健康に対する意識の変化により、スポーツトレーナーの需要は増しています。一方で、地域によってスポーツトレーナーの平均年収は異なるため、目指している方は地域や年齢別の平均年収を知っておくと良いでしょう。
スポーツトレーナーの年収を上げる方法や、年収アップにつながる可能性がある資格なども知っておくと、将来に役立つ場合があるため、一緒に確認しておきましょう。
この記事ではスポーツトレーナーの平均年収や年収を上げる方法、年収を上げるために取得しておきたい資格などを解説します。スポーツトレーナーを目指している方は、参考にしてください。
スポーツトレーナーの平均年収
スポーツトレーナーとは、健康な身体作りやスポーツでのパフォーマンス向上など、さまざまな目的を持った方に対して、運動やスポーツの実技を中心に指導をおこなう仕事です。
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagのデータによれば、全国平均年収は383.8万円となっています※1。
ただし、地方や年代によってスポーツトレーナーの平均年収は変化するため、あくまで全国平均として覚えておきましょう。
以下で、地方別、年代別の平均年収を解説します。
※1 出典:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))「スポーツインストラクター」
スポーツトレーナーの地方別の平均年収
スポーツトレーナーの平均年収を地方別にまとめると、次の表のとおりになります※2。
地方 |
平均年収 |
北海道 |
約363.6万円 |
東北地方 |
約317.5万円 |
関東地方 |
約391.9万円 |
中部地方 |
約384.1万円 |
近畿地方 |
約394.2万円 |
中国地方 |
約370.5万円 |
四国地方 |
約331.7万円 |
九州地方 |
約343.6万円 |
スポーツトレーナーの平均年収が一番高い地方は近畿地方で、一番低い地方は東北地方になります。近畿地方と関東地方、中部地方は平均年収が400万円を超える都道府県が多く、もっとも高い都道府県は福井県の499.9万円です。
一方で、東北地方や四国地方、九州地方は全国平均である383.8万円に届かない都道府県が大半を占めており、もっとも低い都道府県は福島県の299万円になります。
実際の年収は勤めているフィットネスクラブやクライアントの人数などで異なりますが、人口の多い地方ほど平均年収が高い傾向があると予測されます。
※2 出典:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))「スポーツインストラクター」
スポーツトレーナーの年代別の平均年収
次の表は、スポーツトレーナーの年代別の平均年収をまとめたものです※3。
年代 |
平均年収 |
~19歳 |
191.96万円 |
20歳~24歳 |
295.71万円 |
25歳~29歳 |
337.33万円 |
30歳~34歳 |
387.63万円 |
35歳~39歳 |
423.71万円 |
40歳~44歳 |
426.91万円 |
45歳~49歳 |
447.25万円 |
50歳~54歳 |
449.17万円 |
55歳~59歳 |
409.94万円 |
60歳~64歳 |
377.31万円 |
65歳~69歳 |
380.35万円 |
70歳~ |
251.78万円 |
スポーツトレーナーの平均年収は、20代から30代にかけて上昇傾向で、40代以降はピークを維持する傾向があります。
実際の年収は勤めているフィットネスクラブやクライアントの人数などで異なりますが、40代~50代でピークを迎える傾向があると覚えておきましょう。
※3 出典:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))「スポーツインストラクター」
スポーツトレーナーが年収を上げる方法
スポーツトレーナーが年収を上げるためには技術や知識を磨くことが大前提ではありますが、次のような方法もあります。
- 資格を取得する
- プロの選手や実業団チームと契約を結ぶ
- スポーツジムを経営する
- フリーランスのスポーツトレーナーになる
上記の方法を順番に解説します。
資格を取得する
スポーツトレーナーになるために資格は必須ではありませんが、次のような資格を取得することで年収があがる可能性があります。
- 公認アスレティックトレーナー
- 認定アスレティックトレーナー
- NSCA-CPT
フィットネスクラブによっては資格取得者のみを採用するケースや、所持資格によって手当が支給されるなどのケースがあります。
また、資格取得を通じて学んだ知識は、スポーツトレーナーとしてのスキルを伸ばすことにつながるため、評価を上げるきっかけになる可能性は高いです。
資格はスポーツトレーナーとしての実力を高めることができ、ご自身の能力を証明できるため、取得の検討をおすすめします。
プロの選手や実業団チームと契約を結ぶ
スポーツトレーナーとしての働き方はいくつかあり、フィットネスクラブに勤める以外では、プロの選手や実業団チームと契約を結ぶ働き方があります。
プロの選手や実業団チームと契約を結べれば年収アップが期待でき、大きな達成感や知名度の獲得などが可能です。しかし、アスリートが結果を出せなければ解任もありえるため、常に向上心を身につけましょう。
スポーツジムを経営する
スポーツトレーナーとしてフィットネスクラブやスポーツジムに雇われるのではなく、経営者として開業するという働き方もあります。
開業当初は初期費用や広告代などの出費がかさむため、すぐに年収が上がるとは限りません。しかし、規模や営業内容にもよりますが、スポーツトレーナーとして雇われているときよりも年収が増加する可能性はあります。
フリーランスのスポーツトレーナーになる
スポーツトレーナーの働き方は幾つかあり、独立して業務委託型、派遣型のスポーツトレーナーとして働く方法もあります。
スポーツトレーナーのフリーランスは珍しくありません。厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagのデータによれば、スポーツトレーナーで自営・フリーランスの就業形態の方は全体の59.7%を占めています※4。
ビジネスモデルにもよりますが、フリーランスになってある程度の顧客数を獲得できれば年収が上がる可能性はあります。
※4 出典:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))「スポーツインストラクター」
スポーツトレーナーが年収を上げるために資格は必須?
スポーツトレーナーに資格は必須ではありませんが、資格があると年収が上げるきかっけにはなります。
たとえば、資格を保有していると、待遇や給料が良いジムに就職できたり、クライアントから信頼されるポイントになったりします。また、資格取得のために勉強した内容を指導に反映でき、より高度なトレーニングが可能となるため、ご自身のスキルを上げることにもつながります。
年収を上げるには技術や知識を磨くのが大前提であるため、その目標として資格取得を目指すことがおすすめです。
スポーツトレーナーが年収を上げるために取得しておきたい資格
スポーツトレーナーが年収を上げるために取得しておきたい資格は以下のとおりです。
|
資格の種類 |
国家資格 |
理学療法士
柔道整復師 |
民間資格 |
NSCA-CPT
NESTA-PFT |
上記の資格について順番に解説します。
国家資格①理学療法士
理学療法士とは、運動療法や物理療法などを用いて、自立した日常生活が送れるように支援する医学的リハビリテーションの専門職です。
資格条件 |
養成校で3年以上学び、必要な知識と技術を身につける |
合格率 |
87.4%(2023年度) |
取得までの費用 |
学校にもよるが200万円~400万円以上 |
理学療法士の資格を取得するためには、4年生大学や短期大学、専門学校などの養成校で3年以上学ぶ必要があります。2023年度の合格率は87.4%となっており、しっかり勉強すれば合格する可能性は高いといえます。
しかし、養成校で3年以上学ぶ必要があるため、資格取得までにある程度の時間がかかり、入学金や授業料として200万円~400万円以上かかります。
医療系国家資格のひとつで、スポーツトレーナーになるために必要な資格ではありませんが、持っていると信頼されやすくなるため、年収を上げたい方は取得を検討してみましょう。
国家資格②柔道整復師
柔道整復師とは、骨折や脱臼、打撲、捻挫などのケガを治療できる国家資格です。
資格条件 |
学校・養成施設に入学し、卒業に必要な単位数を履修して卒業、あるいは卒業見込みを得る |
合格率 |
49.6%(2023年度) |
取得までの費用 |
学校にもよるが200万円~400万円以上 |
柔道整復師の資格を取得するためには、柔道整復師を目指せる学校・養成施設に入学し、卒業に必要な単位数を履修して卒業、あるいは卒業見込みを得る必要があります。
理学療法士と同様に、取得するまでにある程度の時間がかかり、学校によって入学金や授業料などで200万円~400万円以上かかります。
医療系国家資格のためスポーツトレーナーが取得していると年収アップの可能性はありますが、難易度が高く、時間やお金がかかると覚えておきましょう。
民間資格①NSCA-CPT
NSCA-CPTとは、さまざまな年齢や性別の方を対象に、トレーニング指導をおこなう知識が身についているという証明ができる資格です。
資格条件 |
- 高校を卒業している、あるいは高卒認定試験に合格している
- 18歳以上
- NSCAジャパンの正会員か学生会員
- 有効なCPR/AEDの認定者※5
|
合格率 |
82.3%(2022年度) |
取得までの費用 |
独学なら約8万円~約9万円 |
NSCA-CPTは高校を卒業している、あるいは高卒認定試験に合格している18歳以上で、NSCAジャパンに年会費を支払い、有効なCPR/AEDの認定者なら試験に合格すれば取得できる資格です。
2022年度の合格率は82.3%となっており、しっかりと勉強すれば独学でも合格できる可能性はあります。
資格取得までの費用は、受験費用やNSCAジャパンの年会費、CPR/AEDの講習会などを合計すると約6万円~約7万円で、テキストと過去問を加えると独学なら約8万円~約9万円です。独学で合格する自信がない方は、NSCA-CPT取得を目指せるカリキュラムがあるトレーナー育成スクールで受講することもおすすめです。
※5 資格認定に有効なCPR/AEDの認定には条件があります。
民間資格②NESTA-PFT
NESTA-PFTとは、健康やフィットネス、ウエルネスの改善をサポートする総合的な知識や技術を習得しているという証明ができる資格です。
資格条件 |
必須要件 |
- NESTA JAPANからPFTテキストを購入済み
- CPR・AEDの技能を習得・保持している
- 日本国籍または、日本での就労可能な在留資格を有する
- 満18歳以上で、高等学校卒業以上の者、高等学校卒業程度認定資格試験合格者、またはNESTAが認定する教育カリキュラム修了者
|
該当要件 |
次のいずれかをひとつを満たす
- 1年以上のパーソナルトレーナー・インストラクターなどの実務経験がある
- 1年以上の運動部指導、フィットネス企業勤務経験がある
- 体育系または、医療系の大学・専門学校を卒業している
NESTAの認定する養成講座、養成コース(認定校・認定アカデミー含む)を受講済みである
|
合格率 |
不明 |
取得までの費用 |
独学なら約8万円~約21万円 |
NESTA-PFTを取得するためには、必須要件を満たしたうえで該当要件のいずれかひとつを満たす必要があります。実務経験がなく、体育系や医療系の学校を卒業していない方は、NESTAの認定する養成講座、養成コースを受講することで、受験資格を得ることができます。
公式の合格率はHPに記載がないため不明です。また、資格取得までの費用は、独学なら教材費込みで約8万円~約21万円です。
スポーツトレーナーの指導に関する専門的な知識やスキルの習得だけでなく、マーケティングスキルも求められる資格のため、ジムの開設やフリーランスとして働くことなどを考えている方におすすめの資格になります。
まとめ
スポーツトレーナーの平均年収は383.8万円で、年齢が高くなるにつれて上昇する傾向があります。
年収をあげたい方は、技術や知識を磨くことが大前提ではありますが、次のような方法を試しましょう。
- 資格を取得する
- プロの選手や実業団チームと契約を結ぶ
- スポーツジムを作る
- フリーランスのスポーツトレーナーになる
とくに、資格は取得するまでの過程で技術や知識を磨くことにつながり、取得後はスポーツトレーナーとしての評価を高められるなど、さまざまなメリットがあります。そのため、スポーツトレーナーとして年収を上げるなら、まずは資格取得がおすすめです。
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