こんにちは!
ASPトレーナースクールの犬塚です!
本日はNSCA12章から、ウォームアップの種類についての問題です!
ウォームアップを行わずに、すぐにトレーニングに入ってしまう光景がスポーツジムなどではよく見られますが、ウォームアップを行うことで様々な恩恵を得ることが出来ます!
今回のブログで、ウォームアップの持つ効果やウォームアップの種類について一緒に学んでいきましょう!
a. PNFストレッチング
b.専門的ウォームアップ
c.受動的ウォームアップ
d. 一般的ウォームアップ
解答:b.専門的ウォームアップ
正解できましたでしょうか?
まずは、ウォームアップがもたらす効果について見ていきましょう!
ウォームアップは、筋温、体温を上昇させる活動であり、その後の活発な運動を行うための身体的・心理的準備であるとされています。
ウォームアップの効果は、この温度の上昇に伴う生理学的変化と大きく関連しているということが様々な研究から明らかになっており、以下のような効果をもたらすとされています。
①筋への血流量の増加
血流量が増加することで、筋の収縮力や持久力を高めることができます。
②神経受容体の感受性の向上
皮膚や筋肉には、触覚や筋の伸長など様々な刺激を感知するセンサーのようなものが多く存在しています。人間はそういったセンサーの情報を基に姿勢や動作をコントロールしており、ウォームアップでそれらの感受性が高まるため、よりパフォーマンスを高めることが出来ます。
③ヘモグロビンとミオグロビンにおける酸素解離の促進
ヘモグロビンは血液中に含まれる酸素を運ぶ物質です。ミオグロビンは筋中に存在し、ヘモグロビンから酸素を受け取る物質になります。
ウォームアップを行うことでヘモグロビンからミオグロビンへの酸素の受け渡しがスムーズになるので、持久的な筋活動の向上に繋がります。
④神経伝達速度の向上
身体は脳からの司令が神経を通じて筋に伝わることで動くことが出来ます。ウォームアップを行うことで神経伝達が向上するので、筋の収縮能力や反応能力などのパフォーマンスを高めることが出来ます。
⑤筋粘性の低下
筋には筋繊維だけでなく、基質と呼ばれる様々な成分を含んだ水分も多く存在します。筋温が低かったり、動いてない時間が長引くと、この水分がネバネバした状態になり、この粘り気を粘性と呼びます。
粘性が高いと筋は伸長しずらくなる、つまり柔軟性の低下に繋がるのですが、ウォームアップで筋温を上げるとこの粘性が低下し、柔軟性を高めることが出来ます。
⑥代謝の化学反応におけるエネルギー消費率の低下
ウォームアップを行うことで、エネルギーの消費効率が低下します。つまり、より少ないエネルギー消費で身体を動かすことが出来るようになります。
その分疲れにくくなったり、強い収縮力を発揮できるようになります。
上記効果以外にも、心理的な準備という側面もウォームアップにはあります。
例えば、サッカー選手が試合前にピッチでウォーミングアップを行うのは、試合会場の雰囲気に慣れるという意味合いも含まれています。
よく、ウォームアップの一環として静的ストレッチを始めに行う光景をよく目にしますが、関節、筋の組織温度が低い状態でストレッチによって結合組織が過度に伸長されると傷害のリスクが増加すると言われています。
また、静的ストレッチのみの場合、筋温、体温の上昇や筋への血流増加がほとんど起こりません。
そのため、体温上昇に伴う筋の粘性低下、可動域改善というメリットも生じにくくなってしまいます。
以上の点から、静的ストレッチはウォームアップ後か、トレーニング後に行うべきとされています。
ここからはウォームアップの種類について解説していきます。
それぞれの方法によって特徴があるのでしっかりと把握しておきましょう!
・受動的ウォームアップ
受動的ウォームアップは、温かいシャワーやホットパック、マッサージなどで行う方法を指します。
疲労せずに行えるというメリットがある反面、多くの場合受動的ウォームアップを行うのは環境的に難しく、実践的ではないというデメリットがあります。
・一般的ウォームアップ
一般的ウォームアップとは、ジョギング、縄跳びといった基本的な活動を指します。
先に挙げた筋温、体温の上昇や筋の粘性低下といった効果は勿論、心拍数や呼吸数の増加による心肺機能面での準備にも繋がります。
活発な身体活動に対する準備においては、受動的ウォームアップよりも一般的ウォームアップの方が適切であるとされています。
・専門的ウォームアップ
専門的ウォームアップは、ベンチプレスでメインセットの前に軽い重量のセットを行う、サッカーで試合前にパスやシュート練習をするなど、各活動における実際の動作を含むものを指します。
専門的ウォームアップは、その後の活動で使われる筋の温度上昇や、神経筋活動の促進、心理的な準備といった効果もあるため、パフォーマンス向上において最も望ましい方法とされています。
ウォームアップの量や強度、時間はクライアントの体力レベルやその後行う活動の強度によって変わりますが、一般的に5~15分、汗をかく程度の強度が推奨されています。
また、体力レベルが高い人は、運動中に生じる熱に対する体温調節機能が良いため、体力レベルの低い人より運動中の体温が高くなる傾向があります。
そのため、最適なレベルまで体温を上げるために、ウォームアップの時間や強度を上げる必要があります。
今回の問題は、「競技パフォーマンスに最も効果的に転移する」という文言から、b.専門的ウォームアップが正解となります。
如何でしょうか?
ウォームアップは省いてしまう方も多いですが、筋トレにしろスポーツにしろ高いパフォーマンスを発揮する、怪我を予防する上で非常に大事になってきます!
NSCAのテストでもよく問われる分野ですので、効果と種類についてしっかりと理解しておきましょう!
それでは次回の投稿もお楽しみに!