムの計画や実施ができる証明になる資格です。
対象者がスポーツ選手やスポーツチームであることから、NSCA-CPTよりもより実践に近い知識を持っています。
チーム運営も学ぶため、将来的にスポーツチームの運営やスポーツ選手の指導に関わりたい方は、取得しておくと良いでしょう。
日本スポーツ協会公認スポーツ指導者
日本スポーツ協会公認スポーツ指導者は、スポーツ指導者としての適切な資質の保持を証明できる資格です。選手を中心として、安心で安全な競技の実施ができるように指導できる指導者を養成しています。
公認スポーツ指導者には多くの種類があり、競技別指導者資格やフィットネス資格、マネジメント指導者資格などがあります。ご自身が目指す将来像に合わせて、指導者の道を進むのであれば、取得しても良いでしょう。
JATI-ATI
JATI-ATIは、スポーツ選手や一般人を対象としたトレーニング指導者としての基礎知識を証明できる資格です。一般的な指導者であれば、JATI-ATIを取得すると良いですが、スキルアップを目指す方には、2つの上級資格もあります。
上級トレーニング指導者のJATI-AATIは、指導の専門家として根拠に基づいた運動プログラムを立案できます。
さらに上級の特別上級トレーニング指導者のJATI-SATIは、上級トレーニング指導者以上の知識とスキルを持ち、長年の経験がある指導者が取得できます。フィットネスクラブのスタッフの指導者や、専門学校や大学の講師が取得する、レベルの高い資格です。
健康運動指導士
健康運動指導士は、一人ひとりの状態に合った安全で効果的な運動プログラムの計画や実施、調整ができる資格です。多くの健康運動指導士が、フィットネスクラブやスポーツジムで活躍しています。
近年では、生活習慣病の予防の観点からも注目されている資格のひとつです。
健康運動実践指導者
健康運動実践指導者は、医学的な基礎知識を持ち、一人ひとりの状態に合った運動プログラムに基づいて、実際に指導できる資格です。実際に運動を実施しながら指導できるため、フィットネスクラブやスポーツジムだけでなく、教育関連施設や保健施設、高齢者施設など活躍の場は多くあります。
「プログラムを計画して実践する」スキルは、スポーツインストラクターにも通じるものがあるため、スポーツインストラクターを目指す方におすすめの資格です。
まとめ
この記事では、スポーツインストラクターの仕事内容や種類、収入、スポーツインストラクターになる方法のほか、おすすめの資格やスキルについて解説しました。
スポーツインストラクターはスポーツジムやフィットネスクラブにおいて、運動やスポーツの指導・サポートをおこないます。スポーツトレーナーと混同される場合がありますが、スポーツインストラクターは指導や助言がおもな仕事内容である一方、スポーツトレーナーは実演しながら指導するのがおもな仕事内容です。
また、スポーツインストラクターには多くの種類があります。ヨガやピラティス、ボクシング、ストレッチなどの領域でそれぞれインストラクターが存在します。スポーツインストラクターを目指す場合には、いくつかの民間資格を取得すると、ご自身のスキルの証明になるのでおすすめです。
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