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2021.04.27NSCA-CPT対策

NSCA12章 ~長座体前屈~

Q・長座体前屈テストでは、どの筋群、あるいは身体部位の柔軟性が評価されるのか?

<選択肢>

1・ハムストリングス

2・脊柱起立筋群

3・腰椎

4・大腿四頭筋群

(複数回答可)

この問題の意図しているところは何か? というと、

前屈に対して抵抗する「伸筋群」は?  ということです。

 

立位姿勢を保つ伸筋群は、頭の方から順に

<脊柱起立筋群><大臀筋><ハムストリングス><下腿三頭筋>となります。

その反対の屈筋群は、<胸鎖乳突筋><腹筋群><腸腰筋><大腿四頭筋><前脛骨筋>です。

これらが拮抗し、伸張反射を行いながら立位姿勢を保ちます。

 

上記より答えは、1・2となります。

 

【長座体前屈とはそもそも何のために測るの?】

さて、ここからは長座体前屈についてプラスαの知識を学びましょう!

長座体前屈は、「新体力テスト」の一つです。

>文部科学省では「体力・運動能力調査」を実施して国民の体力・運動能の現状を明らかにし、体育・スポーツ活動の指導と、行政上の基礎資料として広く活用しています。

(新体力テストについて文部科学省のHPより引用)

 

20歳~64歳の区分では、

握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、急歩、20mシャトルラン、立ち幅跳び

の7項目からテストが構成されています。

 

長座体前屈は、<柔軟性>をテストする項目となります。

 

平成11年度より「新体力テスト」として立位姿勢では行わず長座で行われることになりました。

理由は、立位で行った際、高齢者の脳血管系に一気に血が集まってしまう危険性や、バランスを欠いて転倒してしまう恐れから長座で行うことになりました。

さて、この長座体前屈テストの結果から何が分かるのか?

以下、過去発表された論文で出た面白い結果を、3つご紹介いたします!

>Ⅰ・日常の運動習慣

 長座体前屈から分かることは、「柔軟性は運動習慣の影響を強く受け、適切な運動が不足した場合に関節の可動域が低下する」と様々な論文で挙げられています。

では逆に、どのような運動が柔軟性を上げる要因となるのか?

柔軟性を上げる要因を調べたテストから、

 55-77歳までの女性に対しテストでは、「ストレッチのみ」、「血液循環を高めるような運動ストレッチ」、「体幹伸展運動」、「筋トレ」で実験したところ、ストレッチのみより、「血液循環を高めるような運動ストレッチ」、「体幹伸展運動」、「筋トレ」を行った方が効果があった

と考察されています。

 

 理由として、運動後の筋痛時に筋肉の硬さが低下するからと考えられています。

 また2週間1日1回程度の運動では結果は出にくく、13週ほど続けたところ結果が出たとの報告もありました。

ぜひストレッチは柔軟ストレッチだけでなく、運動も合わせて行っていきましょう!

>Ⅱ・筋力が上がると柔軟性も上がるのか?

「新体力テスト」では、 7項目行われますが、お互いの相関関係を調べた実験があります。

その研究では、握力、片足立ち保持時間、長座体前屈、持久力、最大歩行テストを行った際、

「各項目で高い数値を出した人が必ずしも長座体前屈で良い結果だった」という相関関係は見られなかったそうです。

つまり、運動をして強い筋力、速度が出せるからといって柔らかい筋肉という訳ではないということです。

>ⅲ・下半身が柔らかいと上半身も柔らかい?

最後に、長座体前屈と上半身の脊柱・下肢の筋肉の関係を調べた研究をご紹介します。

この実験では、長座体前屈距離、脊柱可動性としての脊柱湾曲角(背中が曲がる角度)、下肢伸展挙上可動域(膝を伸ばした状態で股関節を屈曲できる角度)を比較しています。

結論、下肢伸展挙上可動域と長座体前屈距離に優位な相関関係が見られ、脊柱湾曲角と長座体前屈距離には相関関係は見られなかったとのことです。

つまり上半身の柔らかさは関係なく、大腿部後面と腰部の柔軟性が高いと前屈は伸びやすいという結論になります。

なにげなく行っている長座体前屈。

奥が深いですね!

今のところ、柔軟性についてはっきりとした定義は、まだ無いそうです。

ただし身体が硬いとやはり腰痛は起きやすいそうですよ。

柔軟性を上げたい! というお客様にポイントを説明しましょう!

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