さまざまな認定団体からフィットネスに関する資格が発行されていますが、仕事をする際に必要なのか疑問に思うかもしれません。
フィットネスに関する資格を取得すると知識や技術を身につけた証明となり、仕事で役立つ可能性があります。そのため、フィットネスの現場で働きたい方は資格の取得を検討すると良いでしょう。
この記事では、おすすめのフィットネスの資格を紹介します。フィットネスの資格に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
フィットネスの仕事をするために資格は必要?
フィットネスの仕事はフィットネスクラブやスポーツジムに就職する、フリーランスのインストラクターやトレーナーとして働くなど、さまざまな働き方があります。これらの仕事に就く場合、資格が必要なのか気になる方は多いでしょう。
結論、フィットネスの仕事をするために必須の資格はありません。そのため、無資格や未経験でも就職したり、フリーランスのトレーナーとして働いたりすることは可能です。
しかし、資格を持っていないとフィットネスクラブに採用されない、フリーランスで活動してもクライアントがつかない、指名をもらえないなどのケースもあります。
フィットネスに関連した資格を取得することで知識や技術が身についている証明となり、トレーナーとして働ける可能性が増えます。また、身につけた知識や技術によってクライアントの満足度がアップすれば、収入アップにつながるかもしれません。
トレーナーとして働くために資格は必須ではありませんが、持っていると役に立つため、フィットネス業界で活躍したい方は取得を検討すると良いしょう。
フィットネスの仕事で役立つ!おすすめの資格10選
フィットネスに関する資格には多様な種類があるため、まずはどの資格を取得するか検討しましょう。フィットネスの仕事におすすめの資格は、以下のとおりです。
- NSCA-CPT
- NESTA-PFT
- 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
- フィットネスクラブ・マネジメント技能検定
- スポーツインストラクター
- 健康運動指導士
- グループエクササイズフィットネスインストラクター(GFI)
- ジュニアスポーツ指導員
- JATI認定トレーニング指導者資格(JATI-ATI )
- スポーツプログラマー
それぞれを順番に解説します。
NSCA-CPT
NSCA-CPTとは、全米エクササイズ&コンディショニング協会(NSCA)が認定しているパーソナルトレーナー向けの資格です※1。
取得要件 |
- 高校を卒業している、あるいは高卒認定試験に合格している
- 18歳以上
- NSCAジャパンの正会員か学生会員
- 有効なCPR/AEDの認定者※2
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合格率 |
82.3%(2022年度) |
取得までのおもな費用 |
独学なら約8万円~約9万円 |
パーソナルトレーナーとはお客さまの目的や希望している身体にあわせて、トレーニングや食事をマンツーマンで指導する仕事です。
NSCA-CPTを取得する過程で、お客さまのモチベーションを保つためのコミュニケーション能力を磨くことができ、幅広い知識が身につけられます。
アスリートだけでなく、年齢や性別、経験を問わず幅広い層に対して指導できる知識や技術を身につけたい方におすすめの資格です。
※1出典:全米エクササイズ&コンディショニング協会(NSCA)「NSCA認定資格とは」
※2資格認定に有効なCPR/AEDの認定には条件があります。
NESTA-PFT
NESTA-PFTとは、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)が認定しているパーソナルトレーナー向けの資格です※3。
取得要件 |
必須要件
(全部満たす必要がある) |
- NESTA JAPANからPFTテキストを購入済み
- CPR・AEDの技能を習得・保持している
- 日本国籍または、日本での就労可能な在留資格を有する
- 満18歳以上で、高等学校卒業以上の者、高等学校卒業程度認定資格試験合格者、またはNESTAが認定する教育カリキュラム修了者
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該当要件
(ひとつ以上に該当する) |
- 1年以上のパーソナルトレーナー・インストラクターなどの実務経験がある
- 1年以上の運動部指導、フィットネス企業勤務経験がある
- 体育系または、医療系の大学・専門学校を卒業している
- NESTAの認定する養成講座、養成コース(認定校・認定アカデミー含む)を受講済みである
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合格率 |
50%~60% |
取得までのおもな費用 |
独学なら約8万円~約21万円 |
NESTAは、パーソナルトレーナーには人体に関する幅広い知識やトレーニング全般に関する偏りのない知識だけでなく、さまざまなクライアントとのコミュニケーション能力や、顧客を得るためのビジネススキルが必要だという考えを示しています。
そのため、資格取得の過程でトレーニングに役立つ知識だけでなく、パーソナルトレーナーとして独立や開業したときに役立つスキルを学ぶことができる資格です。独立や開業を考えている方におすすめだといえます。
※3出典:全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)「NESTA PFT認定」
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
日本スポーツ協会(JSPO)が認定している資格で、JSPO-ATと略称される場合があります※4。
取得要件 |
次のいずれかをひとつを満たす
- 日本スポーツ協会の養成講習会を受講する
- 免除適応コースの承認校でカリキュラムを履修する
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合格率 |
26%(2023年度の養成講習会参加者) |
取得までのおもな費用 |
養成講習会なら約8万円 |
アスレティックトレーナーとは、スポーツ選手やアスリートの健康管理や怪我の予防、リハビリテーションなどのケアをおこなう専門家です。
スポーツ科学、運動生理学、リハビリテーション、栄養学などの専門的な知識を身につける必要があり、資格を取得すればトレーナーとしてのスキルアップにつながります。
養成講習会を受講するには、受講年の4月1日に満20歳以上、JSPO・JSPO加盟団体などから推薦され受講者選考基準を満たすなど、複数の受講資格があります。受講資格を満たしているか、詳細については公式サイトで確認しましょう。
検定・検査については、カリキュラムの共通科目で知識確認テスト・事後学習の課題提出、専門科目では講習会修了後に規定の資格を有することで検定試験の受験が可能となります。
※4出典:日本スポーツ協会(JSPO)「アスレティックトレーナー」
フィットネスクラブ・マネジメント技能検定
日本フィットネス産業協会(FIA)が認定する、フィットネスクラブをマネジメントするための資格です※5。
取得要件 |
級ごとの受験資格を満たしており、試験で合格基準を満たす
- 3級:事業所において実務経験を有する、あるいは業務に従事する予定の方
- 2級:一定の実務経験を有する方
- 1級:一定の実務経験、あるいは2級を取得している方
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合格率 |
2020年度までの累計数
3級:52%
2級:45%
1級:14% |
取得までのおもな費用 |
3級受験手数料:11,600円
2級受験手数料:16,000円
1級受験手数料:31,900円 |
フィットネスクラブ・マネジメント技能検定は、フィットネスにおいて唯一の国家資格として制定されています。フィットネスクラブやトレーナーとしての実務に直結した資格で、現場で役立つマネジメント力を磨くことが可能です。
級ごとに学科の内容が異なり、トレーナーとして働くならまずは3級の取得から目指すこととなります。将来的にフィットネスクラブのマネージャーや店長、支配人として働きたいなら、3級取得後に2級や1級の取得を目指して勉強しましょう。
※5出典:日本フィットネス産業協会(FIA)公式サイト
スポーツインストラクター
日本スポーツクラブ協会が認定しており、運動指導者としての専門知識を持って指導するための資格です※6。
取得要件 |
協会が開催する講習会に出席し、開催後のレポート課題を提出して合格する |
合格率 |
不明 |
取得までのおもな費用 |
受講料+資料代+資格取得費用
一般の方:42,000円
会員の方:39,000円
高齢者体力テスト指導士取得者:41,000円
受講のみ:30,000円 |
2日間の講習を受け、レポート課題を提出して合格すれば取得可能な資格です。
スポーツインストラクターの資格を活かせる場は、地域のスポーツクラブやフィットネスジムなどです。お客さまに身体の動かし方や目指している身体作りが達成できるように、エクササイズや筋力トレーニングの方法を提案できる知識を身につけられます。
※6出典:公益財団法人 日本スポーツクラブ協会「スポーツインストラクター」
健康運動指導士
健康運動指導士は、健康・体力づくり事業財団が認定する運動プログラムの作成のための知識や技術を身につけた方の資格です※7。
取得要件 |
健康運動指導士養成講習会で受験申込みコースの全過程を終了された方、あるいは終了する見込みがある方が、認定試験に合格する |
合格率 |
66.8%(第155回健康運動指導士認定試験) |
取得までのおもな費用 |
受講料(教材込み):約13万円~約28万円
受験料:13,619円(税込) |
健康管理や生活習慣病、運動生理学、救急処置などの科目が多岐にわたっており、取得の過程で専門的な知識を身につけられる資格です。
資格を取得した方はトレーナーとして働くだけでなく、医療関係や介護、保健所、学校など、さまざまな場所で活躍しています。
健康運動指導士養成講習会は、所有する資格によって受講できるコースや提出書類が異なります。詳細を公式サイトでご確認の上、ご自身がいずれにあてはまるのか確認しましょう。
※7 出典:健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士 健康運動実践指導者」
グループエクササイズフィットネスインストラクター(GFI)
日本フィットネス協会(JAFA)は、「心肺系持久力」「筋力・持久力」「柔軟性」に関する、次のような6種目の資格を設けています※8。
項目 |
概要 |
ストレッチングエクササイズ |
ヨガやピラティスなどに関心のある方向けの資格 |
レジスタンスエクササイズ |
機能改善やコンディショニング、ロコモ予防などを指導したい方向けの資格 |
エアロビックダンスエクササイズ |
音楽を使ったダンスエクササイズを指導したい方向けの資格 |
ウォーキングエクササイズ |
エクササイズとしてのウォーキングに関心がある方向けの資格 |
アクアウォーキングエクササイズ |
水中ウォーキングやレジスタンス運動をしたい方向けの資格 |
アクアダンスエクササイズ |
水中での音楽を使ったダンスエクササイズを指導したい方向けの資格 |
グループエクササイズフィットネスインストラクターとは、上記のようなフィットネス指導に特化した6種類の資格の総称で、安全で楽しく、効果的な指導スキルや知識を身につけられます。
資格には中級と上級があり、養成校で学ぶか、協会がおこなっているテスト対策の講習会やeラーニングで勉強してから受けることができます。
他の資格に比べて、指導方法に特化した内容となっていますが、興味がある指導方法を学びたい方は内容をチェックしましょう。
※8出典:公益社団法人日本フィットネス協会(JAFA)「グループエクササイズフィットネスインストラクター(GFI)」
ジュニアスポーツ指導員
ジュニアスポーツ指導員とは、日本スポーツ協会(JSPO)が認定しており、子どもたちが豊かなスポーツライフを継続する基礎を作れるように指導する資格です※9。
取得要件 |
受講する年の4月1日時点で満18歳以上の方でカリキュラムを終了する |
合格率 |
約90% |
取得までのおもな費用 |
共通科目Ⅰ受講料:15,400円(税込)、リファレンスブック代(電子版):2,640円(税込)
専門科目受講料:19,800円(税込)、テキスト代(紙版):2,200円(税込)、テキスト代(電子版):1,760円(税込)
試験:3,300円(税込) |
ジュニアスポーツ指導員は、おもに子どもや若者にスポーツ活動を指導するために必要な知識や技術を身につけられる資格です。
大人と違って子どもは身体ができ上がっていないため、適切なトレーニングメニューを考える必要があります。また、健全な心身の発達を促すためにも、スポーツの楽しさやコミュニケーションを取るようにサポートすることも重要です。
ジュニアスポーツ指導員は子どもや若者を相手にトレーニング指導やサポートをする方に適しています。
※9出典:日本スポーツ協会(JSPO)「ジュニアスポーツ指導員」
JATI認定トレーニング指導者資格(JATI-ATI)
JATI認定トレーニング指導者資格(JATI-ATI)とは、日本トレーニング指導者協会(JATI)が認定する、日本人に適した指導に特化したパーソナルトレーナーの資格です※10。
取得要件 |
トレーニング指導者養成講習会を受講して一般認定試験を受験する
あるいは、トレーニング指導者養成校や養成機関で所定の教育を受け、養成校・養成機関対象認定試験を受験する |
合格率 |
80%(2023年度第1回一般対象 トレーニング指導者認定試験 全国共通会場) |
取得までのおもな費用 |
講習会:126,500円(税込)
一般認定試験:33,000円(税込) |
資格取得の過程で日本の環境や実情に合ったトレーニング法や指導法、システムなどを学ぶことができます。
資格を取得する方法はいくつかあり、トレーナーとしての経験や知識がない方でも、養成講習会を受講し、ワークノートを提出すれば一般対象認定試験の受験資格を得られます。
日本トレーニング指導者協会が認定する資格の中では初級にあたるため、スキルアップやより専門的な知識を身につけたい方は、上位の資格取得も検討しましょう。
※10出典:日本トレーニング指導者協会(JATI)公式サイト
スポーツプログラマー
日本スポーツ協会(JSPO)が認定する、フィットネスの維持や向上のための指導、助言をおこなうための資格です。
取得要件 |
受講する年の4月1日時点で満20歳以上の方でカリキュラムを終了して、試験に合格する |
合格率 |
不明 |
取得までのおもな費用 |
講習会:62,900円(税込)
検定料:8,300円(税込) |
共通科目135時間、専門科目44時間、合計179時間のカリキュラムを終了し、試験に合格すると資格を取得できます。共通科目は自宅学習とWEB講習で進めますが、専門科目は講義と実技による集合講習のため、スケジュール調整が必要です。
資格取得の過程で、フィットネスの維持や向上についての専門的な知識と技能を身につけられます。
※11出典:日本スポーツ協会(JSPO)「スポーツプログラマー」
フィットネスの資格を取得する方法
フィットネスの資格を取得する方法は以下のとおりです。
それぞれを順番に解説します。
独学
フィットネスの資格によっては、専門学校や大学、トレーナー育成スクールなどに通わず、一人で勉強して合格できる場合もあります。
今回紹介した資格のなかには、講座の受講や認定校での勉強が取得要件に含まれていないものもあるため、独学での取得が可能です。
独学なら入学金や授業料などの費用がかからないため、予算をおさえることができ、ご自身のペースで進められます。
ただし、知識を体系的に覚えられず、技術はなかなか身につきづらいでしょう。
専門学校・大学
スポーツ学科のある専門学校や大学に通うことで、資格取得に必要な知識や技術を身につけられます。
学科によっては資格取得のカリキュラムがあり、卒業までに取得できる場合もあるため、資格取得を考えている方は、このようなカリキュラムがある学校を選ぶと良いでしょう。
知識や技術を磨くことができる方法ですが、入学金や授業料が発生し、卒業までにある程度の時間がかかります。仕事や家事などで忙しい方は、別の方法を検討するのも手段のひとつです。
トレーナー育成スクール
トレーナー育成スクールとは、フィットネスジムやパーソナルジムで働くトレーナーを育成する学校です。
スクールによって異なりますが、マンツーマンレッスンで学べるスクールや、社会人でも受けやすい時間帯のコースが設けられたスクールもあります。
資格取得のカリキュラムや、トレーナーとして働く際のサポートをおこなっている場合もあるため、これからトレーナーになろうとしている方や、トレーナーとして働いており技術を磨きたい方におすすめの方法です。
ただし、こちらも専門学校・大学と同様、一定額の授業料などがかかる点には注意が必要です。
まとめ
さまざまな認定団体から関連する資格が発行されていますが、フィットネスの仕事をするために資格は必須ではありません。
しかし、資格取得の過程で専門的な技術や知識を身につけられるため、トレーナーとして働きたい方やスキルアップを目指している方は資格取得を検討すると良いでしょう。
なお、独学での資格取得は難しいケースもあるため、その場合には資格取得のカリキュラムがある専門学校や大学、トレーナー育成スクールに通うことがおすすめです。
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ASPトレーナースクールではNSCA-CPTやCSCS、NESTA-PFTなどのパーソナルトレーナーに関する資格取得を目指せるカリキュラムがあります。
社会人でも通えるコースがあり、マンツーマンレッスンで資格取得までをサポートするため、トレーナーとして経験や知識がない方でも安心です。
フィットネスに関連した資格を取得したい方や、トレーナーとしての知識と技術を磨きたい方は、まずはASPトレーナースクールの無料体験授業を受講しましょう。