こんにちは!
ASPトレーナースクールの犬塚です!
皆様、勉強の調子は如何でしょうか??
本日はNSCA16章〜有酸素トレーニングプログラム〜から、トレーニングの種類についての問題です!
試験においてもよく出題される分野であり、有酸素能力を高めたいお客様やアスリートを指導する際には非常に役に立つ知識でもあるので、一緒に学んでいきましょう!
それでは、問題から見ていきます!
a. LSD
b.インターバルトレーニング
c.ペース/テンポトレーニング
d. サーキットトレーニング
解答:c. ペース/テンポトレーニング
如何でしょうか?
まずは問題文に出てきた乳酸性作業閾値について解説していきます!
運動中に血中乳酸濃度が急激に上昇する点を乳酸性作業閾値(LT:Lactate Threshould)と呼び、最大酸素摂取量(VO2max)と並んで有酸素持久力をみる指標として用いられています。
有酸素持久力が高い人は低い人に比べ、血中乳酸濃度の急上昇がより高い運動強度で生じます。つまり、よっぽど強い運動にならないと、乳酸がたまってこないということです。
また、同一人物においてLT強度が以前より上がった場合(つまり強い運動になっても乳酸を処理する力が向上した場合)は、有酸素的な運動の能力が向上したと説明できます。
・最大酸素摂取量
最大酸素摂取量は1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量(ml/kg/分)を示しています。この数値が高いほど体内に十分な量の酸素が取り込めるため、有酸素持久力をみる代表的な指標の1つとして活用されます。
・なぜ乳酸が溜まると動けなくなるのか?
乳酸は解糖系によって糖質からエネルギーを生み出す際に副産物として生成される物質です。
この乳酸が蓄積すると動けなくなることから以前は「乳酸=疲労物質」と捉えられていましたが、乳酸は有酸素機構においてはエネルギー源として活用されます。
ではなぜ乳酸が溜まると動けなくなるのでしょうか?
それは、乳酸が蓄積していくと乳酸生成の際に発生する水素イオンなどの作用で筋肉内のpHバランスが酸性に傾くからです。
pHバランスが崩れると筋肉は働くことが出来なくなるので、これが乳酸蓄積に伴い動けなくなる原因です。
乳酸性作業閾値については理解できましたでしょうか?
では次に有酸素トレーニングの種類について学んでいきましょう。
有酸素トレーニングは、持続時間、強度など様々な変数を組み合わせることで、得られる効果が変わってきます。
では、どのような種類のトレーニングがあるのか見ていきましょう!
・LSD(ロングスローディスタンス)
通常よりも低い強度で、より長い時間エクササイズを持続する方法
【強度】
50~70%VO2max(心拍数では約110~130拍)、または会話を続けられる強度
【持続時間】
30分〜2時間
【効果】
・循環機能や体温調節機能の向上
・骨格筋の酸化能力向上によるエネルギー源として脂質利用の増加
・補助筋群の筋持久力向上
・インターバルトレーニング
高強度のエクササイズと低強度のエクササイズを交互に行う方法
【強度】
90~100%HRR (HRR:予備心拍数)
【持続時間】
最大60分
【運動-休息比】
1:1~1:3
【効果】
乳酸性作業閾値の向上
乳酸除去能力の向上
・ペース/テンポトレーニング
乳酸性作業閾値での運動を行う方法
間欠的ペース/テンポトレーニングと持続的ペース/テンポトレーニングの2種類が存在
【強度】
70%VO2max以上(乳酸性作業閾値付近の強度)
【持続時間】
20~30分
*間欠的:3~5分の運動と3-~90秒の休息を繰り返し
*持続的:20~30分運動を継続
【効果】
心肺機能の持久力向上
VO2maxの向上
乳酸性作業閾値の向上
・サーキットトレーニング
有酸素トレーニングとレジスタンストレーニングを組み合わせたトレーニング
【強度】
心拍数をトレーニングゾーンまで増加
【持続時間】
約10種目のレジスタンストレーニング15repと間に30秒の有酸素トレーニング
【効果】
心肺機能の持久力向上
筋持久力の向上
今回の問題は、「乳酸性作業閾値を向上させるトレーニング」ではなく、「乳酸性作業閾値のレベルで実施するトレーニング」でしたので、答えはcのペース/テンポトレーニングが正解となります!
如何でしょうか?
有酸素トレーニングもレジスタンストレーニングと同様様々な種類があり、それぞれで得られる効果も変わってきます。
NSCAのテストでもよく問われる分野であり、現場での指導でも役に立つ知識ですので、しっかりと覚えておきましょう!
それでは次回の投稿もお楽しみに!