みなさんこんにちは!
ASPトレーナースクールの小林です!
本日は整形外科的疾患や傷害を有するクライアントについて、
特に覚えておきたい肩関節の2つの障害「インピンジメント症候群」「前方不安定症」について学んでいきましょう。
肩インピンジメント症候群である水泳選手のクライアントが、理学療法士から許可を得て水泳の練習をしたい。一番最初に泳ぐ時に推奨される泳ぎ方は次のうちどれか
a.背泳ぎ
b.クロール
c.平泳ぎ
インピンジメント症候群とは、肩関節外転時に、痛みや引っかかりを感じ、それ以上に挙上ができなくなる症状の総称です。
インピンジメント症候群の原因の一つとして「棘上筋の損傷」が一因となる場合があります。
棘上筋は、肩関節の安定性を保つ働きを果たしている筋群「ローテーターカフ(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)」の一つです。
アウターマッスルである三角筋とインナーマッスルである棘上筋のバランスが崩れたり、悪い姿勢、不適切なエクササイズが原因となります。
【棘上筋】
上腕を外転する過程により、烏口肩峰アーチ下で
・棘上筋腱
・上腕二頭筋腱
・関節包
上記のどれかが、挟みこまれてしまい痛みや炎症を伴います。
よって、インピンジメント症候群の禁忌動作は
・頭上での肩の内旋や痛みを伴う動作
・負荷のかかる頭上動作(外転→挙上動作)
背泳ぎとクロールは肩関節外転→挙上動作が伴いますので、正解は平泳ぎ(水平内転、水平外転)となります!
肩の前方不安定症のクライアントに禁忌となるエクササイズはどれか
a.ベンチプレス
b.トライセプスエクステンション
c.ベントオーバーロー
答え:a.ベンチプレス
肩(肩甲上腕関節)の前方不安定性がある場合は、通常以上に上腕骨頭が前方へと移動し、損傷や脱臼のリスクがあります。
肩の前方不安定症の原因は外傷由来の不安定症と非外傷由来の不安定症 に分かれます。
外傷由来
スポーツの接触や転倒や転落により肩関節の脱臼や亜脱臼により不安性を引き起こす
非外傷由来
関節包や靭帯などの軟部組織が先天的または後天的に緩(弛緩)んでいる状態
脱臼する際に、関節を支えている部分(関節唇、靱帯、関節包など)が損傷されてしまうため、一度脱臼を起こすと肩関節が不安定な状態となり、脱臼を繰り返すことになってしまいます。
肩を横に挙げて外に捻る動作(外転・外旋)で肩の前方に恐怖感が出てしまう、また、スポーツ時に外れたり、上着を着る動作や寝返りで外れてしまう人もいます。
よって前方不安定症の禁忌は
前方:90度以上の外転を伴う外旋、水平内転
後方:内旋、水平外転、屈曲の組み合わせ
下方:完全挙上、腕を体側に下ろした状態
ベントオーバーロー(肩関節伸展)とトライセプスエクステンション(肘関節伸展)は、肩関節のこのような動きを伴いません。
ベンチプレスは肩の水平内転の動きになりますので、禁忌となり、正解となります。
※肩関節前方に負担がかかるエクササイズは禁忌となります。
ベンチプレス
ペックデック
プッシュアップ
ビハインドネックラットプルダウン
バックショルダープレスはストレスがかからないようフォーム修正をする必要があるので覚えておきましょう!
2つの肩関節の損傷「インピンジメント症候群」「前方不安定症」について理解が深まりましたでしょうか??
最後に
パーソナルトレーナーは、
・整形外科的疾患を負ったクライアントが、活動目標に見合う機能と能力を回復運動し、復帰するための個別に作成される安全で効果的なプログラムに関する専門知識を提供できる。
→治療ではない
・他の専門職と協力し、コミュニケーションをとり、情報をもらい活動を行う。
これを念頭に入れ、私達は治療することが目的でなく、整形外科的な疾患や組織治癒の過程と傷害からの回復に寄与することが目的、ということを覚えておきましょう!
また次回もお楽しみに!